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忌まわしきピンクのベース ベイスターズ、憂鬱の母の日

 昨日は7点差をひっくり返す大逆転勝利を見せた横浜DeNAベイスターズだが、きょうは1年に1度の鬼門、どうしても克服したい、呪われた日曜日である。

 そう、「母の日」だ。

 母の日は5月の第2日曜日、これはアメリカで1914年に制定されたもので、ちょうど110年の歴史がある。
 本来おめでたい日であるべき母の日。NPBでは「すべてのお母さんへ『ありがとう』を伝えます」を合言葉に、1軍全6試合で以下の取り組みを実施する。

①ビジョンにて選手による「お母さん、ありがとう!」メッセージ映像の放映
②出場者はオリジナルピンクリストバンドを着用(着用は任意)
③選手・審判員等の出場者がピンク色のアイテム(バット・スパイク等)使用
④そのほか主催球団独自の企画を実施

NPBマザーズデー2024 | NPB.jp 日本野球機構

 ベイスターズでも、母の日記念の名入れタオルやエプロン等の受注販売を行ったほか、SNSでは選手がカーネーションを掲げて母の日をお祝いしている。
(1) 横浜DeNAベイスターズ on X: "💐Happy Mother's Day💐 日頃の感謝の気持ちを伝えてみてはいかがでしょうか💕 #筒香嘉智 選手 #baystars https://t.co/wHuICzeoKD" / X (twitter.com)

 本来、まことに結構なことであるが、残念ながら、ベイスターズにとって母の日の勝敗は実にかんばしくない。

ベイ、遠い勝利 2019年以降母の日勝利なし

 ベイスターズがDeNAの経営となった2012年以降、コロナ禍の2020年を除く11シーズン全てで1軍の試合があり、その通算成績は4勝7敗である。
 最後に勝ったのは2018年5月13日のDeNA対ヤクルト戦、10対3で雨天コールド勝ちしている。ただし先発・京山将弥投手は4回3分の1・自責点3で降板しており、すっきりした勝利ではない(勝利投手・三上朋也)。
 その後の試合結果は以下の通りである。当然のことながら、いずれも日曜日である。

  • 2019年5月12日 マツダスタジアム 広島戦 1対8 先発京山将弥3イニングで自責点5

  • 2021年5月9日 横浜スタジアム 阪神戦 2対3 先発ピープルズ4イニングで自責点3

  • 2022年5月8日 マツダスタジアム 広島戦 3対17 先発東克樹3イニングで自責点7、宮國椋丞は自責点6

  • 2023年5月14日 阪神甲子園球場 阪神戦 7対15 先発平良拳太郎3イニング3分の1で自責点6、森原康平は自責点5

  • 2024年5月12日(きょう)横浜スタジアム 阪神戦 先発予定大貫晋一 ???

 …どうですか? ベイファンのみなさん、ひどいものでしょう?
 この直近4試合で阪神・広島各2回という日程の偏りもさることながら、いずれも先発投手が5イニングもたずに降板しているのがすさまじい。
 直近2試合に至っては、いずれも2ケタ失点での敗戦である。

阪神は母の日3連勝中、うち2勝がベイスターズから

 一方、阪神タイガースは母の日3連勝中と縁起の良い組み合わせとなっており、上記の通り、うち2試合がベイスターズ戦である。2022年はバンテリンドームナゴヤでの中日戦で、4対2で勝利している。
 直近の阪神の母の日敗戦は2019年で、甲子園の中日戦、2対5の敗戦であり、敗戦投手は才木浩人だった。
 きょうの阪神の先発は、その才木投手であり、5年ぶりの母の日登板でのリベンジ勝利を狙っているにちがいない。

白昼の広島、ベースを染めるカープの猛攻

 私が実際に観た「母の日ゲーム」は2022年のマツダスタジアム。
 よりによって、1年で最も楽しいはずの広島遠征で「事件」は起こった。
 先発は東克樹。トミー・ジョン手術後のリハビリから復帰して間もないころで、翌2023年の最多勝投手としての彼ではなかった。

 東はなかなかアウトを取れず、打ち取った当たりも野手のいないところに飛ぶ不運。前日サヨナラホームランの西川龍馬に先制タイムリー&2ランを浴び、ノックアウト。その後を受けた宮國も打撃投手のように打たれた。

西川龍馬、オリックスに行ってくれて本当に助かった…


 計21被安打、5被本塁打、末包は満塁弾。
 個人的には、背後に座る観客が芋焼酎の水割りを盛大にこぼし、私の柴田レプリカユニが焼酎くさくなった惨事が印象深い。
 踏んだり蹴ったりであった。

 ひたすら味方投手が打たれる中、ビジターパフォーマンス席から無常の想いで塁上を見つめる。
 二塁ベースは、母の日仕様でピンク色になっている。

ピンクのベース、審判の帽子もピンク…


 「これは、赤いカープの選手を鼓舞する目的で、白いベースを赤く染めたものだろう、そうに違いない…!」
 なぜ、母の日だからといって、ベースをピンク色にするのだろうか?

 広島のピーカンの空と、ピンク色のベースと、焼酎くさい柴田のレプリカユニフォーム。
 今もはっきりと思い出せる、忌まわしき母の日の想い出だ。

今年も佐藤輝明の大爆発になすすべなし?

 昨日こそ大逆転勝利したけれども、横浜スタジアムでの阪神戦と言えば、「阪神のホーム・横浜スタジアム」と揶揄されるほど阪神が強いことで知られる。球場の半分以上が黄色い阪神ファンで埋まり、「猛虎襲来」や「わっしょい」のチャンステーマがスタジアムにこだまする。
 大山悠輔の6安打、佐藤輝明の場外弾。近本光司が一昨日に先頭打者本塁打、昨日は満塁本塁打を打ったのは記憶に新しい。ベイスターズ投手陣が立てなくなるまで打ち続ける、それがハマスタの阪神打線だ。
 甲子園でも、昨年の母の日は15得点の猛攻。佐藤輝明が満塁弾を含む2本塁打・7打点の大暴れだ。
 忌まわしきピンク色のベースを、虎の走者が次々と駆け抜けていった。
 きょうも佐藤輝明は、ピンク色のバットを片手に鬼となってベイスターズを蹂躙することだろう、恐ろしいことである。

【勝利の舞台裏】母の日にピンクバットで#佐藤輝明 選手が大暴れ!!「NPBマザーズデー」は選手たちが「ピンク」の道具を身に着け快勝!最高の1日の裏側を全国のお母さんに、#TORACO にお届けします! (youtube.com)

徳を積む…それしかない

 私にできることは何だろうか。
 たまには実家に帰って、母親(後期高齢者)の肩を揉むとしよう。
 温泉に連れて行くのも良いかもしれない。
 ひたすらに徳を積む。
 母の日の呪いが解けることを待つこととしよう。

 ベイスターズだけ、ピンクのベースを使わなければいいのにな。

それでもベイスターズに勝ってほしいですね


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