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私でも英語上級者になれますか? 英検1級&韓国語TOPIK6級合格のYumiさんに聞いた、中級者から上級者になるための英語学習法【前編】

マレーシア在住、英語中級者のゆりこです。
英語学習をのんびりとやっていますが、上達ペースもやはりのんびり。インターナショナルスクールに通う子供たちに、あっという間に英語力を追い越されそうな今日この頃です。

どうやって勉強したら、ここから英語上級者になれるのかな?

そんな思いで、マレーシアでバイリンガル子育て中の英語中級者の私が、英語上級者のYumiさんに、「どうやって勉強したら英検1級取れるくらい英語が上手になるんですか?」というお話をストレートに伺って、再現性の高い勉強法を考えてみましたよ。

英語学習法を自ら発信しているプロ/セミプロとは違う等身大で本音のストーリーには、地に足ついた学習のヒントが詰まっていました。

「もうちょっと勉強して、上級者に近づきたい」
「ここから何をしたら上級者になれるのかわからない」


と思っている方は、ぜひ参考にしてくださいね。

🖊英語を上達させるためにはまず何からやったらいいの? 英検1級の人に聞いてみた

Yumiさんは、ご主人のお仕事の都合で現在は韓国に暮らす、小学生6年生の男の子のママ。妊娠中に英検1級を取得、その後、国家資格である通訳案内士にも合格し、スパルタで有名なプロ通訳者養成スクールの「サイマル・アカデミー」の入学テストでは最高レベル、オンライン英会話のネイティブ・キャンプの講師も勤め、高麗大学(※)国際大学院では英語でのディスカッションやプレゼントこなして学位を取得、という文句なしの英語上級者。
(※高麗大学:日本でいうと早稲田大学のような位置づけの韓国の上位ランクの大学)

いったいどうやって英語を勉強したら、そんな風になれるの?
小さい頃から英語を習ったり、英語が得意だったりしたの?
初級レベルのときにはどんな勉強をしたの?

まずは、英語学習の「はじめの一歩」からのお話を伺いました。


🖊受験勉強はムダじゃない。はじめの一歩は「英文法」

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Yumiさんが英語学習に目覚めたのは高校1年生の夏。
幼いころからの英語学習は特に行っておらず、中学校でも英語は人並みレベルだったという。きっかけは、とある塾の夏期講習に通ったことだったそう。

英語初心者だった頃のYumiさんは、まず何から勉強したんですか?
という問いに対して返ってきたのは、「文法」という言葉だった。

「英文法が好きなんですよ(笑)。ちょっと英文法オタクっぽかったと思います」
と笑って話すYumiさんが英語好きになったきっかけは、高1のときに出会った大学受験塾でした。

「『お茶の水ゼミナール』という塾に友達が通っていて、おもしろいよ、って言うから夏期講習に行ってみたんです。現在はベネッセの傘下ですが、当時はまだベンチャーという感じのアットホームな塾で。先生がおもしろくて、小人数で和気あいあいとした雰囲気でした。そこの授業が楽しかったのでそのまま大学受験まで通いました。最初は英文法を覚えるのが楽しくて。先生にもたくさん質問したりして、おもしろいからやる、という感じでどんどん文法を覚えていきましたね」

「おもしろい」と思って取り組むことができるスクール・先生との出会いが入り口だったのですね。大手だから、口コミが多いから、安いから、というだけでなく、やっぱり「合う先生」って大事ですね。

その後、英語力と国語力を生かして大学受験に成功。
そして、大学時代に1年休学してイギリス留学を体験。そのときも、最初はリスニングもスピーキングもできなかったけど、「文法知識のおかげで助かった」とか。

「話せるようになるには、パッと一瞬で言葉にしなきゃいけないから、「文法問題が解ける」というところからの隔たりはあるのですが、文法が頭に入っていればあとは慣れるだけなので、聞いたり話したりする機会が増えて慣れてしまえば、いろいろなことが繋がりました。
よく、『大学受験の英語は役に立たない』と言われますけど、そんなことはないと私は思っています」

