1on1ミーティングをアウトソーシング!#2:そのメリットとデメリット
1on1ミーティングをアウトソーシングするメリット
通常は、直属の上司とその部下が行う1on1ミーティングですが、それを外部委託するメリットはどこにあるでしょうか? 前回(#1)、メンター制度との融合させることで大きなメリットが生まれると述べましたが、以下にその具体的なメリットを見ていきたいと思います。
①自らの業務に直接関係を持たない外部メンターと話すことにより、メンティにとっては上司よりも本音を語ることができる。
→つまり、「社内では言いづらいことが気軽に言える」ということです。
②上司側(経営トップなども含む)としては、第三者として比較的公平な立場のメンターから報告を受けることで、部下の意見や陳述を冷静に受け止めて判断することができる。
→ワンクッションおくことで、じっくり考える時間も生まれます。
③社内メンターよりも、より「聴くこと」中心のミーティングになるため、メンティが内省するためのキッカケにつながりやすい。
→メンター側からのアクションは「指導」ではなく「助言」が中心になるためです。
④上司や経営トップにとっては、ミーティング開催に煩わされることなく、部下の状態を把握できる。
→ミーティングを気にせず、自らの職務遂行に専念できます。
1on1ミーティングをアウトソーシングするデメリット
一方、外部委託する場合、社内で行う場合とくらべて、デメリットも出てきます。次は、そのデメリットを具体的に見ていきたいと思います。
①緊急性が高い課題が見つかった場合、ワンクッション置かれるため、企業としての初動対応が遅くなる可能性がある。
→すぐに解決すべき問題への対応に、タイムラグが出るということです。
②上司側にとって、部下の口から直接聴いていないため、場合によってはリアリティに欠けた認識を持ってしまう可能性がある。
→その結果、誤った指導や対応につながる場合もあるということです。
③逆に部下の側では、ミーティングで話した提案やアイデアに対し、その場での評価や指導がされず、後日対応を覚悟しなければならなくなる。
→即応されないことで、部下の側にモヤモヤ感が残る場合があるということです。
デメリットを克服するための手段とは
ただ、こうしたデメリットは、それぞれの弱点をフォローする仕組みを作っておけば、かなり高い確率でカバーすることができます。
以下は、そのための手段例となります。(Dはデメリットの略です)
●D①に対して:
ミーティング実施の日時は、上司側も必ず把握するようにし、メンターから電話などで緊急連絡を受けられるような体制を取っておく。但し、緊急連絡にあたって、メンターはメンティの許可を取ってから行うようにする。
●D②に対して:
メンティから出された重要な事案や微妙なニュアンスを含む課題に対しては、ミーティング後に上司と部下が直接話ができる機会を作ること。その必要性を汲み取ったメンターは対話機会の提案を行い、上司は速やかに対応するというルール作りも必要。
●D③に対して:
メンターはミーティング実施後、速やかにメンティからの提案や意見などをまとめ、メールでメンティに内容確認をする。その後、メンティへのCC付きで上司へメール報告を行う。上司側は、その内容に対して対応方法をまずメールで回答。メンターへもCCで送り、もし回答メールがされていない場合は、メンターは督促をする。これらのやり取りは、何日以内に行うというルール作りが必要。
以上がデメリット克服するための手段ですが、要はメンティ(部下)⇔メンター⇔上司の3者間で、緊密な連絡・コミュニケーションを取るための仕組みづくりが欠かせないということです。
普段から顔を合わせている間柄では、時としてコミュニケーションは”なあなあに”なってしまいがちですが、その間に外部メンターが立つことで、一定の緊張感を持ったコミュニケーションが取れるようになる ―それも、アウトソーシングの大きなメリットだと思います。
※次回(#3)は、さらに一歩進めて、チームや職場全体の風通しが良くなり、活性化する方策をお知らせします。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?