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虚実綯交ぜ骨折り日記⑥~入院後半戦と退院について書く

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今回は、入院生活で感じた正負の感情と退院についてを書きました。


6 「入院生活も色々とあったが、無事に退院することができた」

どんな事でも環境に慣れてくると、不満に意識が向くようになる。
自分は特にこの傾向が強い。
入院中の不満の中で、特に自分の意識に残ったものが2つあった。

一つは、消灯前に電気を消されることが意外と多かった事。
早い時は10分以上も前に消されることもある。
しかし、気にはなったがストレスには感じなかった。
22時になる前には眠くなっているからかもしれない。

もう一つの方が自分にとっては重要だった。
イヤホンやヘッドホンなどを使わず音を出している人が何人もいたことである。

「入院のご案内」には、多床室などでは音の出るものを使用する時はイヤホンを使用するように書かれている。当然、自分はテレビやラジオ、ゲームは当然イヤホンをして使用していた。
しかし、何人もの人が普通に音を出しており、病棟内でも何となく注意しない慣習なのか、特に誰も注意をされていなかった。

生活音が気になる人、ちょっとした息遣いなどが気になる人など、音の気になり方も色々とあると思うが、自分は本やゲーム、テレビなどに没頭するのが好きなので、他のコンテンツの音が非常に気になってしまう。
わざわざ告げ口をするのも嫌だったので何もしなかったが、入院後半はこれが結構ストレスだった。

しかし、何もしないことを選択した以上、気にしすぎるのも自分にマイナスになるだけだと思ったので、この不満を早期退院のモチベーションにしようと意識をしながら後半の入院生活を乗り切った。


しかし、人との関りにはいい面もあった。

入院中、他の患者さんとの関りは多くなかったが、一人印象に残っている方がいる。
同じ時期に入院してきた、脊柱管狭窄症のお婆さんで、洗面所で顔を合わせることが多かった。

元々話すのが好きな人でもあるのだろうが、入院時期も近く、ともに歩けず車いすの時期があったからか、入院初期から声をかけてくれた。
お互いに現状報告をし、励まし合うことが多かった。
一人で過ごすことの多かった入院中で、珍しい人と過ごすことによる癒しの時間だった。

もう一人、患者さんではないが、印象に残っている関りがあった。
ある日、図書コーナーで読書後に椅子から立ち上がって伸びをしていたら、ちょうど窓の下にある駐車場を歩いていたお爺さんと目が合った。
とっさのことで伸びの姿勢のまま一瞬見つめ合っていたら、おじいさんが手を振ってくれたので、こちらからも振り返した。
この一瞬の出来事にはとても癒された。


歩行状態は、日によってムラがあったが、徐々に片松葉や松葉杖なしで歩ける距離が伸びて来た。

退院前には、リハビリ含め松葉杖を使うことなく歩行できるようになっており、4月17日に退院となった。

初めての入院だったので大変なことも多く、退院後も多くのことが山積みで不安もあるが、一人の患者として入院をするという経験から学んだことは多かった。

自分は頭が固いので、実際の経験に勝るものはない。
一番大事な学びは、これからは不要な怪我をしないように、慌てず落ち着いて行動することだと思う。

退院後も暫くは荷重をかけるには装具をつけないといけないため、追加で怪我をしないように日常生活に気を付けていきたい。

──続く

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