小さな食品貿易商社が新しくオンライン研修事業を始めた話
国内では教育事業を手がけているスタートアップはたくさんありますが、貿易実務の分野ではあまり広がりが起きておらず、スピードもありません。
そんな領域で、なぜ私たちはスタートアップという形で部分的に研修業界に挑戦しているのか。このnoteではLogiaccoの立ち上げの経緯と、私たちがそれをする理由について、みなさんにご紹介できればと思います。
元々は食品貿易商社
私たちは今、国内の食品を海外へ輸出するという事業を行なっています。いわゆる食品貿易商社です。創業から55年以上経ちましたが、これまで一貫して貿易業を行ってきました。
私自身今も、国内のメーカーさんを回って商品を仕入れたり、海外へ行って商談をしたりしています。
事務所は岐阜県瑞浪市というのどかな田舎町にあります。どうしてこんな海もないところで貿易をやっているんですかとよく聞かれますが、創業者の実家がここにあって、そのまま居ついているというくらいしか理由がありません。
そんな小さな貿易商社にも、2020年、コロナの影響が押し寄せました。
これまでのように海外に行くこともできなくなり、国内すら自由に行き来することが難しくなりました。
そんな中で私たちは、一つの問いを立てました。
「オンラインをどう使えば自分たちのビジネスをより成長させることができるか」という問いです。
とりあえず、私たちは思いつくものを片っ端からやっていきました。
これまで対面で行っていた国内、海外の商談をオンラインで実施し、またそれと同時にオンラインで受けられるいろいろなサービスを実際に受けてみるということもやってみました。
そんな中で出会ったのが、オンライン通話で会計も学べるコーチングセッションです。
会計をオンラインで学ぶ
内容は、全10回、毎週ホームワークが出され、マンツーマンのセッションを通して最終的に自分の設定した目標を達成するというものです。
せっかくなので私は、最終的に自社の経営状況を分析し、経営計画を見直すという目標を立てました。
毎回提示された、もしくは自分で設定したホームワークをこなし、足りない知識を本を読んで補いつつ、毎回のセッションでディスカッションを行いながら、自分の考えを深めていくということを毎週くり返すのは、正直きつかったです。しかし同時に、自分がものすごいスピードで成長しているという実感もありました。
またセッションを受けながら、オンラインで受けられる利点(移動の時間や交通費がかからない、一回のセッション時間は短く集中して取り組める、疑問点を即解消できるなど)を含めて考えても、これからの新しい研修のやり方としての大きな可能性を感じていました。
オンラインセッション×貿易実務スキル
私たちのLogiaccoは、私が体験してものすごく価値があると感じたこの会計オンラインセッションの仕組みに、今私たちが提供できる、貿易実務の知識や経験、スキルを組み合わせたものです。
ではなぜ自分たちでこのセッションをやろうと思ったのか。
理由は、自分自身の経験にあります。
私は大学卒業後、とくにやりたいこともないまま、誘われるままに海外にて働き始めました。
今でもよく英語もろくに話せない私を雇ってくれたなと当時お世話になったボスには感謝の気持ちしかありませんが、そこで貿易実務の知識やスキルを学んでいく中で、私は自分のなかに「海外とつながる仕事がしたい」という気持ちがあることに気づきました。
そして帰国後、無事に貿易商社で働きはじめて一番感じたことは(どんな業種でも同じですが)、貿易の全体像を知っているだけで仕事の成果が大きく変わってくるということです。
例えば問題解決のスキルは貿易実務者として必須の能力ですが、それを適切に使うには貿易の流れの中で誰が何をしていてその後どうなるかがわかっていなければなりません。
しかし、これまでさまざまな取引先の方々と出会う中で感じたのは、貿易実務の知識や経験をほとんど持たずに貿易の仕事をしている人がとても多いということです。またスキルアップの方法も独学が中心で、業種横断的な知識の活用もできていないように感じています。
また、貿易実務の仕事は、捉え方によって楽しくもつまらなくもなります。知識のたりない状態で取り組むと、ひたすら決められた業務をやり続ける単調でストレスの多い、苦痛に満ちた仕事になってしまいます。
貿易実務スキルの可能性
実はモニターテストを行いながら感じていたことですが、実は貿易実務のスキルや知識を必要としている人は、現役の貿易実務者だけではありませんでした。
私たちの思いは、「貿易実務を自分で勉強してみたけど、やっぱり分からずに諦めた」という人を減らして、"即使える"貿易実務スキルを広め、自分の目標を達成する人を増やすことです。
今実現できているサービスは、まだやりたいこと全体の5%くらいにすぎませんが、その思いを実現することが、「世界とつながる仕事がしたい」という人をサポートすることにつながると、私は信じています。
新しいサービスを始めてみて
ますます「強みを発揮することに集中する」ことの大事さに気づかされました。
自分のできることの範囲を超えて事業を成長させるにはどうすればいいか。今はそんな問いをずっと考えています。
やることは多いけれど全てが手探りの状態は、これまでやってきた貿易の仕事とはまた違った楽しさがあります。
自分自身がこれまでの経験で感じてきた、「貿易実務の仕事って実はクリエイティブで楽しい!」ということをこれからどんどんいろんな人に伝えていきたいと思います!
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