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ブランド・リノベーション #2 ブランドとは[其の弐]

他と区別するための手段は?

 引き続き、ブランドに関する基本的な知識をおさらいします。
 ブランドとは、他と区別するための手段として発達したわけですが、そのための「手段」には、どんなものがあるでしょうか?
 ブランドの起源の時にお話しした、牛に焼印をするときの焼印は、現在でいえば「マーク」や「ロゴ」にあたります。これらは見た目で区別しようとするものですが、区別する手段は何も視覚のみに限られるわけではありません。耳で聞くことによって「あ、あのブランドだ!」と認識してもらうことだってできるのです。「テーマソング」や「サウンドロゴ」といった音楽的に表現されたものがそれにあたります。
 こういった様々な手段は「ブランド要素」と呼ばれますが、主なブランド要素は下図の通りです。

ブランド要素とMVV

ブランディングを支える三本柱

 こういった要素によって他との違いを表現されるブランドですが、それを守り、育てていくためには、しっかりしたブランディングが必要です。「他にないような素敵なロゴを作ったから、これで有名になる」というわけには、残念ながらいかないのです。
 企業戦略を語る時によく使われるMVVの考え方、すなわち「ミッション(Mission)」,「ビジョン(Vision)」,「バリュー(Value)」は、ブランディングにとっても重要であると私は考えます。
 ミッション:このブランドで社会や消費者にどう貢献していくのか
 ビジョン:このブランドを将来に向けてどう広めていくのか
 バリュー:このブランドの価値をどう育てていくのか
ということを、しっかり見据えていくということです。

ブランディングの目的とは?

 この三本柱はどれも大切なのですが、なかでも3つめの「価値」を育てていくことは特に重要です。
 なぜなら、ブランディングの目的は「消費者のブランドに対する忠誠心」を獲得することにあるからです。価値が高いと認められれば、消費者はこのブランドを信奉し、指名買いしてもらえるだけでなく、口コミなどで自ら広めてくれる可能性にもつながります。こういった消費者の忠誠心を獲得することを「ブランドロイヤルティ」と言います。ロイヤルティ=忠誠心という意味で、少し難しい言葉ですが、これは覚えておいてください。
 「そのブランドは、ロイヤルティを獲得できているか?」と問うことで、ブランディングがちゃんとできているかを判断する基準にもなるからです。

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