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鬼平犯科帳SEASON1「でくの十蔵」(2024)

骨折や仕事の関係で劇場版は観れていませんが、放送があったので先にシリーズ新作「でくの十蔵」を鑑賞しました。


あらすじ

火付盗賊改方の同心・小野十蔵は、野槌の弥平一味と疑われる助次郎という男を、虚無僧に扮して探索していた。
ある日、助次郎の家へ忍び込んだ十蔵は、助次郎の死体の傍で放心している女房おふじを発見する。
助次郎の正体を知らず子を孕んでいたおふじを不憫に思い、助次郎の死体を隠しおふじを知り合いの家へかくまうことにした。
十蔵は妻に頭があがらず、常に肩身の狭い思いをしていたこともあり、次第におふじへと惹かれていく。
その後、火付盗賊改方は野槌の弥平一味の小房の粂八を捕縛した。
しかし、この捕物の際に逃げた小川や梅吉の魔の手が、十蔵とおふじの元へと迫っていた。


紹介と感想

小野十蔵の苦しさが全編に渡って展開される一編でした。
60分と言う尺もちょうど良かったです。

原作では比較的フラットな文章で綴られていた悲哀が、ドラマ的演出が加わることによって絵的な凄惨さが引き立っていた印象です。

大筋は原作通りの物語ですが、いくつか原作との違いがあります。
原作では事件解決の根本の部分に関われないという形で、小野十蔵の悲哀を強く感じさせていました。
しかし、ドラマでは平蔵の拷問や最後の捕物にも参加することで、原作とは別の苦しさを描いた所が大きな違いになると思います。
更に、原作でサラッと語られた、あるエピソードの順番を変えることで、よりドラマチックに使用している場面もあります。

大切な仲間を失ったことは哀しいですが、平蔵の優しさにより一筋の救いが残って良かったです。

また、本放送後のアフタートークも火付け盗賊改めの面々の仲良しなわちゃわちゃ感を楽しめました。

ドラマ概要

原作:池波正太郎「啞の十蔵」
脚本:大森寿美男
監督:山下智彦
製作:松竹
時間:60分

ゲスト

 小房の粂八/和田聰宏
 小川や梅吉/波岡一喜
   助次郎/窪塚俊介
   おふじ/藤野涼子
蓑火の喜之助/橋爪功

レギュラーキャスト

 長谷川平蔵/松本幸四郎

  小野十蔵/柄本時生

  佐嶋忠介/本宮泰風
  木村忠吾/浅利陽介
  酒井祐助/山田純大
 沢田小平次/久保田悠来

    久栄/仙道敦子
   おまさ/中村ゆり

    語り/堀内賢雄

SEASON1(2024) エピソードリスト
 01.本所・桜屋敷
 02.血闘【劇場版】
 03.でくの十蔵
 04.血頭の丹兵衛


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