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ホロコーストを疑っている人のために

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かつてナチスドイツが行ったホロコーストを「なかった」という人たちがいます。それらの主張の代表的なものを、ある海外サイトを参考に論破する試みです。
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#ホロコースト否認

HCブログサイトのフランケ・グリクシュの再定住報告書記事へのカルロ・マットーニョからの反論と、HCサイトによる再反論

noteの方の更新をサボっていましたが、まー、色々とはやってます。 2019年8月11日に、Holocaust Controversiesブログサイト(以下、HCサイト)に掲載された、アウシュヴィッツ・ビルケナウにおけるユダヤ人の大量絶滅に関するナチスの文書:フランケ=グリクシュ報告は、否定派界隈を多少は賑わせたようです。否定派の人たちは、この「再定住報告」については、米国の修正主義者であるブライアン・レンクによる1991年の記事を非常に信頼しており、捏造で間違いないと判断

ホロコースト否定論の小ネタへの反論シリーズ:(3)アルマ・ロゼは、アウシュヴィッツに着いて何故すぐ殺されなかったのか?

今回の記事は短いです。 実は超長い記事を作成中だったのですが、あんまりにも長いというか、最近はめんどくさがりの悪癖が酷くてサボりすぎ💦 そこで短い記事を今回は一つ。 以前にはてなブログの方で、YouTubeやニコニコ動画にある「ホロコースト論争」チャンネルの動画を徹底批判した時に、その動画内で有名なクラッシック音楽の作曲家であるグスタフ・マーラーの姪に当たるアルマ・ロゼのことが触れられており、私はほんの少しだけネットでググって調べた程度の知識で以下のように書きました。

ポーランドの戦争犯罪証言記録サイトに見る殺人ガスの証言証拠(8)

今回は、久しぶりにポーランドの戦争犯罪証言記録サイトにある証言の翻訳紹介シリーズの続きです。いつもと同じように「Main Page / Indexes / Crimes / gas chamber」で検索された証言のみを対象としています。本当はそれ以外も読みたいのですけど、あまりにも多すぎて無理なのが残念です。 とにかく、何百もの証言があるので、非常に参考&勉強になるのです。しかも、少なくとも日本ではほぼ全く知られていないと思いますし、日本語翻訳して紹介する意義はあると思

フリットヨフ・マイヤーによるアウシュヴィッツの犠牲者数に関する論争(5)

フリットヨフ・マイヤーによるアウシュヴィッツの犠牲者数に関する論争(1) フリットヨフ・マイヤーによるアウシュヴィッツの犠牲者数に関する論争(2) フリットヨフ・マイヤーによるアウシュヴィッツの犠牲者数に関する論争(3) フリットヨフ・マイヤーによるアウシュヴィッツの犠牲者数に関する論争(4) フリットヨフ・マイヤーによるアウシュヴィッツの犠牲者数に関する論争(5) この翻訳シリーズのあるPHDNの記事紹介ページでは、あといくつかの記事も紹介されているのですが、特に参考とな

フリットヨフ・マイヤーによるアウシュヴィッツの犠牲者数に関する論争(4)

フリットヨフ・マイヤーによるアウシュヴィッツの犠牲者数に関する論争(1) フリットヨフ・マイヤーによるアウシュヴィッツの犠牲者数に関する論争(2) フリットヨフ・マイヤーによるアウシュヴィッツの犠牲者数に関する論争(3) フリットヨフ・マイヤーによるアウシュヴィッツの犠牲者数に関する論争(4) フリットヨフ・マイヤーによるアウシュヴィッツの犠牲者数に関する論争(5) タイトルの論争関係の翻訳4回目ですが、批判対象となっているドイツ人ジャーナリストのフリットヨフ・マイヤーによ

フリットヨフ・マイヤーによるアウシュヴィッツの犠牲者数に関する論争(3)

フリットヨフ・マイヤーによるアウシュヴィッツの犠牲者数に関する論争(1) フリットヨフ・マイヤーによるアウシュヴィッツの犠牲者数に関する論争(2) フリットヨフ・マイヤーによるアウシュヴィッツの犠牲者数に関する論争(3) フリットヨフ・マイヤーによるアウシュヴィッツの犠牲者数に関する論争(4) フリットヨフ・マイヤーによるアウシュヴィッツの犠牲者数に関する論争(5) この翻訳シリーズは、2002年頃、ドイツ人ジャーナリストのフリットヨフ・マイヤー氏がアウシュヴィッツの犠牲者

ホロコースト否定論の小ネタへの反論シリーズ:(2)ダッハウのガス室捏造説の根拠の一つとなっている、Common Sense(ニュージャージー州の雑誌、1962年6月1日号)にある記事について。

