コメント_2019-12-19_165030

自慢の連鎖を起こすコミュニケーションデザイン

バブル期のCMデザインが話題になっていました。このころのCMやメディアはプランナーによる設定が非常に練られています。

なぜたった30秒のCMで紹介しきれないリアリティを練り込むのでしょうか。

ひとつはリアリティを醸し出すということがありますが、他に重要な観点があります。予算獲得です。

予算獲得のために、説明されない情報を盛り込む

企画制作を担当する広告代理店にとって次年度の予算獲得は不可欠です。そして大きな予算獲得のためにはクライアント社内の多くの利害関係者に推してもらわなければなりません。

利害関係者ひとりひとりに代理店担当者が説くことは不可能ですので、勝手に広まるようにしたいわけです。

「あれって実はね」
「あの仕事、私が関わっただよね」

このように利害関係者が自慢したくなるような設計をすることで、世間だけでなく、クライアント社内にも広まるようになるわけです。そして次年度以降の制作の機運を高めます。

コメント 2019-12-19 165030

担当したわけではないのに「あのプロジェクトはおれが関わっていたんだよ」という自慢する人を訝しむ話しはあります。フリーライダーですからね。ところが予算獲得者にとって「オレの仕事」にして自慢する人をどれだけ作れるかは重要なことです。彼らは味方になりうるわけです。

よく意味の分からないイメージ広告はありますが、それらも同様です。特にバブル期はテレビの影響力は大きいものでした。なのでテレビで放映されるということは自慢できることでした。イメージCMは自分の家族や両親にいい会社で働いていることをアピールする機会になっていました。

関係者が自慢できる、自慢しているというのは機運が生まれますから、実際のプロダクト開発でも重要な観点と思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?