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アガサクリスティーについて

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アガサ・クリスティー関係の記事をまとめています
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#エルキュール・ポワロ

1980年台ワーナー・ブラザーズ製作アガサ・クリスティー作品 全8作紹介

1980年代はアメリカ、イギリスの両国でクリスティーのテレビドラマ化が盛んに行われました。 イギリスでは80年代にトミーとタペンス、ミス・マープル、エルキュール・ポワロと、クリスティー有名探偵達の決定版と言えるシリーズが作られており、とても重要な年代になります。 一方、アメリカではワーナー・ブラザーズがクリスティー映像化を盛んに行っていました。 このワーナー製作のクリスティー作品を一か所にまとめておきたいと思います。 ワーナー製作テレビ映画の特徴 1982年の『殺人は

ポワロ長編7『エッジウェア卿の死』Lord Edgware Dies(1933)紹介と再読感想

アガサ・クリスティー 福島正実 訳『エッジウェア卿の死』早川書房, 1979 今年放送された『アリバイ崩し承ります』のSPドラマで取り上げられたことも記憶に新しい本書を再読しました。かなり久しぶりのポワロ(早川書房ではポアロ表記)長編再読です。 本書の再読は、ドラマではたまに再見していましたが、20年ぶり位かもしれない。 あらすじ ポアロは、新進気鋭の女優カーロッタ・アダムズの寸劇を観に行った夜に、大人気女優ジェーン・ウイルキンスンから夫と離婚するのに協力して欲しいと依

アガサ・クリスティー『エッジウェア卿の死』映像化作品 紹介と感想

ネタ的に説得力を持って映像で表現するのが難しい所がありながら、女優がメインキャラクターとしていることに惹かれるのか映像化の多い本作。 最近、オースティン・トレバー版も観れたので、ここで感想を残しておきます。 原作の映像化として今から観るのにオススメなのは、スーシェ版とユスティノフ版。戦前のミステリー映画に抵抗が無ければトレバー版も意外と楽しめると思います。 フランスドラマ版は原作ドラマとしては微妙なため、シリーズファン向けというところです。 オースティン・トレヴァー主演 

ポワロ長編27『死者のあやまち』Dead Man's Folly(1956)紹介と再読感想

アガサ・クリスティー 田村隆一訳『死者のあやまち』早川書房, 1983 アガサ・クリスティー 羽田詩津子訳『ポアロとグリーンショアの阿房宮』早川書房, 2015 クリスティーが夏の休暇を過ごしたダート川のほとりにあるグリーンウェイをモデルに描かれた長編になります。 また、最初は中編として描かれながら、長編に書き改められて刊行された経緯を持つ小説でもあります。 『ポアロとグリーンショアの阿房宮』が刊行された時以来の再読となります。 あらすじ オリヴァ夫人にナスコームのナス

アガサ・クリスティー『死者のあやまち』映像化作品 紹介と感想

ピーター・ユスティノフ主演 ドラマ版 第2作『死者のあやまち』Dead Man's Folly(1986/米) ヘイスティングスとオリヴァー夫人が夢の競演をするユスティノフ版は、他のドラマ版と変わらず制作当時が舞台となっています。 80年代を舞台としているのが、日本の2時間サスペンスでも良く見る当時を再現するには予算や時間がかかるという都合によるもので、80年代である意味がなく、むしろ雑音であるというのは雰囲気に浸りたい人にはマイナスポイントになるかと思います。 ジーン

ピーター・ユスティノフ主演ポワロシリーズ(1978~1988)映画3本+ドラマ3本

概要ピーター・ユスティノフがエルキュール・ポワロを演じたシリーズは以下の6本になります。 映画 1978年『ナイル殺人事件』 原作:『ナイルに死す』(1937) 1982年『地中海殺人事件』 原作:『白昼の悪魔』(1941) 1988年『死海殺人事件』 原作:『死との約束』(1938) ドラマ 1985年『エッジウェア卿殺人事件』 原作:『エッジウェア卿の死』(1933) 1986年『死者のあやまち』 原作:『死者のあやまち』(1956) 1986年『三幕の殺人』 原作

名探偵 赤富士鷹(2005/全2話/各89分)

第一夜「ABC殺人事件」 原作:『ABC殺人事件』(1936) 第二夜「愛しのサンドリヨン」 原作:『ゴルフ場殺人事件』(1923) ドラマ概要 2005年12月29日と30日に放送された、アガサ・クリスティーのポワロシリーズを昭和十一年の日本を舞台に描いたスペシャルドラマです。 ラジオをキーアイテムとして、丁寧に活写される戦前の昭和という舞台で、アガサ・クリスティーの物語を楽しめます。 感想 本放送の時に最高に楽しみ、その後も録画を何度も観ているドラマです。 その後