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マット・フリューワー主演 シャーロック・ホームズ③「ボヘミアの醜聞」(2001)紹介と感想

2000~2002年にかけて4本製作されたマット・フリューワー版シャーロック・ホームズ。
ちょっと地味でB級感はありますが、真面目に作られているのとホームズの吹替が大塚芳忠さんなのもあって、たまに見たくなります。

製作されたのは以下の4本
01.バスカヴィル家の犬(2000)
02.四つの署名(2001)
03.ボヘミアの醜聞(2001)
04.ホームズVS吸血鬼(2002)

久しぶりに観たくなったので、十数年ぶりに「ボヘミアの醜聞」を見てみました。


あらすじ

1891年・夜のロンドンでホームズは何者かに命を狙われていた。
時は遡り3日前、ホームズはドイツの皇太子から、ポーランド人の歌手・イレーナ・アドラーから表ざたに出来ない写真を取り戻して欲しいと依頼を受ける。
しかし、ホームズは皇太子がまだ何かを隠していると感じていた。

実はホームズはイレーナのことを知っていた。
彼女は、ホームズが唯一人恋愛感情を持った、偉大な犯罪者だったのだ。
6年前、ホームズは舞台上のイレーナを観て恋に落ちた。
イレーナと近づきになったホームズだったが、彼女はホームズを含む観客たちの前で仲間と共に盗みを行ったのだ。
しかも、知らずのうちにホームズは逃亡の手助けをしてしまった。

舞台は現在に戻り、事件を調べ始めるとイレーナとドイツが何らかの取引をしていることが分かった。
ただでさえ複雑な事件に、写真を手に入れて政治に利用したい情報部のマイクロフトも絡んで来て、更なる混迷を極めていく。


紹介と感想

原作は、「ボヘミアの醜聞」をメインに「ブルース・パーティントン設計書」を織り込んでいます。
原作と違い、ホームズがイレーナへの恋心を明言する今作は、原作の要素を使用しながら、オリジナル展開を見せていきます。

原作同様の潜入作戦で写真を手に入れることに成功したホームズ達ですが、ワトソンが隠しておいた写真が別の勢力に盗まれるという、二転三転する展開が続きます。

ホームズは要所要所で良い仕事をしていましたが、イレーナとマイクロフトの相手を同時にするのは重荷なのか、やや精彩に欠ける感じがありました。

むしろ探偵側の活躍としては、イレーナの乗る馬車にしがみついて尾行したりと活躍を見せるベイカーストリート・イレギュラーズのウィキンズが印象に残ります。

レストレードも出てきますが、列車からの墜落事件を調べる若手の警部になっており、ホームズとも初対面のちょい役でした。

色々と盛り込みすぎて、肝心のホームズとイレーナとの関係や、イレーナの凄さが薄まってしまった感じもありますが、娯楽探偵ドラマとしては楽しく観ることができる作品でした。


ドラマ概要

原作:サー・アーサー・コナンドイル「ボヘミアの醜聞」「ブルース・パーティントン設計書」
原題:The Royal Scandal
脚本:ジョー・ワイゼンフィールド
演出:ロドニー・ギボンズ
時間:88分
製作:2001年

キャスト
シャーロック・ホームズ/マット・フリューワー(大塚芳忠)
  ドクター・ワドソン/ケネス・ウェルシュ

  イレーナ・アドラー/リリアナ・コモロウスカ
マイクロフト・ホームズ/R・H・トムソン
      ウィギンズ/ダニエル・ボロクー
     レストレード/ジュリアン・ケーシー


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