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M.R.LABO業務紹介:ライティング・ワーク[5]


プレスリリース

 マーケティングのプロモーション活動全般において、ライティングは欠かせない要素ですが、なかでもPR活動におけるプレスリリース(ニュースリリース)は、書き手のスキルが試されるものになります。
 というのも、日々膨大な情報があふれる中で、メディア(の記者)に関心を持ってもらい、記事にしてもらうというのがリリースの最大の目的ですので、担当者の目を引くようなタイトル・フレーズを考え、読んでみたいと思わせるリード文を簡潔にまとめる、といった技術が重要になるからです。
 私がはじめて本格的なリリースを書いたのは、某大手通信系企業の研究所が発表する新技術などに関するものでした。実はそれまで、まともなリリースを書いたことがなかったのですが、研究所の技術発表イベントでお披露目する新技術を紹介するコンテンツを作っていた関係もあって、ご指名いただいたのだと思います。また、その時のリリースは、一般消費者にもわかりやすいものが求められていましたので、技術や研究内容には素人の私が、素人なりの視点から伝えることが必要だったのだろうと思います。
 なお、通常こういった専門技術に関するドキュメントなどは、「テクニカルライター」という肩書の人が、研究者・技術者などとコミュニケーションを取りながら書く、というのが一般的です。ただそれは、BtoBの世界の話であって、今回のリリースのようにBtoCを意識したものの場合は、専門知識がなくてもある程度書くことは可能です。もちろん、それなりのテクニックを学ぶ必要はあり、私の場合は、独学ながら色々と勉強して身につけていったという経緯があります。

リライト

 ライティング・ワークの最後は、リライト業務についてです。文章リライトには色々なケースがありますが、私の場合、よく依頼されるのは、企業トップの挨拶文です。企業サイトをリニューアルする際などに、経営者による「ご挨拶」や「メッセージ」などのコーナーも新しくするわけですが、先方からいただいた原稿に対して、微調整を加えて読みやすく(伝わりやすく)するという作業になります。また、サイト・リニューアルなどをお知らせするメール本文もリライトする場合があります。
 その他、企業が発信する、ある程度専門性がある文章などについても、受け取り手であるユーザーの側に立って、わかりやすくリライトする場合もあります。
 自動車メーカーが新車発売に際して用意する電話応対マニュアルをはじめとして、通信機器類の操作マニュアル、化粧品の販売員向け教育テキスト、建築外装材の施工ガイド等々、これまで様々なドキュメント類のリライトを行ってきました。
 ところで最近、とても気になることがあります。それは「わかりにくい」取扱説明書や操作マニュアルが巷に氾濫していることです。海外製品のものを翻訳ソフトか何かを使って訳しただけ…というのなら、まだ納得できるのですが、国内で作られたものであるにもかかわらず、非常に低レベルな日本語で表現されたものが多いということです。
 競争力を高めるため、極限までコスト削減をした結果なのかもしれませんが、低レベルなマニュアルは、製品のブランド力低下につながります。メーカー側は、当該製品を作るためにそれなりの努力を重ねてきたわけですから、消費者とコンタクトする最後のところまで気を使ってほしいものです。
おそらく開発者の方が苦労されて書かれたはずのマニュアルでしょうから、最後はその道のプロに見てもらって、わかりやすいものにしてもらいたいと思うのです。

ライティング・テクニックの活かし方

 今回述べてきたリリースやリライトの際に必要となるテクニックですが、実は近年流行りの「あるコト」をはじめる際にとても役立ちます。それは何かといいますと、「クラウドファンディング」(以下、クラファンと略す)です。クラファンは通常、専用のプラットフォームにプロジェクトの告知を載せることになるわけですが、その告知記事を作成する際には、目を引くテーマ名やキャッチフレーズが必要であり、本文においては、プロジェクトの魅力をわかりやすく伝えるための文章力が必要になるからです。また、記事全体の構成力(ストーリー)も重要になりますので、もしこれからクラファンをはじめようと思っている方は、他のプロジェクト記事を色々見て参考にされることをお勧めします。
 私もこれまで、いくつかの告知記事を作ってきましたが、文章とともにビジュアル(写真や動画など)も重要になりますので、総合的な編集力が試される”場”になります。思う通りの結果が得られなくてガッカリすることもあるのですが、もしチャンスがあれば自己研鑽のためにトライされることをお勧めします。

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