と、Yumiさん。

「受験英語の弱点は、英文法の知識を実際に『話す』、『聞く』というところに繋げるまでをやらないところなのですが、日本人の英語学習者は文法の知識はわりとある人が多いので、その蓄積があればスピーキングやリスニングも伸びていきやすいですよ」

と、さまざまな実例を通して実感されているのだそう。

ブロークンでもいいからなんとか通じればいい、というのなら別ですが、ある程度きちんと通用する英語を自在に話したいと思うなら、まずは文法、ということなんですね。

「文法の知識という土台がしっかりしていないと、あと伸びに苦しむ」という点は、中級者からなかなか抜け出せない人ならうなずけるポイント。わかっているはずなのに、話すとなると言葉が出てこない/英語がなかなか聞き取れない、という人は、文法の基礎をもう一度やり直してみることがレベルアップに直結しそうです。

たまに、「海外ドラマなどで英語を話せるようになった」という方もいらっしゃるのですが、そうなるにはものすごい量をこなす必要があるので、かなり時間がかかります。
また、多くの方が別途なんらかの「勉強」をしているものです(ゴリゴリとイディオムを覚えるとか)。

Yumiさんも、

「エンタメを観て上がるのはリスニングの能力で、スピーキングは別物です。自分で会話文を組み立てるのは、受け取る情報を理解する能力よりずっと高度だからですね。スピーキングには一定量の単語と文法を自分で使えるレベルで身につけている必要があります。

ただ、リスニングを大量にこなすことで、その言語のリズム感が身につくので、スピーキングが滑らかになったり、発音やイントネーションがよくなるという効果は期待できると思います」

とのことです。

🖊文法の勉強は、「この1冊だけ」でOK

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「文法は、やるだけやれば身に付くので」

と、にこやかにサラリと語るYumiさん。
では、具体的にどのように勉強するのがおすすめ?

その質問に、
『ロイヤル英文法』1冊の内容をマスターできれば、それで十分です」
とキッパリ。

英語をがんばるぞ! と意気込むと、勢いでいろいろと本を買ったり、「勉強法」を知りたくて延々とネット検索をして時間を費やしたりしまいがちなのですが、そんなことに時間をかけるよりも、実績・定評のある文法書を1冊買って、さっそくページをめくることですね。

Yumiさんをはじめ、英語系ブロガーや東大生など英語学習上級者からの評価が高く、「これ1冊でOKの本」の筆頭といえるのが、旺文社の「ロイヤル英文法」。「中学英語はマスター済み」という段階の人なら、まずはこの一冊をポチるべき。

書籍版は重いので家用、という感じ。外出先や移動中にちょこちょこ参照して復習したい場合はKindle版が便利ですが、じっくり取り組むならやはり書籍版が使いやすいです。上記のリンクから試し読み可能です。

本書は「中学英語がわかっている人」を対象にした本なので、もう少し手前からやり直したい人や、英語は英語で学びたい人などには、別の選択肢を最後にご紹介しますね。



🖊「英検・TOEICの過去問」の活用が、最短の道

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また、Yumiさんはこうも語ります。

「文法を覚えるには、ひたすら問題を解くのがいいです」

なるほど。ではどんな問題をとけばいいでしょうか?

「TOEICや英検がいいと思います。自分がいまどのくらいできるのか、いう現在位置がわからないとモチベーションが維持しづらいので、それを把握するためにTOEICや英検などのスコアを目安にするといいです。こうしたテストは、4技能をまんべんなくカバーしているので、総合力がつけやすいですから。TOEIC800点くらいを目安として目指して勉強していくといいです」

「文法を覚える=自分の知らない文法を把握する方法」として、英検やTOEICの過去問を活用していくということですね。

英検もTOEICも、Web上に無料の過去問が公開されていますから、まずはやってみるといいですよ。解答と解説もちゃんとついています。

■TOEIC 過去問と解答・解説


TOEIC800点というと、英検準1級あたりです。英検なら、2級~準1級あたりで練習してみましょう。

■英検準1級 過去問と解答・解説


■英検2級 過去問と解答・解説


Amazonで買うならこちらの問題集「究極の模試600問+究極のゼミシリーズ」が、問題数の多さ、解説の詳しさで定評があります。試し読み可能なので、チェックしておくといいかもしれません。



