それ、いつ終わる?駆け出しエンジニアが陥りがちな見積もりの罠と解決法

エンジニアとして駆け出しの頃、上司に言われるたびにビクビクしていた言葉があります。

それは

「それいつ終わりそう?」


これを上司から言われるたびに、ビクッとなりつつ

「後、XX日だと思います。」

実際の根拠もその日数の中で終わる自信も無いまま

上司から怒られなさそうな無難な見積もり日数を推測して答えて

ヤバい、、終わらない、、どうしよう

と心の中で冷や汗を書きながら

デスクに向き合い、迫り来る納期と進まないコードの間で

生きた心地のしない日々を過ごす。。

納期間近になっても全く完成しておらず、

「何故か自分の環境ではライブラリがうまく動かず時間かかってます」

なんてそれらしい理由をでっち上げて、(事実上)タスクを遅延させ、更に自分の首を締める。。

どうしたらいいかわからないけど、それを聞くこともできずに、ただ月日だけが過ぎていく。。。

と、いう経験ですが、エンジニアとして駆け出しの頃には、割とよくある問題なのではないかと思います。

今回は、これが発生するメカニズムと解決策についてお話していきたいと思います。

どうしてこんなことが起きるのか?

問題は、新人のエンジニアだけではなく、上司にもあります。

まずは、お互いの頭で何を考えているか見てみましょう。

上司の頭の中

・仕事を依頼したら見積もりをするのが当たり前、と思っている。

・仕事の見積もりくらいできるだろう、と思っている。

・だいたいこれくらいで出来るかな、と思っている。

・出来ないなら出来ないで理由を教えてほしい、と思っている。
(つまり、出来ないことは悪ではなく、理由がわかればOK、と思っている)

駆け出しエンジニアの頭の中

・見積もりと言われても、何をどう見積もればいいかわからない、と悩んでいる。

・でも見積もりをしてくれと言われているから、何かを答えないといけない、と思っている。

・どこまで出来れば完了なのかかがわからない、と思っている。

・だいたいどれくらいの日数で終わらせるべきものなのかわからない、と思っている。

上司は、すでに社会人経験を積んでいますので、見積もりができて当たり前の世界に生きているので、「見積もりができない」という価値観を理解しづらくなっています。

一方、駆け出しエンジニア側は、とにかくなんでも期待に応えたい、という気持ちが先行し過ぎてしまい、できないものを出来ない、という、わからないものを分からない、と言えなくなってしまっています。

結果、伝えるべき問題を伝えられずに、ドツボにハマる。

つまり、これは、エンジニア的なスキルの問題ではなく

お互いの気持ちがすれ違っている

いわゆるコミュニケーションの問題だったりします。

どうやって解決するのか?

では、どうやって解決すればいいのでしょうか。

上司に理解してもらうのが一番、と思うかもしれませんが

正直、あなたの上司がそれに理解を示してくれるか寄り添ってくれるかわかりません。

上司はコントロール出来ないのです。

なので、自分が変わる事によって状況を変えていきましょう。

出来ません、わかりません、と上司に言うのは、抵抗がありますよね。

なので、こんな感じのフォーマットに沿って、依頼事項を確認するのです。

======================================================
{上司の名前}さん、わかりました。

依頼された{依頼内容}の内容なのですが、認識がズレていると行けないので念の為確認させてください。・・・①

こちらの作業ですが、作業範囲としてはどこまでを想定すればいいでしょうか。・・・②

{上司の名前}さんのイメージする完了基準を教えてください。どこまで出来たら完了として報告すればよろしいでしょうか。・・・③
(自分はどう思っているか、が一緒に書けるとなおベター)

またおおよそ作業時間も、もしイメージがあれば教えてください。・・・④

私としては{あなたの素直な見積もり}日くらいで終わると思いますが、乖離があれば、何かを誤解しているかもなので、すり合わせしたいです。

以上、よろしくお願いいたします。

======================================================

解説

①・・理由が無いと、「なんでこれ聞いてきているんだろう。何を答えたらいいのか」と相手が不安になるので、確認したい理由を明示して相手に安心感と回答の方向性を揃える。

②・・作業範囲はどこまでか、ストレートに聞いてしまう。大体上司の指示はざっくりしているので、ストレートに聞いても特に嫌な気持ちになることはあまり無いです。

③・・完了基準を教えてくれ、だけだと、高圧的な感じになるので、「報告を上げてほしいタイミングはいつですか?」とあくまで相手の為を考えて確認しているスタンスを示す。

④・・作業時間に関する確認、ちなみに私の見積もりでは〜〜という文章をつなぐことによって、相手に自分の見積もりがどれだけズレているのか、指示の曖昧さを暗に伝える。
(ここであまりにもずれていることが分かると、上司がフォローに入ってくれるので、なるべく自分の見積もりも入れておくと良いです)

駆け出しエンジニアの頃は、コードを書く以外にも精神的なストレスが絶えないと思いますが、少しでもストレスを減らす一助になると幸いです。

それでは。

元落ちこぼれエンジニアです。自分の落ちこぼれ経験をきっかけに人材教育に興味を持ち、誰でも最短で成果が出る教育ノウハウを提供しています。