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マイケル・ガンボン主演『メグレ警部 Maigret』(全2シリーズ全12話/1992~1993/英)

NHKBSの海外ドラマ枠で放送された作品の為、日本で紹介された中で、唯一日本語吹き替え版があるメグレシリーズになります。各シリーズ全6話構成で、初回放送以外は1話52分の連ドラです。


シリーズ一覧

第1シリーズ(1992) 【初回のみ78分のスペシャル】
01「メグレと宝石泥棒」 原作:『メグレと宝石泥棒』
02「メグレと泥棒の女房」 原作:『メグレと消えた死体』
03「メグレと漁村の教師」 原作:『メグレと田舎教師』
04「メグレと錯乱した女」 原作:『メグレと老婦人の謎』
05「ホームグラウンドのメグレ」 原作:『サン・フィアクル殺人事件』
06「メグレわなを張る」 原作:『メグレ罠を張る』

第2シリーズ(1993)
01「メグレとナイトクラブ・ダンサー」 原作:『モンマルトルのメグレ』
02「メグレとホテル殺人事件」 原作:『メグレと超高級ホテルの地階』
03「メグレ陰謀に落ちる」 原作:『メグレたてつく』
04「メグレと幼友達」 原作:『メグレの幼な友達』
05「メグレと建築疑惑」 原作:『メグレと政府高官』
06「メグレとジャンヌヴィルの女」 原作:『メグレと奇妙な女中の謎』

日本でのソフト化は無く、現在配信もありません。


シリーズについて

映画『ハリー・ポッター』シリーズの2代目ダンブルドア校長としてお馴染みの、マイケル・ガンボン主演のシリーズです。
前述のとおり唯一日本語吹き替えがある映像化になります。
吹替陣も豪華でキャラクターに合っており良いです。

1話が52分と時間が短い事で余韻が足りないと感じる時もありますが、シナリオはどの話も丁寧に作られています。

原作や他の映像化よりもユーモラスに感じられるシーンが多いため、万人向けミステリドラマとして観やすい内容になっています。

原作に忠実なシナリオながら、時間的制約や原作の意味が通りづらい所などは上手く改変してあるのも、見やすさに繋がっています。

リュカがレギュラーとして全ての話に出演して活躍します。
その他のレギュラーも短い時間の中でしっかり個性を出しており、原作ではメグレが単独操作をしている部分もチームで関わる事が多いため、他のメグレシリーズの映像化より、仲間とのわちゃわちゃ度が高く仲良しな雰囲気が伝わってきます。

そのため、原作の雰囲気を映像化したものと言うより、メグレシリーズを原作とした、古き良き英国ミステリードラマとして観るのが正解です。
そのような見方で観た場合、ドラマシリーズとして全て一定の満足感を得られる完成度を得ていると思います。

もう少しシリーズが続いて、できれば初回はいつも時間拡大スペシャルなら嬉しかったのにと、無いものねだりをしたくなるシリーズでした。
「メグレのクリスマス」や「ホテル“北極星”」、「世界一ねばった客」や「街中の男」など中短編などが放送時間的にも合ってそうだったので、それも観たかった~。

吹替もあり、内容も万人向けのため、メグレ入門としても90年代英国ミステリードラマとしてもオススメなので、DVD-BOXなどが発売して欲しいところです。

個人的ベスト6(放送順)
 ①1-1「メグレと宝石泥棒」
 ②1-4「メグレと錯乱した女」
 ③1-5「ホームグラウンドのメグレ」
 ④2-1「メグレとナイトクラブ・ダンサー」
 ⑤2-4「メグレと幼友達」
 ⑥2-5「メグレと建築疑惑」


レギュラーキャスト

ジュール・メグレ/マイケル・ガンボン Michael Gambon(瑳川哲朗)

     リュカ/ジェフリー・ハッチングズ
          Geoffrey Hutchings(田中信夫)
  ジャンヴィエ/ジャック・ギャロウェイ
          Jack Galloway(1-5以外/神谷和夫)
   ラポワント/ジャームズ・ラーキン
          James Larkin(1-3、1-5以外/津久井教生)

   メグレ夫人/シャラン・マドン Ciaran Madden
         (1-1、1-2、1-4、1-6/加藤みどり)
         バーバラ・フリン Barbara Flynn
         (2-3、2-4、2-5/加藤みどり)

    コメリオ/ジョン・モファット
         John Moffatt(1-1、1-2、1-6、2-2、2-5/大木民夫)
※ジョン・モファットはラジオドラマで1987~2007年までポワロを演じている


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