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やっぱりまだ進みたくないのに

本当に完全に
自分の中の恋心が消えてしまった。
もうあの日常がキラキラ輝く感覚も
どうしようもなく苦しくて
自分が自分でいられなくなるような激情も
味わうことができない、という喪失感。

私は根っからの恋愛体質なのだと思う。
好きな人がいると何でも頑張れる
そういうタイプの人間。

同時に、感情の起伏が激しくなって
脳内が相手のことでいっぱいになって
日常に支障をきたすこともある。
でもそんな時間がとても好き。
些細なことが頑張るきっかけになったり
恋をしている時間は特別な気がするから。


お互い様々な理由で
付き合うことが出来ない。
その事実に対して悲しい、辛いという
フェーズは超えた。
でも会いたいとは思うし
格好いいな、可愛いなという気持ちは
変わらず両者持ち続けている。

それなら遊んでしまおう。
1回きりなのか、ずるずる行くのか
それは分からないけれど。

両者共そう結論付けて会った一昨日。
よく女性は関係を持つと情がわいて
ますます相手を好きになる
なんて言うけれど、私は違ったらしい。


もともとどちらのタイプに
自分が該当するのかは分かっていなかった。
誇れることでは全くなく
むしろ恥ずべきことなのだけれど
付き合っていない人と
関係を持ったことは学生時代に2度あった。

1名は情が入り自分の感情は泥沼化。
もう1名は全く情は入らず。
泥沼化したのは
元々相手の全てがタイプで好意が強かったことと
その後も何度も会いたいと誘われ
関係が長期化したせいだったのかもしれない。


一昨日、相手が帰った後
私はひどく疲弊していた。
したことに対して後悔はしていない。
むしろそのお陰で、気持ちが落ち着いたので
完全に吹っ切るために良かったと思っている。

変な話ものすごく相性が悪かったとか
その時間が苦痛だったわけでもない。
普段ものすごく下ネタ言う割に
随分あっさりしてるんだなぁなんて
下世話ながら思ったりはしたけれど。

どちらかというとする前から
自分の気持ちが思ったよりも動いていないこと
最中もやけに冷静な自分がいたこと
一緒にいる時間終始
前のようなトキメキが全くなかったこと。
そんな事実が悲しかったのだと思う。

あんなに好きだったのに。
2か月前の自分はあんなに悩んで苦しんで
もっと早く出会えていたらと
何度もたらればを考えていたのに。
そんな感情がどこにも見当たらなかったのが
悲しくて寂しかった。


話せば話すほど
私とは確実に合わないと実感していく。
歳がそれなりに離れているのも
浅はかだ、と感じる原因なのかもしれない。

考え方、教養、言動
全体的に幼さを感じることが多くて
トキメキよりも違和感が上回って
一人になった瞬間どっと疲れたのだと思う。


私は一度好きになった人のことは
出来る限りずっと好きでいたいと思う。
恋愛としての好きではなくなっても
尊敬だったり学びだったりを得ながら
何か別の形で好きでいたいと。

ただ残念ながらあの人に対して
尊敬や学びを持つことは無さそうだと
思ってしまった。
だから尚更悲しくて寂しい。
驚くほど冷めてしまった自分の気持ちも
楽しかった思い出に対する執着心さえ
消えつつあることも。


我ながらどうしようもない人間なので
なんとかまた過去の気持ちを
取り戻せないだろうか、なんて思ったりする。
必死にときめいた時間を思い出して
言われて嬉しかった言葉を思い出して
自分の恋心の延命措置をはかったりしている。

でももうきっと潮時。
次回顔を合わせた時あからさまに冷たかったり
避けられてしまったり
今までと違う態度を取られたら
流石に傷つくだろけれど。

でももう彼に対する気持ちはきっとない。
これからも当時の自分の気持ちの昂りを求めて
縋ってしまうことはあるのかもしれないけれど。


あの人がつけていた
シャネルの香水の香りがすると
本当に少しだけ胸がぎゅっとなる。
あの人の好きだと言っていた曲を聞くと
なんとなく少し切なくなる。

あの人にとってもそういうものがあるといいな。
これを見ると私を思い出す。
ほんの少し胸が苦しくなる。そういうものが。


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