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SUPER NATURALー不可思議な現象 第4話

僕が33歳の時、守護霊が憑いていたらしい。

函館駅の近くの繁華街の場末に木造の掘立小屋風の飲み屋があった。

店の中はカウンターしかなく、ママ一人しかいなかった。

僕は恋人もいなかったし、寂しさを紛らすためたまに飲みに行っていた。

ママは70歳の太った女性で、髪は茶色に染めていて宝石の付いた指輪やイヤリングやネックレスなどを身に着けていて、着ている服もその歳にしては派手目で健勝な老人だった。

近くの店で働いている女の子達もママの顔を見に来ることも度々あって、その界隈では有名人らしかった。

ある日、ママは僕と話している最中、僕の後ろに僕の母が見えると言い出した。

僕は信じられなかったので、ママに「どういう姿、形で見えるんですか?」と聞いた。

そしたらそのままの姿、形で見えると言う。

そして、「あんたのお母さん、ちょっとぽっちゃりしているでしょう?」と言われた。

僕は自分の母親のことは一度も話したことはなかったが、当たっていた。

僕はママの話している時の表情などを注意深く観察して見ていたが、どう見てもママが嘘を言っているとは思えなかった。

ママは一切の躊躇いもなく、確信に基づいて言っているようにしか見えなかった。

その後、ママに守護霊でも悪い霊と良い霊がいて、何か調子が悪い時は悪い霊が憑いているかもしれないので、そういう時は塩を体に振り掛けたり、コップ一杯の塩水を飲むと良いと教わった。

僕はママの言っていた事を信じざるを得なかったので、それからその事を実行した。

歯痛に悩まされていた時、虫歯のある部分の頬の上から塩を振り掛けたら痛みが殆んどなくなるぐらい和らいだということもあった。

今もって、あの時ママが言っていた事は真実だったという事を否定できない。


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