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建築士が自邸を建てて考えたこと、体感していること【断熱に関する基礎知識編 UA値】

数多くのお客様とお話しする立場でお仕事をしていて考えたりお伝えしている部分と実際に自邸を建てる上で考えたこと、実験してみたこと体感していることを包み隠さずお伝えしたいと思います。
最近感じるのはSNS等で情報が簡単に手に入る一方で間違えた知識やもっともっと先進的に家づくりをしていたりする会社さんもあるのに一般の方が色々発信されているのが良くも悪くも感じているのでもう少し専門的にただマニアックになりすぎないようにお伝えできればと思います。

まずは断熱の基礎に関すること
そもそも世界基準で考えたときの日本の住宅の断熱性能は低すぎます。建築の大学ですら教えてもらったかどうか・・・業界で働いて色々勉強して初めて知りました。住宅購入者さんが知るはずもないですよね。とても重要な基準であるにも関わらず・・・国の基準も全然なく制度化される予定だったものも延期されました。
最低限のことは住宅を購入される方には知っていただきたいと思っています。

UA値
よく出てくる断熱に関する言葉です。検索すると「外皮平均熱貫流率」と出てきて、床や外壁、窓、屋根などから外部に出ていく熱量の外皮全体の平均値です。なんのこっちゃ・・・
めちゃくちゃ簡単に言うと家から熱が出ていく量を計算しています。なので数字が低い方が熱が出ていく量が少ないので断熱性能が高いです。なのでこの数値は単純に断熱性能だけを比較するのに適しています。断熱材の種類や、方法ではなく性能値をこれによって確認することができます。
さらにプロはこの数値を見ながらどの部分の断熱性能をあげれば効果的なのか、どの部分の断熱性能が弱いのかなどを判断しています。そこから改善策を探っていくのです。

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このUA値は長期優良住宅に認定する基準のひとつとして使われています。各地域に分かれた基準(寒い地域に厳しい基準が設けられています。)の数値以下にすれば良い、つまり断熱性能が高ければ良いのです。
しかし実態としては長期優良住宅の基準はものすごく低いです。正直この基準は最低基準でこの数値も満たしていない家を買う又は建てることをしてはいけないです。快適に住もうと思うと光熱費がかかりすぎて10年程度で性能アップに使う初期投資の費用の元をとってしまう試算ができるぐらいです。今後の家づくりとしては各地域に設けられてられている基準の半分程度の数値(例えば6地域なら0.43)前後を目指していったほうが良いです。
これからの環境のことも考えて省エネになる家づくりも考えても良いのではないでしょうか。

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