Mr.Children『miss you』がリリースされたので、取り留めなく早口で感想語るよ

Mr.Childrenニューアルバム『miss you』を手に入れました。
今回のアルバムは、シングル曲も事前タイアップ曲もない、13曲すべてが新曲ということで、初聴きの楽しみが13個もあるとワクワクしていました。

「REM」が発表された時に「これミスチル？」という驚きがありましたが、それとは全く別のベクトルで「これミスチル？」という驚きを感じました。
これが「ミスチル史上最も優しい驚き」だったのかな？
曲もくが発表された時にミスチルっぽくないなと思ったのですが、実際に聞いてみて、曲も詩もミスチルっぽくないと感じてしまうところがありましたね。
とはいえ、歌詞のメロディーへの乗せ方はミスチルらしさがあり、これまでの延長線上にはありますけどね。
今までのミスチルの音楽がエンターテイメントだとすると、『miss you』の音楽はアートだと思います。
これまでのアルバムがシングルやタイアップ曲といったアトラクションがある遊園地だとすると、
『miss you』は、ひとつひとつの曲がアート作品となっている美術館のようなアルバムだと思います。
ジェットコースターや観覧車はないけど、名作揃いだと思います。
これまでのアルバムには、派手なリード曲やヒットしたシングルに押されて、それらに引けを取らないのに「隠れた名曲」などと呼ばれていた名作ってありますよね。
『miss you』は、そういう名作なのに「隠れた」なんて言われちゃう一つ一つにスポットライトを当てて展示するかのようなアルバムかなと思います。
キャッチーさやポップさが抑えられているからと言って耳に馴染まないこともなく、スッと受け入れられる演奏とボーカルではあります。それはやっぱり我らのミスチルです。

一方で、攻めたなという歌詞やボーカルもありますね
この『miss you』という美術館には、誰にでも寄り添う日常が描かれるアートもあれば、狂気に満ちたアートも展示されております。

初見では、「青いリンゴ」、「アート＝神の見えざる手」、「黄昏と積み木」、「おはよう」辺りが響きました。
「青リンゴ」は「これミスチル？」という優しい驚きを強く感じた一曲ですね。こんな青々し句爽やかで優しく響く楽曲は新鮮に感じました。
「アート＝神の見えざる手」は攻めていますね。これはラップなのかな？解釈も色々できそうだし、場合によっては物議を醸しそう。ラジオで流してほしい。NHKのラジオだと、「名もなき詩」や「End of the day」の歌詞が一ぶ消されて放送されるけど、自らピー入れていくスタイル良い。いや、ラジオで流すのはやめといた方がいいか・・・。
「黄昏と積み木」は、タイトルだけからはそんなに注目してなかったのですが、聴いてめちゃくちゃ良くて、優しい驚きを感じましたね。
「おはよう」は、トリを飾る曲だし期待はしてたのですが、期待を裏切らない良曲でした。スーパーのレシートや賞味期限ギリギリのチーズなど、ここまで生活感に踏み込む楽曲も珍しいなと感じましたね。
2周目になると、「ケモノミチ」、「LOST」、「Party is over」のかっこよさに気づいてしまいました。「LOST」は一周目で見つけてあげられなかったのが不思議なくらい好きです。
「雨のひのパレード」も名曲ですね。
「黄昏と積み木」、「deja-vu」、「おはよう」の流れが良いです。
「Fifty's map ～おとなの地図」は桜井さんの楽曲制作の思いやメンバーへの想いなども込められていそうな曲だと思いました。
「I Miss You」のイントロが「DANCING SHOES」のイントロを思い浮かべてしまったのは内緒です。
「We have no time」は十二月のセントラルパークブルースを思い起こさせるボーカルですね。サビで歌い方が変わるのも良い。アルバムを通して「珈琲というフレーズがよく出てきて「友とコーヒーと嘘と胃袋」のことを考えているところに、「十二月のセントラルパークブルース」風の歌い方、そして、Everything is made from a dreamにも出てきた“ブルースリー”というワードまで飛び出すものだから、アルバム、『Q』を連想してしまいました。
「Are you sleeping well without me?」は哀愁を感じる。

近頃は、サビしか聞かないという音楽の聞き方とか、数十秒でバズらせる音楽とかがありますよね。
CMでワンフレーズでリスナーの耳を惹きつけるようなミスチルのタイアップ楽曲もそういう系ではあるんですよね。
そのようなキャッチーさのない『miss you』は、1曲1曲をじっくり聴いて、アルバム全部をじっくり聴いてこそ受け取れるものがあるように思います。
このアルバムは、『深海』にも通じるコンセプトアルバムだと思いました。
そのコンセプトは何かまだはっきり感じられていませんが、それぞれの楽曲に過去や日常をえもく思う気持が含まれているようには感じるんですよね。その気持ちが『miss you』七日と。
孤独を感じる曲が並ぶ気がするのですが、ラスト3曲は今の幸せを歌っている曲が続き、おはようなんて同棲生活なのか新婚生活なのかを始めたような歌になってますね。
アルバムを通して「あなたがいなくて寂しい　恋しい」から「あなたがいて嬉しい、ありがとう」へと浄化しているようにも思います。
まだまだ聴き込んでミスチルが共有したいと思っていること、届けたいと思っていることを受け止めていきたいと思います。

◆Mr.Children『miss you』発売決定のお知らせに思ったこと
◆Mr.Children Tour 2023/24miss you開催地を考察してみた
◆Mr.Children Tour 2023/24 miss you セットリストまとめ