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空を流れる青と雲

四人部屋の窓側のベッド。天気の良い昼下がり、窓の外には青い空が広がっている。
こんな時間からベッドに横たわり、空を流れる雲を見ていた。

左から右へと流れる雲。思い出すのは中学生の頃。
中学生と言っても対して学校へは行っておらず、家にいることが多かった。
あの頃は、今のように家の窓越しに空を見ていることが多かった。

雲の動きを追いながら、地球が回っていることを感じていた。
言葉にはできなかったけど、地球が回っていることを感じるのがすごく大切な気がしていた。

大人になったいま、敢えて理由をつけるなら、大きすぎて感じられない当たり前のことを感じること、そのために頭や心を空白にして、その現象を感じること、そんなことを思い付いた。
それは、いま感じるものとして正しいと思う。
でも、当時の気持ちとしては違うと思う。

間違いないのは、長い間忘れていたこの時間が、とても心地よいこと。
退院したら、また忘れるだろうなということ。
それくらい長い間忘れていた、大切で静かな時間を残しておきたい。

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