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詩 「散歩」


花をみて
ああ美しいと
感じるのに

草を踏みつけて
ああごめんねとも
思わない無神経さを
草は責めたりしない

花が咲くと
よろこぶのに

草が生えても
むしり取るだけの残酷さを
草は責めたりしない

さりとて花は花で
人に気に入られるために
咲き誇っているわけではない
かもしれない かもしれない

言葉を持たず
動かないものたちへ
人は何が言えるだろう
人に何ができるというのだろう

花がなんだ
草がどうした
花のように
草のような
なんなのだ

花があそこで
咲いていて

草はとなりで
ぼうぼうで

今日の散歩は
いいかんじ



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