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【慣れ、疲弊、思考放棄】

新型コロナウイルスの感染者数と死者数が世界的に減少して来ている様だ。検査数が以前より減ったことももちろんあるとは思うが、去年とは比較にならないぐらいに少なくなってきている。日本も例外ではない。終息してきたのだろうか。

いつも2手も3手も後手に回り、呑気で無能な日本政府の決めた事はまったく当てにならないので、パンデミック初期から自分で世界各国の情報を集めながら、状況に合わせて身を守る為に行動してきた。どんな事も世界で起こる事はいつも遅れて日本にも上陸する。世界の情報をいち早く知る事で、少し遅れて日本に入って来る危機もおかげで予測出来た。そしてそれらはこの3年間を通してすべて的中してきた。

過去3年間を通して、コロナとの戦いに心身ともに本当に疲れた。今は疲弊していて本当に参っているが、コロナ禍の生活に上手く適応出来た。我ながら自分自身を労わってあげたい。出口の見えない暗いトンネルを走り続ける中、やっと光が見えて来たところだ。今回のコロナが完全に無くなる事は今後もないとは思うが、以前みたいに世界中で爆発的な感染が広がる事は今のところはもう無さそうだ。



「We will get through this together.」この危機をみんなで一緒に乗り切ろうと言う意味で、パンデミック初期に世界中のあちこちで掲げられてらいたスローガンだ。医療従事者に感謝の意を表して街などで民衆が拍手を送ったりもしていたのを覚えている。ところが一年も立たないうちに多くの人達が痺れを切らし、感染対策を放棄し始めた。真っ先に根を上げたのは欧米やヨーロッパの西洋諸国が大半だ。

口では立派な事をたくさん言っておきながら、彼等の忍耐力の無さには呆れた。「え?もう根を上げるの?口では散々かっこいいことを言ってたくせに、根性ないんだね。」と率直に思った。

今こんな事を言っても仕方がないのだが、みんなが協力してもっと適切に対処して行動していれば、犠牲者は大幅に減らせたと思う。一緒に団結して乗り越えると初めは言っていたのに、数ヶ月も経たないうちに「こんなのやってられるか!」と言わんばかりに統率が取れなくなり、心の団結は崩れ、個々が身勝手な行動に走り出し、結果として感染拡大に歯止めがかからなくなってしまった。



コロナがまだ感染爆発していた時期に、周りで人がバタバタ倒れて救急車で病院に運ばれていて、医療従事者達は休みなく疲弊しながらも付きっきりで看病していた。日本政府の愚かな判断の数々とデジタル化の遅れで国内の医療は完全に崩壊していて、危ない状態の患者も入院出来ずに死亡してしまうケースも日常的に起きていた。そんな危機的な状況の中、マスクを外して他人と大声で馬鹿騒ぎしながら酒を飲まないとやってられないのだろうかと、苛立ちと軽蔑と呆れの目で当時僕は見ていた。だらしない大人達がそんな事をばかりやっていた一方で、子供達にはずっとマスクをつけさせて給食を食べる時も黙食を強要していたのはまったく筋が通っていない。

大事なのは忍耐だ。成功者(一括りに出来ない概念なので、幅広い意味での自分にとっての成功という事にしておく)は必ず忍耐力がある。修行僧の様にすべてを我慢したり断ち切るということではなく、どこで抑え、どこで解放するのかを自分でコントロール出来る事だ。上手くいかない人は得てしてこの自分自身のコントロールが出来ていない場合が多い。



パンデミック疲れや自粛疲れと言った疲弊が蔓延している。僕もとにかく疲れた。人間は嫌な事はすぐに忘れたがる。一刻も早く元の日常に戻りたいとは僕もずっと思って来たし、もうすぐそこに辿り着くとは思う。しかし、今回の事は絶対に忘れてはいけない。ただ過ぎ去って忘れてしまえば思考放棄に陥る。自分達は今回の事で何を学んだのか、意識している人はどれぐらいいるだろうか。問題から目を背け、何の教訓も得ずに進めばいずれまた何らかの別の形でそのツケが回って来る。それはまた新たなパンデミックかもしれないし、環境破壊が招く異常気象による災害かもしれないし、わからない。

感染症は人間が自然界と接触する機会が増えれば増えるほど、それだけウイルスが生き物から人間に飛び移り、疫病の流行が発生しやすくなると言われている。森林伐採などの環境破壊が行われると、元々そこに住んでいた生き物は住み家を失い、本来の生息地ではない場所へ移動せざるを得なくなる。つまり、人間の住んでいる街に来てしまうという事だ。そしてありとあらゆる生き物や動物を喰らう様になった人間は、食物連鎖そのものの秩序を乱した。地球の総人口がつい最近80億人を超え、人とカネとモノがいつにも増して移動するグローバル化した現代だからこそ、今回のコロナの感染がここまで拡大してしまった要因であることは間違いない。こういう世の中では、いつまた新たな疫病が流行ってもおかしくない。少なくとも僕が生きている間は、今回の新型コロナウイルスの様なとてつもない大規模なパンデミックはもうこれっきりにしてほしい。







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