🖊問題を解くこと自体より、「直す」ことがポイント


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そして、Yumiさんはこう続けます。

「問題を解くことより、採点後に『直す』のがいちばんのポイントなんです。
解ける問題はそれでいいので、できないところをあぶり出して、そこをきちんとできるようにすることが大事なので。間違ったところは「しくこくやり直す」ことがいちばんです。わからなければ、該当の単元を『ロイヤル英文法』を見返すといいです」

しつこくやり直す、とは、同じ問題を何度かやり直すということでしょうか?

「あんまり繰り返しても、リーディングとかは覚えたりして飽きちゃう、ということもありますけど、それでも私は何回かは同じ問題をやりますね。単純なミスなのか、文法の概念自体がわかっていないのかにもよりますけど。何度もやっていれば何となくわかってくるんですよね」

Yumiさんは、間違えたら、少なくとも一度は、同じ試験を頭から全問解き直すそう。1回目と同じように、時間を計って。
間違えたところだけやるのか、その分野の類問を他の問題集から探して集中的に説くのかなどは、そのとき次第(試験までの日数や、気分次第)だが、とにかく「しつこくやる」ことが文法マスターへの道、と強調します。

「長文問題も、3回は読むといいです。3回読むと、解析度があがるんですよ。難しい単語も覚えられますし」

やはり王道は、繰り返すこと。
がんばって「同じ問題を3回やる」を実践すると、違う世界が見えてきそうです!

なお、私は、薄くて値段もお手頃な「ロイヤル英文法問題集」をまずはやってみました。本自体が軽くて持ちやすく、別冊回答も見やすいので、かばんに入れておいて移動中やカフェ休憩中にちょこちょこやったり、寝る前にベッドで寝そべりなが解いて苦手分野のあぶりだしに。
問題集を理解度チェックの指針として使い、間違えたところを参考書の方の「ロイヤル英文法」で確認する、という使い方は、筆者も推奨している方法です。


🖊Yuriko的おまけメモ1
「おすすめの英語の試験って?」:

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Yumiさんは英検・TOEICといった検定試験を活用して「総合力を付ける」こと、「自分の位置を知りモチベーションアップを図ること」を有効な勉強法として推奨。英検とTOEICは、4技能を総合的に学べるだけでなく、受験者も多いので、手軽に受験しやすく、本だけでなく無料のブログやYouTubeでの情報発信もたくさんあり、勉強法・対策法を調べやすい点も大きな利点です。
前述のように、無料の過去問もあるので、今すぐにでもトライできます。

一方で、これから実際に海外への留学・就職・移住を目指す、ということなら、おすすめの英語試験はIELTS(アイエルツ:International English Language Testing System)。試験当日に12歳以上であれば受験可能で、
海外の多くの高校・大学・企業で、広く英語力認定の試験として使われているので、実際に広く通用しやすいです。
(※但し、いろいろなことを総合的に考えて答えるタイプの試験なので、ある程度の人生経験がないと答えづらい問題も。大人・社会人向けといった趣です)

IELTS(アイエルツ)の試験は、スピーキングやライティングなど日本人が苦手とする分野への対策が必要であること、受験料が高額(25,380円)であることなど、ハードルも高いですが、文章のサマライズや自分の意見を端的に述べるなど、むしろ、欧米の学校で学ばれるクリティカルシンキングスキルの向上や日常会話力を上げるトレーニングとしても最適だと私は思っています。
実際に受験しないとしても、「IELTS対策」という学習方法は総合的でいいんじゃないかな、と思っています。
オンライン英会話の「Cambly(キャンブリー)」には「IELTS対策」のコースがあるので、利用しています。
(※サブスクリプションしていると追加料金なしでテキストが使えて、模試のような形式でレッスンすることもできます。私は制限時間なしで、講師に解説してもらいながらやっています)

