【桜井】ミスチルのリスナーを意識してる?

Mr.Childrenの作詞作曲をしている桜井和寿さんは、音楽制作するときに私たちリスナーのことを意識しているのかというお話です。
桜井さんの歌詞は、自分のことを見ていてそれを意識して作詞しているのではないかと思うくらい、自分にビシッとハマることがあります。
そう感じているリスナーは結構多いのではないでしょうか!?

●リスナーを意識しますか?(2008年)

【桜井】
「最近、するようになりました。つうのは、ライブがすごく楽しくなってきて、若い人から年配の方までリスナーの年齢の幅を持てるのは、長くやれてるからなんだろうなーって。そこに対して感謝できるようになってから、皆で共有できる曲を作りたいと思ってると思うんですね。ライブの時の共有感って言ったら、たぶん一つの歌があったら、いろんな人が自分を投影しながら聴いてると思うんですよ。そんな個人的な歌が会場に来て3万人の歌になるっていうのが、何より嬉しいんですね。」

この発言の2008年ごろはちょうど、若い世代から「親の影響で聞いてます」と言われ始め、GIFTがオリンピック放送テーマ曲になったことで年配の世代にも聞かれるようになった頃なのだと思うんですよね。
桜井さんは、世代を超えてリスナーみんなと共有できる楽曲を作りたいという意識を持っているようですね。
幅広い年齢層のリスナーみんなが共有できる曲を作る秘訣?は下の発言にありますかねー

●聴く人の世代などを限定して、詩を書くことはありますか?(2010年)

【桜井】
「Mr.Childrenは、いま何年ぐらいやってるんだ?17年ぐらいでしたっけ?デビューして。なので、本当に幅広い、それこそ高校生・中学生の方も聴いてるし、ライブに来る方でも年配の方もみえて。だから、リスナーはこういう人だってイメージを持つことは、難しくはあるんです。ただ、一番のリスナーっていうのは、やっぱりバンドのメンバーだったりするので、そこにまず一番響くものっていうことを考えています」

●曲作りにおいて、多くの人に受け入れられることを意識しますか?(2012年)

【桜井】
「多くの人に響く曲でありたいっていう欲は、エゴはあると思う。逆に、自分の内面を掘り下げて、自分も感動させられるもの、そういう最小のものこそ最大の共通項があるんじゃないかと思ってて。だから、自分と言うフィルターも大事にしてるし、次のステップとしてメンバーも大事にしてて、信用してて、ここで受け入れられるものは きっと多くの人に響くんじゃないかっていう信頼は持ってます」

リスナーの年齢層が幅広いからどこかの世代に向けて曲を書くと言うのは難しいのですね。
だから、桜井さん自身が感動できるもの、そして、メンバーの心に響くものを作ることを意識しているのだと言います。
そうしてできた曲は多くのリスナーに受け入れられ、共有して貰えるという自信と信頼を持っているのですね。それは、見事に結果を出しているように感じます。

●若い人に響かないのはしょうがない(2021年)

【桜井】
 「若い人に響くセンスが僕の中にはそんなにないなと。若い人に50代のおっさんの歌う言葉が響かないのは当然でそれに関しては悲しい悔しいという気持ちはあんまりないんです」
>若い人に共感してほしい、聴いてほしいという欲はないの?
【桜井】
 「そうだったらいいなというのはあるんだけど、おじさんの歌が響かないのはしょうがないから。それは悔しさとはちょっと違う感情かもしれない」

若い人に自分達の音楽を響かせたいという気持ちはあるようですが、若い人に響かないのはしょうがないとある程度割り切っているのかもしれません。
アルバム『SOUNDTRACKS』はリスナーの対象年齢を高めに設定しているように感じましたね。


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