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虚実綯交ぜ骨折り日記⑤~読書が捗り、本棚整理も捗る日常篇

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今回は、入院中の趣味活について徒然に記載しました。

5 「多くの本と出会い、頼まれてない本棚整理に励んだ」

病棟生活は結構暇だった。
ご飯は3食。シャワー浴は週2回。リハビリは基本毎日あるが1回40分。
1日の殆どは自由時間だった。

しかし、Wi-Fiがないため今の契約プランだとスマホやタブレットで自由にネット環境に乗り出すことも憚られる。
大分使用を制限していたにも関わらず、3月末には速度制限になってしまった。

そのため、入院中は読書を中心に、最近買ったゲームを遊んだり、クロスワードを解いたり、ラジオを聞いたりして過ごしていた。


読書は、電子書籍で自分の本も読んでいたが、中心となったのは病棟の図書スペースに置いてある本だった。
本棚には、文庫本、ハードカバー本、漫画などが置いてあり、小説は日本人作家が中心だった。
前から一度は読みたいと思っていた本や、読んでみたいと思っていた作家が何冊かあったので、チャンスとばかりに読み耽っていた。

時間が沢山ある入院期間は、他のことに時間を使っても一冊1~2日程度で読むことができる。
記載時点で、本棚の小説やエッセイを20冊近く読むことができており、かなりの満足感を味わっている。


そして、あまりにも秩序の無い本棚を前にして、整理欲求が高まってしまった。
そうなると止まらず、誰に頼まれるでもなく、本を選ぶ傍ら本の整理を始めてしまった。

勝手に整理している後ろめたさはあったが、本を選びやすくなって困る人はいないだろうおじょ言い訳を心の中で繰り返しながら本棚整理を進めた。
時々立ち止まり見直しをしながら、ゆっくり進めていたので3週間くらいかかってある程度の終了をみた。

同一作家の本もあっちこっちにバラバラに置かれていた所から、文庫本、新書、ハードカバーと本の大きさで大まかに分けて、それぞれ五十音順に並べ直した。
また、足が悪いと一番下の本棚に目が行きづらい・取りづらいため、文字の小さく取りづらい文庫本は置かないようにして、大型本のみとなるように並べ方を考えた。
また、時代小説は独自の需要があり、同一作家内での冊数が多かったこともあり、時代小説だけで分けて並べることにした。

現在は、漫画の棚を少しだけ整理しようと動いているが、やりすぎにならないように気を付けていきたい。
そして、できれば整理された状態が維持されて欲しいが、それは望みすぎかもしれない。


図書コーナーで目に入れるのは本だけではなく、窓から外を眺めることも入院後半には多くなった。
小さい頃から数えきれないほど歩いている風景を、入院前には見たことがなかった角度から眺め、窓を開けて外の風を浴びていると、自分がどれだけ非日常にいるのかを改めて感じてしまう。

外気を浴びるのは気持ち良く、他に利用者のいない図書コーナーで外の風景を見ながらボーッとするのが好きだ。
ポアロなら肺炎やインフルエンザになると大騒ぎするだろうな、と思ったりする。
ボーッとし終わったら、再び本棚から取り出した本に目を落としていた。


読書も捗ったが、Switchも予想以上に集中して遊ぶことができ、複数のゲームをエンディングまで遊ぶことができた。
ここ数年、楽しく遊んでいてもエンディングへ行く前に止まってしまうゲームも多かったので、クリアまで遊べているのはとても嬉しかった。

また、20数年振り位にクロスワード誌を買って隅から隅まで解くことができた。
クロスワードを遊んでいる間の時間を忘れるほど熱中する気持ちを、いま改めて感じることができて良かった。

テレビは75秒で1円がかかるため、視聴はかなり制限していたが、それでも見たい番組をいくつかは見ていた。
家では録画をしてから見ることが多かったので、久しぶりに放送時間を意識してテレビの前で待機することを楽しんだ。

テレビの代わりに良く聞いていたのはラジオである。
仕事で運転していた時はラジオを沢山聞いていた。その頃を思い出すように日中に聞くことが多く、ラジオの面白さを再認識することができた。


本、Switch、クロスワード誌、テレビ、ラジオ、窓の外を眺めると、ネット環境に制限があったからこそ、他の楽しみを再確認できた時間だった。

きっと、退院後は再びYouTubeを長時間視聴したり、番組も録画してから好きなタイミングで見る生活に戻るが、今回久しぶりに味わった楽しみも日常に取り入れていけたらいいなと思う。

──続く


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