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いつでも完璧

『ねえ、カナ。この世界は完璧だって知ってる?』

ここは学校帰りにふたりで寄る馴染みの喫茶店。ミホはいつも、私にいろんな発見を教えてくれるの。世界の不思議、映画や恋愛、そして心のこと。

『この世界って、地球のこと?』

『ううん。地球だけじゃなく、宇宙も含めた、ぜんぶの世界』

私は、なんでそんな話をするの?とは聞かない。だって、前置きなんていらないこの会話が大好きだから。わかっているから。

『うーん、宇宙の法則は完璧かもしれないけど、この地球はとても完璧には見えないかなー。世界には悲しいニュースがたくさんだもの』

『そうだよね。でも、あらゆる出来事はただただ自然の法則にのっとっているだけだって思えば完璧じゃない?』

『じゃあ。完璧さを損なっているのは人間なのかな?』

『私はね。そんな未熟な人間も完璧だと思っているんだー。だって、赤ちゃんや子どもは未熟だけど完璧な存在だと思うのよね。だから地球人は宇宙から見たら幼児みたいに未熟な存在かもしれないけど、でも完璧なの』

『ミホっていつも宇宙視点だからすごいよね。でもさ、目の前の日々の生活に目を向けたら完璧じゃないことばかりだよ。宇宙目線で完璧でもそれって私たちに意味あるのかな?』

『私たちに日常で起こる悲しい出来事も、いろんな失敗も、すべては完璧だってわかったら、すごく前向きになれると思うんだ』

『ええー。それって、ある意味、悟りみたいなものじゃないの?』

『そうかもしれない。でもさ、まずこの世界は完璧だってことを知る。いや感じてみる、それが大切だと思うの。美しい夜空を見上げること、季節は廻ること、失敗があるから成功があること。そして自分の心の光と向き合うこと。私ね、この今の自分が未熟なことも含めて、すべては完璧だってわかってから世界がちがって見えたんだ。だから、カナにも知ってほしかったの』

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