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伝説の弁護士の前日譚『PERRY MASON  ペリー・メイスン』season1(2020)紹介と感想

旧ドラマ版を少し観たことがあったので、去年原作を始めて読んだのに合わせて新ドラマ版も観ていました。
旧ドラマ版は2シーズン分程視聴しており、原作は長編2作目の『短気な娘』のみ読了です。


あらすじ

1931年のロサンゼルス。私立探偵として苦しい生活していたペリ-・メイスンは、昔からの知り合いである弁護士EB・ジョナサンから乳幼児誘拐殺人事件の調査依頼を受ける。
メイスンは、地元の警察や事件関係者達から邪険に扱われながらも、ピートやポールの協力を得ながら事件の調査を進めていく。
世間を賑わしている今回の事件は、メイスンを含めた関係者たちの人生を大きく変えることになるのだった。


紹介と感想

今作はペリー・メイスンが弁護士になるまでを描いたドラマオリジナルストーリーとなっており、全8話を通して1つの事件を追っていきます。
本作の紹介では「旧ドラマのリメイク版」と書いていますが、特にストーリー的には関係ありません。ただし、旧ドラマ版を知っている人が嬉しくなる部分が一点ありました。


弁護士になる前のメイスンは私立探偵をしており、意図的にだと思うのですが、ドラマ前半の4話ほどは私立探偵物の空気が色濃く出ています。

個人的には弁護士として活動を始めてからの6~8話目は文句なく面白かったのですが、そこに行き着くまでの我慢が少し辛い内容だったかなという評価でした。

この私立探偵時代のパートは、ほぼ我慢の時間で、色んな意味で暗く救いのない内容が延々と続き、それが私生活の辛さにも及ぶため好みではありませんでした。
ただし、EB・ジョナサンの苦悩と第4話での決断はドラマの一つの要素として十分面白かったです。

第6話以降は、ドラマ自体のノリもあって完全にスッキリという内容ではありませんが、弁護士ドラマとしてちゃんと面白かったです。

そして最終回、事務所にメンバーが揃って依頼を受けるシーンで物語は終わり、最後は旧ドラマシリーズのメインテーマで締めるラストは充分エモかったです。


個人的には1つの事件で長尺の話を引っ張る系のサスペンスドラマがあまり好きではないこと、我慢の時間が長すぎたこと、弁護士ドラマを観たかったのに私立探偵パートの方が長かったことなどで、面白いけど惜しいドラマという評価になりました。
逆に、完全新規の現代シリアスサスペンスドラマが好きであれば高評価になるのも頷けるドラマだと思います。


ドラマ基本データ

スタッフ
   
原作/E・S・ガードナー『ペリー・メイスン』シリーズ
製作総指揮/ロバート・ダウニー・Jr、スーザン・ダウニー、他
   監督/ティモシー・ヴァン・パタン、デニズ・ガムゼ・エルギュヴェン
   話数/全8話
   時間/1話56~64分

キャスト
    ペリー・メイスン/マシュー・リス(桐本拓哉)
    デラ・ストリート/ジュリエット・ライランス(清水はる香)
    ポール・ドレイク/クリス・チョーク(金城大和)
ピート・ストリックランド/シェー・ウィガム(駒谷昌男)
     EB・ジョナサン/ ジョン・リスゴー(佐々木睦)
    シスター・アリス/タチアナ・マスラニー(斎藤恵理)
  マシュー・ドッドソン/ネイサン・コードリー(松川裕輝)
  エミリー・ドッドソン/ゲイル・ランキン(ニケライ・ファラナーゼ)
       エニス刑事/アンドリュー・ハワード(ボルケーノ太田)
  メイナード・バーンズ/スティーブン・ルート(高岡瓶々)

season1 エピソードリスト
01.私立探偵
02.隠し事
03.罪状否認
04.第4の男
05.正義の誓い
06.弁護士ペリー・メイスン
07.死の真相
08.最終弁論


完全に余談という名の愚痴

本作はseason1だけ吹替版が製作されていますが、Amazon.co.jp限定で発売されているBD版には吹替が入っていません。
しかし、ドラマ紹介をそのまま記載しているだけのBD紹介には吹替陣の名前が記載されており、字幕のみとの表記も無いので完全に誤解して購入してしまいました。
Amazonレビューで書いてる人がいたのに、普段レビューを見ないので気づかなかった、悔しい……
2024年8月3日時点では1382円になっているので、間違って買っても諦められますが、去年はもっと高かったのでさすがに怒りがありました。
配信では吹替版もあったので観ることはできたのですが、販売会社のせいで作品に無駄な減点ポイントができてしまう上に、そこそこ金をとって売るなら吹替版がなんとか入るように頑張って欲しいなと思いました。


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