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あなたは知ってる?クレヨンしんちゃんの素敵で興味深い考察2選。

臼井儀人原作のクレヨンしんちゃん。埼玉県春日部市に住む4人と1匹家族の野原家の日常シーンを中心に描かれるギャグ系の漫画・アニメです。ほっこりする話やバカバカしい話が多い中で、深読みがされファンの中で考察がされる話もあります。
この記事では、クレヨンしんちゃんファン20年の私が面白いと思った考察を2つご紹介します。


①:「映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦」

又兵衛を撃ったのは、敵の武将ではない?

クレヨンしんちゃん映画の大人気作品の一つにあげられるのが「映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦」。

この映画のラストシーンでは、しんちゃんとともに戦い勝利を収めた武将、井尻又兵衛由俊(いじりまたべえよしとし 以下、又兵衛)が銃で撃たれ死んでしまいます。

敗戦した敵側の武将が、妬みの気持ちで銃を向けたと思われがちですが、不思議な点があります。

・敵の大将を討ち取ったにも関わらず、一人として名乗りを上げなかったこと
・敵の武将と又兵衛との距離が離れすぎていること
・鎧を着た又兵衛の急所を遠距離から1発で撃ち抜いたこと

なかでも、最も不可解な点は
・銃声がいままでと違うこと
です。

又兵衛を撃ったのは、かつてしんちゃんを助けた〇〇?

この映画の舞台は天正2年の安土桃山時代。
戦で使用される銃は火縄銃が主流の時代です。

作品中でも銃の打ち合いのシーンがあり、火縄銃の乾いた発砲音を聞くことができます。

しかし、又兵衛が撃たれたシーンで聞こえる発砲音は全く違う、ショットガンやマグナムのような強烈な爆発音でした。

このことから、敵側の武将が撃ったとは考えづらいです。

もう一つ、しんのすけと又兵衛の出会いのシーンにもヒントがあると考えます。

しんのすけは自宅の庭に掘った穴からタイムスリップをして、又兵衛のいる時代にたどり着きます。
そこで、又兵衛の命を狙うために銃を構えていた武将に声をかけ、結果的に又兵衛が撃たれるのを防いだ後に2人は出会います。

しんのすけは又兵衛の未来を変えてしまったのです。

クレヨンしんちゃんマニアであれば、ここである人物が思い浮かぶはずです。

映画「クレヨンしんちゃん 雲黒斎の野望」に登場したリング・スノーストームです。

彼女は30世紀のタイムパトロール隊員であり、歴史改変を犯罪行為として取り締まっています。
数多くの歴史改変をし、世界の支配を目論む敵キャラ、雲黒斎を討伐するのにしんのすけを手助けした経緯があります。

又兵衛を撃ったのが、タイムパトロールだとすると全て合点がいくのです。

・又兵衛は自身が撃たれる未来を変えられてしまった。
・しんのすけが変えてしまった未来を元に戻すために、タイムパトロールは修正をした。
・銃声は、30世紀に存在する銃。遠距離でも効果が得られる高性能なものである可能性が高い。

しんのすけは、悪意をもって未来を変えたわけではありません。
タイムパトロールの責務として、未来を修正しなければならないのですが、5歳児にとってはあまりにも酷です。

ただ、この別れを乗り越えてさらに一皮むけたしんのすけを描いたこの作品が高い評価を得られているのは大いに納得です。

②:映画「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ!夕日のカスカベボーイズ」

しんのすけの本当の初恋相手「つばき」の正体

春日部の裏路地にひっそりとたたずむ古い映画館に入っていった、野原家と幼稚園の友達4人。
そこで、映画の中の世界に入り込んでしまいます。

映画の中の世界には、しんのすけ達の他にも映画館から世界に入り込んでしまった人たちがたくさんいました。

そこで出会った少女つばきは、常にしんのすけ達の手助けをしてくれていました。
大人の女性が好みのしんのすけが、本気で好意をもってしまうほどの魅力的な女性で、一緒に元の世界に変えることを約束します。

すべての問題を解決した後、しんのすけ達は元の世界に戻ってこれましたが、そこにつばきの姿はありませんでした。
作品中では、つばきは映画の世界の人間だった。という説明がありました。

映画を見た人もこの展開は衝撃的だったようで、様々な憶測が持ち上がりました。

そのなかで、一際信憑性の高さで話題に上がったのが、
つばきは、野原家の飼い犬シロだったのではないか。
ということです。

つばきがシロである4つの証拠。

・映画館にシロがいる。
映画の世界から戻ってきた、しんのすけ達を最初に出迎えたのはシロでした。シロは自宅に繋がれていたはずですが、その場にいる理由は述べられていません。

・常につばきは元の世界に戻る手助けをしてくれた
映画の世界にもとからいた人間は、入り込んできた人間が元の世界に戻ることを阻止してきます。つばきは、外の世界から映画の世界に入り込んだことを表明していない人のなかで唯一、しんのすけ達が元の世界に戻れるように支援をしてくれています。

・倒されている座席の数が6つ
しんのすけを含む5人の幼稚園の友達は、映画館の最前列中央に座って映画を観劇していました。
しかし、しんのすけ達が映画の世界から帰ってきたときの描写をみると、最前列中央の座席は6つの座席が倒されています。

・しんのすけの心の溝を埋めてくれたのがシロ
元の世界でつばきがいないことを知ったしんのすけは、友達に抱えられないと立ち上がれないぐらいのショックを受けていました。
しかし、出迎えてくれたシロに合った瞬間にいつものしんのすけに戻ることができます。

以上から、野原家が帰ってこないことに気付いたシロがニオイを頼りに映画館にたどり着き、座席に座って映画を見ていたところ、映画の世界に入り込んでしまったと考えられます。
映画のなかでつばきとなって現れたシロは、しんのすけ達と元の世界に戻れるよう奮闘し、望み通り戻ることができます。
元の世界に戻ったしんのすけの心は、つばきが失われたことでぽっかりと穴が空いてしまいますが、同じ存在であるシロに会ったことで穴を埋めてくれたのではないでしょうか。

映画の監督がコメントを出していた。監督が語る見解とは?

こうした考察を見てか、本作品の脚本・監督である水島勉氏は自身のブログでコメントを残しました。

脚本段階では、つばき=シロは意図していなかったようです。
意図はしていないけど、つばき=シロかもしれません。
という内容でした。

監督はこの考察について否定しましたが、これだけの状況証拠と結びつけができるファンには脱帽です。

まとめ:ほのぼのとギャグだけではない。クレヨンしんちゃんの奥深さ。

クレヨンしんちゃんは、現実には存在しえない魅力的なキャラクターと、家族模様・友達模様を描いています。
だからこそ、起こっている状況と登場人物の心理描写を結び付けていくと、非常に興味深い考察が生まれ、話題に挙がるのです。

これからもご長寿アニメとして続いていくであろうクレヨンしんちゃんの面白い話題に注目していきたいです。


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