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1on1ミーティングをアウトソーシング!SP実戦編-1:実施の流れと反省点

入社1ヶ月半の新入社員と1on1を実施

 色々な面で私がお世話になっている会社から、この4月に入社した新人(中途採用)に対して1on1ミーティングを実施する機会をいただきました。巷では、コロナ明けもあって”新しい五月病”が一般社員にも流行るのではないか? といった懸念(こちらの記事を参照)もあり、私個人としても、5月のこの時期にしか体験できない貴重なチャンスだと思って臨みました。

事前にヒアリング項目を伝えておく

 私が提案しているアウトソーシング1on1は、企業内で通常行われるものとは当然一線を画しています。というのも、企業内1on1は直属の上司と部下という、ある程度お互いを知り合っている間柄であるため、1回を30分程度の短時間にして週1か2週に1度くらいで行われるのが普通ですが、私の場合は、3ヶ月~半年に1度、じっくりと時間をかけて色々な角度から話を聴くという形にしているためです。
 「それだと、喫緊の問題がある場合、手遅れになるのでは?」という声も、もちろんあると思います。(まさにその点はアウトソーシング1on1の弱点でもあるわけですが、それをカバーする方法もあります。詳しくは、拙稿[#2:そのメリットとデメリット]をご参照ください)
 ただ、短い時間だと、どうしても仕事や職場のことが中心になってしまうため、健康状態や生活上の問題などを把握するには、ある程度時間をかけて行う方が良いはずです。同時に、こういった多岐に渡る項目を漏れなく聴き出すためには、事前の準備が欠かせません。メンティに対して、1週間前に[質問項目シート]を送り、ひと通り目を通しておいてもらうのはそのためでもあります。
 また、このシートの内容は、あらかじめ行った上司との打ち合わせを反映したものになっています。上司から「こんなことを聞いてほしい」という要望があれば、それを盛り込んで作成するからです。

実施してみての反省点

 今回、メンティになっていただいた方とは、実は入社直前に一度お会いしていたため、それなりにフレンドリーな雰囲気で1on1を実施することができました。ただ、初対面ではないということが緊張感に少し欠ける要因となったのか、私としてはいくつか反省すべき点が見つかりました。
 実施にあたっては、「報告書作成のため以外は、絶対に使わない、外に出さない」という条件で会話を録音させたいただいたのですが、それを聞き返すなかで強く感じた私の反省点は、以下の3点です。
 まず一つ目は、”なによりも聴くことが大切”という原則を守るべく、心して臨んだつもりでしたが、それでも私のトークが随所に入り[しゃべり過ぎ]だと反省しました。私がしゃべった内容は主に、①回答を引き出すために「例えば…」と例示する、②メンティの話を繰り返して確認する、というものでしたが、次の2つとも絡んでかなり気になりました。
 二つ目は、[誘導し過ぎ]という点です。メンティの会話内容について「もう少し聴きたい」と思った時に、「それって、こういうことだよね」と先に私が話してしまうと、それが本当に正しいかどうかを確認できないまま、私の言を諾として話が進んでしまうというケースです。本来は「それって、どういうこと? もう少し詳しく教えてくれる?」と返さなければならないのですが、それができていないシーンが2~3あり、反省につながりました。
 三つ目は、[まとめ過ぎ]という点です。人の会話は、時として横にそれたり、急に後戻りしたりするものですが、それを前の話と関連づけて勝手にまとめて確認してしまうということです。[誘導]とも少し似ているのですが、違いは「次のテーマに移りたい」と思うときによく起こることです。これも、それ以上話の深堀りができなくなってしまう欠点があります。本来は「それって、さっきの話とはどういうつながりがあるの?」と聴かなければならないのですが…

報告書を提出して完了。アフターケアも

 アウトソーシング1on1は、実施レポート(報告書)を上司に提出して完了となります。1時間のミーティング内容をまとめるのは、それなりの時間もかかりますので、通常は提出までに1週間という時間をいただいています。レポートは、先に上司に提出済みの質問シートの項目順にそって、メンティからの会話内容を要約して記述したものですが、最後に[総評]として、私が受けた印象を含めて、今後留意してあげた方が良いポイントや課題への対応方法などのアドバイスも記しています。
 また、もし早めに対応すべきことなどがある場合には、レポートの完成前でも上司に電話かメールで報告するようにしています。さらに、必要に応じて上司とミーティングを行って直接状況を伝えるとともに、上司とメンティとのミーティング実施を促すなどのアドバイスも行います。

 アウトソーシング1on1と言えども、その目的は[社内コミュニケーションの活性化]です。上司と部下が相互理解を深めながら、ひとつひとつ課題を解決し、互いに成長できていくことが、私に与えられたミッションだと思っています。そして当然ながら私も、反省点を次に活かせるよう、成長していかなければならないのです。

※次回は、実戦編の2回目として、どのような内容のミーティングだったかをご紹介します。

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