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ポケモンGOをやっていたら、とても感じのいい小学生に会った話

 どうもポケモンGOプレイヤーのMr_noiseです。
今日、出かけようと最寄りの駅に行ったら、入り口付近にスマホを持って立っている人が数人いました。
待ち合わせスポットもない田舎の駅にスマホを持って立っている人がいたら、7割くらいの確率でポケモンGOプレイヤーです(当社調べ)。
おそらくレイド(複数人で同じボスを倒すイベント)があるのだろうと自分も立ち止まってポケモンGOを立ち上げると、実際10分後に黒玉レイド(最難関ボスが出るレイド)が開かれる模様。

「やっぱレイドか、青ジムだし、ポケモン置いとこう」
「どうかされたんですか?」
独り言漏れてた、恥ずかしいと思って、声のした方を見るとスマホ片手の小4くらいの男の子がいました。
「ポケモンGOやっててジムの色が青だからポケモンを置けるなって」
「僕もポケモンGOをやってます!僕も青チームなんですよ」
「へえ」
ヤバい。小学生と一人で話すおっさんという図式は世間的にヤバい。どうしたらいいんだろう。

それでも男の子は人当たりのよさそうな笑顔でガンガンしゃべってきました。
「何レベルなんですか?」
「えっと37レベルだね」
「僕はまだ33レベルです!すごいですね!」
マウントを取りたかったわけじゃないんだけどなあと思いつつ、
「暇人だからね。おっさんがポケモンGOとか恥ずかしいよね」
「おっさんじゃないですよ!まだお兄さんですよ!」
僕、人間レベル31だから、おっさんだと思うけどなあ。
「それにイケメンです!」
そんなん人生で初めて言われたわ。この子、大人の扱い方をわかってるなあ。

「そんなことないよ。ああ、じゃあ、何か欲しいポケモンいる?よかったら交換しようか?」
「え!いいんですか?」
ここで交換しようと言ってしまったことに若干後悔しました。
ポケモンGOはフレンド間のメッセージ機能はないとはいえ、知らないおっさんとフレンドになり交換するのは子供としてはよくないだろうなと。
加えて、ポケモンGOのプレイヤーの年齢設定によってはフレンドとの交換ができない場合があります(13歳未満設定だと保護者が制限を外さないと、交換を含めたフレンド機能の大半が使えません)。
不審がられて、どっか逃げてしまったりするのは完全にこちらのせいだから仕方ない。
ただこちらから提案したのに、機能制限で交換できずにがっかりされてしまう場合もあり得ます。やっちまったなと思いました。

 しかし、この子は想像を超えてきました。
「お母さんに許可をもらってきます!」と言って走って駐車場に向かっていきました。
すごい、ちゃんと許可が無ければ知らない大人とコンタクトをとっちゃいけないことを理解しているし、実際行動に移せている。
良い教育を受けてらっしゃるよ、この子。
不用心に知らない子供と話してしまった僕よりだいぶしっかりしていらっしゃるよ。リスペクトだよ。

 「許可とれました!お母さんがいいって!」とニコニコした顔で走ってくる男の子。いい子だ。大人に愛されるタイプのいい子だ。
後ろから男の子のお母さまも来られました。僕を見て、お母さまが開口一番。
「一緒に遊んでもらってありがとうございます。この子喜んじゃって」
子が子なら親もやっぱできた人だわ。不審者と思われることを怖がっているこちらに対し、敵対心のないことを最初に示してくれる。ありがたい。
「いえいえ、こちらこそ一緒にできてうれしいです」

 その後、ポケモンGO関連の世間話をしながら交換をしようとするも手間取り、レイドの時間になったので、一緒に黒玉レイドに参加することに。
「このプレイヤーの前に出ている湯気は何ですか?ほしのかけら(ゲーム内アイテム)をつかっているんですか?」
「いやフレンドになると、協力ボーナスで与えるダメージとかボールをもらえる数が増えるっていうしるしなんだよ」と言って自分のスマホを見せる。
 こんな感じで質問して来てくれるのでレイド前の待ち時間も気まずくなく過ごせました。親御さんの前でゲームの説明するのは恥ずかしかったですけど。

 その後、黒玉レイドのテラキオンも無事に倒せたので、交換をすることに。「何か欲しいポケモンある?」と聞くと「ボーマンダが欲しいです!いいんですか!」とキラキラした笑顔の男の子。
調べると色違いのボーマンダ(普通のポケモンより珍しい)はほしのすな(ポケモンのレベル上げや交換に使う消費アイテム)が男の子の方が不足しているためできない模様。
色違いのボーマンダを選べないという表示の画面を見せて、「普通のボーマンダしか交換に出せないみたいだけど大丈夫?」と聞くと
「全然大丈夫です!どのポケモンが欲しいですか?」とのこと。
「何でもいいよ。さっきそこらへんで捕まえた奴とかでもいいよ」
この一言が逆に男の子を困らせてしまったらしく
次々に一体しか持ってない伝説ポケモンを選ぼうとして、お母さまに「それ一体しかいないけど大丈夫?」と聞かれていました。

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ボーマンダはわかりやすいドラゴンで格好いいポケモン

「ギラティナオリジンはたくさん持ってるけど」とおかあ様が言っていたので、「僕一体しかギラティナ持っていないのでそれでお願いできますか?」と発言。
ギラティナオリジン(黒玉レイドで手に入る伝説ポケモン)と普通のボーマンダ(今じゃ覚えられない特別な技を覚えてはいる)の交換が決定。
何か僕が得をしている気がしたので「伝説ポケモンとボーマンダで、僕の方が得をしている気がするけど」とそのまま聞きました。
「大丈夫です!」と男の子。
「この子、ボーマンダ大好きで欲しい欲しいって言ってたのでありがたいです」とお母さま。
交換が終わるとめちゃくちゃ子供らしく喜んでくれました。
電車に乗るから「さようなら」と言うと、お母さまの方から「今度またレイドなどで会ったらよろしくお願いします」とのこと。
最後までしっかりしていて、コミュニケーション能力の高い親子だなと思いました。

この子のおかげで一時ですが、楽しい時間を過ごせました。
今の子供は知らない大人に話しかけちゃいけないと僕の子供時代より厳しく教えられてそうで、大変だなと思っていましたが、柔軟にその厳しさに対応できる子もいるのだなと驚きました。
僕、彼くらいの年のころ、登下校中に知らない人んちのベルならして、家に上がりトイレ貸してもらってたくらいの適当な子だったので、なんか恥ずかしくなりました。

また、今回はこのように親切な親御さんだったのでよかったですが、いろいろな考えの家族があると思うので、小学生にはうかつに話しかけないでおこうと反省しました。
 「知らない大人に話しかけたらだめじゃない?」はちゃんと聞こう。
そんな風にコミュニケーションをポケモンGOで学んだ休日でした。

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交換してもらったギラティナ。大切に育てよう……。

#雑記 #コラム #エッセイ #ポケモンGO


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