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ホロコースト否認論を否認するテスト-番外編02「ホロコーストを学ぶならこれを見よ!」

今回は短く紹介です。否認論否認にはなるとは思いますが、まずは学ぶべきでしょう。

アウシュビッツやホロコーストの悲惨な実態というのは、映画やドラマや様々な書籍やらで紹介されていますが、意外と多くの人が全体像をご存知ではないようです。何故あんな事が起きたのかを考える前に、簡単でもいいから出来るだけ全体的な俯瞰図を持つ必要があるのではないかと思います。

しかし、そうした事がわかるように書いてある本を読むなどでは、これがなかなかイメージしづらいものがあります。色んな場所や名前などが出てきて、混乱する経験もあるかと。しかし、そっくりさんの俳優を登場させて、上手に無理のない演技をしてもらって、出来る限り当時の状況を再現して、適切に当時の映像なども入れながら、生存している当時の関係者に証言してもらったりして、経緯に沿って映像で解説してもらったら、めちゃくちゃわかりやすいと思うのですね。

で、この動画です。

上記サムネはレンタル〜購入のリンクですけど、プライム会員の方なら無料です。プライムの方はサムネになるリンクが見つかりませんでした。でも、これは簡単に学びたいのなら必見じゃないかと思います。いやーしかし、BBCはやはり世界に冠たる公共放送局ですねぇ。見て吃驚しました。こんな優れた教材があるとは、想像もしてなかったです。

大概の人は、例えばアウシュビッツならアウシュビッツしか知りません。しかし例えば『シンドラーのリスト』にはアウシュビッツはほとんど出てきません。大半のシーンはクラクフ収容所です。クラクフ収容所は大量虐殺をやっていた絶滅収容所ではなくあくまで強制収容所です。

また一般に言われる大量虐殺のアウシュビッツ収容所とは実はビルケナウ収容所のことなのです。だから近年はポーランドの地元民も少々不愉快らしく、アウシュビッツをホロコーストの代名詞に使って欲しくないんだそうです。ビルケナウと呼べ、と。近いけどアウシュビッツ収容所とビルケナウ収容所は三キロほど離れてるんです。観光名所だからアピールとしてビルケナウと呼ぶことはなかなか難しいとは思いますが。余談が過ぎました。

若干の事前知識は必要です。これも想像ですけど、興味を持つ人ならば、少しくらいの常識程度の知識は持っている、そういう人達が対象だと思われます。ヒトラーだけじゃなしに、ヒムラーやハイドリヒ、アイヒマンと言った基礎的な人物や、軍と親衛隊やゲシュタポの違い、あるいは中学生レベル程度の第二次世界大戦に関すること、その程度の事前知識は要ります。なくても、なんとなくは分かりますが、知っておいたほうが無難でしょう。

あとこんなのも見ておくと、その意外性に驚くかも知れません。以下はその予告編動画です。「え? こんな普通のどっかの公務員みたいなおっさんがあんな酷いことを?」と。 

ちなみに、アイヒマンの人物評で一番合ってるなぁと思うのは、逃亡潜伏中のアイヒマンをアルゼンチンに捕まえに行ったイスラエル諜報特務庁(いわゆるモサド)長官のこの評価です。(Wikipedia アイヒマンより引用)

「あそこまで魂を売り渡した心理状態の男を私はこれまで見たことがない。我々は知的水準の極めて高い男と対峙していると感じていた。だがその一方で、我々の目の前にいるのは無に等しい男であり、一から十まで協力的で一度たりとも面倒をかけず、時には自分から協力を申し出る腑抜けだった。」(イスラエル諜報特務庁長官イサル・ハルエル)

ともあれ、BBCの『アウシュビッツ ナチスとホロコースト』は学びたいなら必見かもしれない動画です。たぶん、この映像が作られた時期くらいが証言者の貴重な生の証言を得られた限界に近い時期だと思います。少し調べても登場人物の多くは既に亡くなっていました。以上。


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