(1)の続きがやっと(笑) マイヤーのアウシュヴィッツの犠牲者数に関する論争の記事の翻訳を中断して、わざわざnote記事にするこれは何かというと、ドイツ人の修正主義者として名高いゲルマー・ルドルフの『ホロコースト講義』の中に、ダッハウ強制収容所のガス室に関して、こんな話が登場します。 さて、こうした修正主義者の提出する、「聞いたこともない話」の情報源は、可能な限り精査される必要があります。以前、スイス人の修正主義者であるユルゲン・グラーフの説で、元ネタをなんとか探し出し、

フリットヨフ・マイヤーによるアウシュヴィッツの犠牲者数に関する論争(2)

フリットヨフ・マイヤーによるアウシュヴィッツの犠牲者数に関する論争(1) フリットヨフ・マイヤーによるアウシュヴィッツの犠牲者数に関する論争(2) フリットヨフ・マイヤーによるアウシュヴィッツの犠牲者数に関する論争(3) フリットヨフ・マイヤーによるアウシュヴィッツの犠牲者数に関する論争(4) フリットヨフ・マイヤーによるアウシュヴィッツの犠牲者数に関する論争(5) フリットヨフ・マイヤーによるアウシュヴィッツの犠牲者数に関する論争については、これを翻訳して理解しようと思っ

フリットヨフ・マイヤーによるアウシュヴィッツの犠牲者数に関する論争(1)

フリットヨフ・マイヤーによるアウシュヴィッツの犠牲者数に関する論争(1) フリットヨフ・マイヤーによるアウシュヴィッツの犠牲者数に関する論争(2) フリットヨフ・マイヤーによるアウシュヴィッツの犠牲者数に関する論争(3) フリットヨフ・マイヤーによるアウシュヴィッツの犠牲者数に関する論争(4) フリットヨフ・マイヤーによるアウシュヴィッツの犠牲者数に関する論争(5) 前回、前々回とアウシュヴィッツ収容所での犠牲者数に関する記事を投稿していますが、今回もまたそれです。 で、

アウシュヴィッツの犠牲者数「110万人」の内容について:フランチシェク・ピーパーの論文の紹介

前回の記事、 で、冒頭で紹介したアウシュヴィッツ博物館の歴史部門の責任者であるフランチシェク・ピーパー博士による犠牲者数に関する研究結果の要約版は、翻訳はパスすると言ったのに、適当に翻訳して読んでいたら「うーん、これはなかなかわかりやすいな…」と思い始め、今回、前言をすぐに翻して全訳して公開することに決めました。 実は、この手の研究著作は非常に細部にわたって解説されており、その細かい部分が知識がないとわかりにくい内容が多いので、翻訳するのに難儀したのが以下です。 ドイツ

アウシュヴィッツの犠牲者数のまとめ

今回は、アウシュヴィッツ収容所の犠牲者数に関する小論です。 1.110万人説(フランチシェク・ピーパーの研究結果)アウシュヴィッツの犠牲者数については、2024年6月現在、110万人と言われることがほとんどのようですが、この数字は、アウシュヴィッツ博物館の歴史部門の責任者を務めていたフランチシェク・ピーパー(Franciszek Piper)博士による研究結果です。ピーパーは、ネットで時折、主に修正主義者によって、「館長(Director)」と表現されていることがあるのです

ホロコースト否定派尊師:ロベール・フォーリソンについて(3)

ホロコースト否定派尊師:ロベール・フォーリソンについて(1) ホロコースト否定派尊師:ロベール・フォーリソンについて(2) ホロコースト否定派尊師:ロベール・フォーリソンについて(3) もしかしたら、上のような写真のフォーリソンの姿を初めて見た人は、「優しそうで人柄も良さそうなおじいちゃんだな」と思ってしまうかもしれません。しかし、フォーリソンは紛れもなく悪質な反ユダヤ主義者で嘘つきのホロコースト否定論者です。それは、たとえばこのフォーリソン関連記事の前回まででお分かりいた

ホロコースト否定派尊師:ロベール・フォーリソンについて(2)

ホロコースト否定派尊師:ロベール・フォーリソンについて(1) ホロコースト否定派尊師:ロベール・フォーリソンについて(2) ホロコースト否定派尊師:ロベール・フォーリソンについて(3) さて、今回扱う話のテーマは、ホロコースト否定議論では有名な、ミュンヘン現代史研究所の所長をのちに務めた、1960年のマルティン・ブローシャートの手紙について、です。この手紙はありがたいことに、2024年5月現在、ネットで公開されています。メールアドレスのみで無料登録、閲覧できますので、確認さ

ホロコースト否定派尊師:ロベール・フォーリソンについて(1)

ホロコースト否定派尊師:ロベール・フォーリソンについて(1) ホロコースト否定派尊師:ロベール・フォーリソンについて(2) ホロコースト否定派尊師:ロベール・フォーリソンについて(3) 私自身は、ホロコースト否定派の実質的な教祖はラッシニエではなく、フォーリソンではないかと思っているのですが、それはどーでもいいことです。教祖と言えば普通は創始者のような意味があるので、その意味ではラッシニエが教祖ではあるのですが、本格的にホロコースト否定を広め始めたのはフォーリソンだと思って