相手の心は変えられないので、私たちにできる唯一のこと
モラルの時代からルールの時代へ入った近代以降、いまだにモラルの向上が叫ばれています。
いろいろな理由があると思われますが、その1つは、ひょっとしたら、相手の心を変えることができると思っている人が多いからというのが挙げられるんではないでしょうか。
しかし、そもそも人間は相手の心を変えることはできず、外から相手のモラルを向上させることは非常に難しい存在と言わざるを得ないと思います。
また、私たちには内心の自由があるので、どんな思想信条を持っているかは、その人の自由であり、そのままでいいということになっているのであり、他者と生きていかなければいけない社会においては、内心の自由を認めつつも、(思想信条が違っても)合意できるルールをもとに話を進めていくことが賢明な道だと思います。
「ルールが必要なのは、意識がまだ未熟だから」
というような話を聞きましたが、人間は原理的に絶対的真理や客観的事実に到達することができないので、人間である以上、「モラル」をめぐって、信念対立はどのような意識状態になっても(高次元の意識を持っても)起こり得るようです。
だから、繰り返しになりますが、どのような信念を持っていても、どのような「モラル」を持っていても、合意できるルール作りが必要だと思うのです。
オーストラリアより愛と感謝を込めて。
野中恒宏
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