本日のケータリング — バターチキンカレー、ベンガル風フライドライス、タピオカの葉炒め、紫玉ねぎのアチャー
バターチキンカレーはイギリス人の国民食になったそうだ。
その余勢かどうかわからないけれど、最近はシンガポールのインド料理店でもバターチキンカレーを出す店が増えてきた。
私の理解では、インドというのは大きく2つに分けられる。北のヨーロッパ言語に近いヒンディー語やそれに近い言葉を話す肌の色が比較的薄い人たちと、南の日本語と語順がほぼ同じなタミル語系の言葉を話す肌の色が濃いドラヴィダ族をメインにした人たち。
ヒンズー教という宗教を除いて、言葉も文化もまったく違う人たちがひとくくりに「インド人」と呼ばれているわけだ(イスラム教のインド人もいるけど、その問題はまた複雑なので脇に置いておく)。
距離的に東南アジアに近い南の人たちはバターやヨーグルトといった乳製品より、ココナッツミルクや魚醤やライムなどをたくさん使い、風味もマレー&インドネシア料理やタイ料理なんかに近い。逆に北の人たちはベジタリアンが多いせいもあって乳製品を料理によく使う。
南のインド料理は米が主食。北はナンなどの小麦原料が多い。
でも、さすがにベースがトマト煮込みのバターチキンは北インドでも南インドでもなく、フランスやイタリア料理を下敷きにしたヨーロッパの一品だろう。
私が尊敬するミシュラン星インド料理シェフ、ムラルさんは、魔法のようにインド各地の郷土料理を洗練されたメニューに変えて供してくれるが、それぞれの味がびっくりするくらい違う。
イギリスのバターチキンカレーはインド料理であってインド料理ではない。シンガポールのインド料理フィッシュヘッドカレーもインドから初めて来たインド人が食べたら驚くだろう。
インド人もびっくり!
今日のメニューはバターチキンカレー(イギリス)、ベンガル風フライドライス(北インド)、タピオカの葉炒め(調理法は北インドだけどタピオカの葉はマレー料理の材料)、紫玉ねぎのアチャー(元祖は北インド・カシミール、その簡易版)。ごった煮状態。
でも、まとめて食べるとなんとなくインド料理を食べた気になるから不思議だ。
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