「Cambly(キャンブリー)」は、講師が全員ネイティブのオンライン英会話プラットフォームとして有名ですが、その中でも質の高い講師を探すなら、「TESOL」「CELTA」などのキーワードで有資格者を探すといいです。(「TESOL」「CELTA」はともに、外国人に英語を教える資格の名前です)

ためしに、こちらから「講師」のタブをクリックして、検索をしてみてください。けっこうHitしますよ。


また、IELTS(アイエルツ)と似た性質の試験として、TOEFLがあります。TOELFには子供が受けられるTOELF Junior(11歳~)とTOEFL Primary(8歳~)もあるのが大きな特徴。日本ではあまりメジャーではありませんが、これがけっこうおすすめです。

私の子どもたちも、TOELF Junior / TOEFL Primaryを受験しました。試験対策は、「Cambly(キャンブリー)」やその他個人でお願いしているチューターの先生にお願いして試験対策をしました。内容はIELTSと似ていて、シーンや語彙が子ども・学生向けになっている感じのテストです。大人がやっても手応えのある内容の試験で、私も横で見ていておもしろかったです。

TOELFの試験なので、インターナショナルスクールの入試の際の英語力アピールにもぴったりです。TOELF Junior / TOEFL Primaryともに、合否ではなく、点数によってCEFR(ヨーロッパで基準となる外国語運用能力の指標で「A1」から「C2」の6段階がある)のレベルが結果として表示されます。


🖊Yuriko的おまけメモ2
「ロイヤル英文法」以外の文法書おすすめ3選:

『ロイヤル英文法』は、「中学英語がわかっている人」を対象にした本なので、もう少し手前からやり直したい人にはいいずな書店の『総合英語 Evergreen 』がおすすめ。
「今までの文法書は何だったのか、と思うくらいおもしろい」、「いい例文が多く掲載」、「暗記に頼らず本質を理解できる」と評判の1冊です。


それよりももっとさかのぼりたい初学者、文法に苦手意識がある人、もしくは小学校高学年~中学生くらいの子供には、学研の『中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく。を推薦します。

内容はごく簡単ながら、「簡単だから挫折しない」、「簡単すぎると思ったけど、読んだところは完璧に理解できていてびっくり」と評価が高い1冊。
「例文が少ない」という声もありますが、多く売れている本なのでYouTubeで書名を検索するだけで本の有効な使い方などを紹介している動画か簡単に見つかるのもよいところです。


また、「英語は英語で学びたい」という、オールイングリッシュの本でも抵抗がない中級者には、世界中で売れまくっている1冊、ケンブリッジ大学出版の「English Grammar in Use 」がおすすめ。

e-bookもあり、スマホやタブレットで勉強したい人にも最適。
全英語版であっても驚くほど読みやすく、英語で理解するからこそすんなり腹落ちする、という利点も。なにしろ出版元がケンブリッジ大学という、海外学校の英語カリキュラム「ケンブリッジ式」の大元、国際的な英語認定試験「IELTS」の大元なので、今後、海外進学・進出を視野に入れる人にはかなりおすすめ。ブレない勉強ができます。

Amazonのレビューでも、TOEIC500点くらいの方が「びっくりするほど分かりやすい」などと評されています。「評判通りの名参考書!」など、絶賛のコメントが並ぶ定評の一冊です。


🖊今回のまとめを5行でいうと:

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1. 英語の上達を図るなら、まずは英文法を再確認すべし

2. 文法書は1冊あればOK。迷ったら「ロイヤル英文法がおすすめ

3. 文法のマスターには、英検やTOEICの資格試験の過去問を活用

4.同じ問題を3回繰り返す。「しつこくやる」のが大事

5.問題は、解くことより「直し」が大事


次回は、「4技能をそれぞれ伸ばすには?」をYumiさんに聞いた、「ターゲット別勉強法」について書いていきますね。

ご興味を持ってくださった方は、フォロー/スキをいただけたらうれしいです。

ではでは、また。

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