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【一回り小さくなった板チョコ】

この前確定申告を済ませたばかりで、面倒な作業が終わってホッとしている。

もうすぐ統一地方選挙だが、今日は僕が支持する政治家の活動のお手伝いをさせてもらった。他にも僕と同い年のお手伝いさんが3人いたので世間話をしていたところ、彼らの会社は人手不足に陥っていると言っていた。2人はシステムエンジニア、もう1人は確か人材関係の営業だったと思う。人手不足だけならまだしも、スキル不足も目立つと言う。

ヨーロッパでは転職や新しい仕事に再就職するためにリスキリングを行う為、各国政府が様々な支援や政策を実行していると、先日あるドキュメンタリー番組で見た。テクノロジーの進化とデジタル化が進む中、特に何のスキルも持たない単純労働者が解雇されたり給料が減らされたりして困っている現状を打開する為だ。デジタル化した今の社会に適応出来る様に、ITスキルなどを訓練するチャンスを与えられ、プログラマーやエンジニアなど需要がある職種に再就職出来る様にして、それらの元中間層の国民の生活苦を見事に解決していた。

日本のニュースでも最近リスキリングについて、動物のリスとキリンを掛けた冗談を交えて少しだけ取り上げられていたが、ミクロ、マクロ両方から見ても、とてもそんなつまらない冗談に出来るほど余裕がある様には思えない。まったくどこまで呑気な国なんだとつくづく思う。日本政府が人手不足についてどんな政策を実行に移しているのかよくわからないが、いずれにせよ国民の生活に反映されていない事は確かな様だ。



お手伝いが終わり、昔から馴染みの小さな個人経営の中華料理屋に昼ごはんを食べに行ったが、バイト募集の貼り紙が数ヶ月前から貼ってあって、今日もまだ貼られたままだった。時給を聞いてみたら、慣れるまでは¥1300、その後は¥1500と、意外と高かったが、それでも働きたい人が来ないのだと言う。コロナ禍で何度も緊急事態宣言が出たりして、飲食店はその度にお店を閉めなければならなかったので無理もないのかもしれない。

そういえばもう10年ぐらい前にさかのぼるが、そのぐらいの時からよくニュースを見始め、政治を監視する様になったのを覚えている。ちょうど消費税が5%から8%に上がる時で、軽減税率についても議論がされていた頃だ。

僕が常日頃からニュースや政治を監視する様になったある決定的な出来事がその時に起こり、それはその時期にいつも食べていた板チョコが明らかに一回り薄くて小さくなった事だ。厳しい時代の中消費税が上がり、製造元は商品の値上げをしない代わりに内容量を減らした。世の中の動きや政治で決めた事が、現実としてはっきりと目の前で僕の生活に影響を与えた瞬間だった。

"なんじゃこりゃ!?"当時の僕はとてもショックを受けた。それまでは無知で無関心でもあったためか、ニュースで見る世の中の出来事はどこか遠いところで起きていて、僕には直接関係のない様な感覚で現実味が無かったし、政治についてもまったく興味が無かった。



板チョコが縮んだ10年前に打ち出された政策の1つ、アベノミクスの三本の矢は不発に終わり、いつの間にか消えていた。数年前よくあちこちで耳にしていた"働き方改革"はどうなったのだろうか。総理大臣が具体的に誰がどういう方法で決めているのかも未だに僕はよくわからない。すべてがうやむやだ。

僕は政治を牛耳っている泥オヤジ達に騙されない様に、利用されない様に、知らない間に勝手に物事を決められない様に、ニュースを見て政治を監視し続けている。

確定申告のやり方、政治の仕組み、お金についてなど、日常生活に必要な具体的な事を学校では何故か一切教わらない。これらの生きていくために必要な事をもっと教えてくれればいいのにといつも思う。大半の人がおそらく一生使わないであろうやたらと難しい数学なんかを勉強するよりも、よっぽど意味があるのではないだろうか。

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