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ホロコーストを疑っている人のために

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かつてナチスドイツが行ったホロコーストを「なかった」という人たちがいます。それらの主張の代表的なものを、ある海外サイトを参考に論破する試みです。
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#絶滅収容所

トレブリンカ絶滅収容所解体後の墓荒らし

以下の以前に翻訳した記事で、トレブリンカ収容所跡地の地中は何の変化もない自然の土壌だと吐かすリチャード・クレゲなる正体不明の人物による主張が論破されています。 この記事の中で、トレブリンカではゴールドラッシュが起こったと書かれています。今回はその記事の翻訳+トレブリンカ収容所の歴史について解説された記事の翻訳を紹介します。 トレブリンカ跡地でのゴールドラッシュ、すなわち、トレブリンカ跡地には「お宝が眠っている」との噂を聞きつけ、地元住民などによる掘り返しが行われたのです。

アーヴィングvsリップシュタット裁判資料(3):アウシュヴィッツ-2

ヴァンペルトレポートは本当に長いです。リップシュタットのサイトのページに、ヴァンペルトレポートは一ページにまとめられていますが、前回訳したところまでのブラウザの縦スクロースバーを見ると、まだ十分の一も進んでません。多分、ヴァンペルトレポートを本にしたら何百ページもあるんじゃないでしょうか? でも訳すと決めた以上、ヘウムノシリーズとか他の終わってないシリーズのことが頭にチラつきますが💦 、とにかく目標は完訳です。 ▼翻訳開始▼ II アウシュビッツとホロコースト アウシュ

アーヴィングvsリップシュタット裁判資料(2):アウシュヴィッツ-1

アーヴィングとリップシュタットの裁判の本題は、リップシュタットが自著『ホロコーストの真実』で書いたアーヴィングへの評価が名誉毀損になるかどうかでした。しかし、世間的な大方の見方では「ホロコーストがあったかどうかを問う裁判」と思われている向きもあるかと思います。アーヴィングは、ツンデル裁判以降、明確にホロコースト否定論者に転じたわけですが、アーヴィングのホロコースト否定の主張が正しいのであれば、リップシュタットがアーヴィングに名誉毀損したことになります。つまり、この意味では、ホ

アーヴィングvsリップシュタット裁判資料(1):「ユダヤ人問題の最終的解決」とは?

映画『否定と肯定』は、実際にはリップシュタットの原著からもかなり脚色されていますが、映画では裁判の割と大事なところは、コンパクトではありつつもきちんと描いていたりします。しかし、実際の裁判では事細かにホロコーストに関する議論をしていたことはほとんど知られていないのではないでしょうか? これは原著でもあまり触れられていません。 映画でも、イギリスの裁判制度の特殊さが言われていましたが、リップシュタットの主張がアーヴィングへの名誉毀損でないことをリップシュタット側が立証しなけれ

ポーランドの戦争犯罪証言記録サイトに見る殺人ガスの証言証拠(6)

このポーランドの証言集シリーズをボケーっと眺めていたら、「あれ?」と気付いたのです。違うページに同じ名前が被っている、と。証言が複数回に分かれている人がいるのは知っていたのです。ポーランドでは多数の被告を扱った裁判が行われていて、それらの別々の裁判に証人として出廷していてその裁判別に記録があったり、あるいは法廷での尋問記録と裁判に先立って作成された宣誓証言記録などで複数の記録があったり、です。ところが、全く同じ証言の翻訳を何回か私はしていたのです。 実は、この証言シリーズは

アウシュヴィッツ以外の絶滅収容所を知る(6):ベウジェツ絶滅収容所の大量埋葬地の発掘調査

えー、普段は、この「アウシュヴィッツ以外の絶滅収容所を知る」シリーズではまず最初に英語版Wikipediaなどから収容所の説明を入れて、その後にちょこちょこっと関連記事を紹介していくパターンなのですが、実は以前からちょっと気になってたことがありまして、それは何かというと、ベウジェツの発掘調査の件です。 多分ですけど、おそらく近年で唯一、絶滅収容所で大量埋葬地の大規模な発掘調査を行なったのがベウジェツなのです。私がそれ以外に知らないだけで他にもあるかもしれないんですけど、とも