【割り切り】第32節 ザスパクサツ群馬戦【メモ】

まじ過密日程ムリ。試合見直したけど、妄想分も多い気がするのでメモ程度にご覧ください。とりあえずマジカルさん、まじマジカルということです。

スタメン

長崎は前節から5人入れ替え。システムを4バックに戻して庄司、江川、カイオ、大竹、澤田がスタメン入り。庄司は加入してから初出場、大竹は第19節磐田戦以来、約2ヶ月ぶりの出場になった。

群馬は前節山口戦から4人入れ替え。飯野、川上、岩上、青木がスタメン入りした。攻撃を牽引するのは大前、1人で盤上を変えるという意味ではリーグで最も影響力のある選手と言っても過言ではないかもしれない。群馬としては攻撃のリソース不足を大前で補うという大前提があるのだろうか、相当な範囲を自由に動くフリーマンとなり、ビルドアップからアシストからフィニッシュまで…まさに攻撃全般を担っている。

群馬のハイプレス

前半立ち上がりから長崎はかなり押し込まれる展開となった。群馬のハイプレスが機能したとも言えるし、長崎の腰が引けていたとも言えるし…群馬は攻撃→守備の切り替え(ネガティブトランジション)もかなり速かったため、しばらくは防戦一方となった。

群馬の守備はまずカイオへのパスコースを消すことから始まる。大前と青木は背中でカイオを消す守備(カバーシャドー)を少なくとも前半は継続していた。アンカーを封じられた長崎はセオリー通り横にパスを繋いでいくが、どうにも群馬のサイドハーフ(加藤・田中)に蓋をされてしまいボールを上手く前進できない。なぜ簡単に蓋をされたかといえば、サイドバック(毎熊)の立ち位置がかなり低かった事、そしてサイドハーフ(大竹)がボールを受けに下がりすぎたこと、庄司がボールを持ち出せなかったことが原因のように見えた。

大竹はどちらかと言うとボールを足元で受けて何かをするタイプの選手で、精度の高い長短のパスが最大の武器になる。その為、ある種の癖としてボールを受けに下がってくる傾向にある。立ち位置を下げることが一概に悪とは言えないが、群馬戦の前半に限っていえば大竹が下がることでマーカーである左SB小島を引き連れる形になり、サイドが窮屈になる形が続いた。

また本来の長崎であればビルドアップは左サイドから、と言うのがお決まりだが肝心の本職左サイドバックが不在という事態はこの日も継続。江川もそこまでリスクを取れる選手ではないので立ち位置は低くなり、本来は秋野がCB間に下がって3−1−4−2に可変したい所が、5−1−3−1のように重心が低い立ち位置になってしまった。重心が低いところにハイプレスをもろに喰らい、前半の大半を守勢に回る事になった。しかもセットプレーからきっちり先制点まで献上して…アウェイ山形戦のような、何をやっても上手くいかない感じだった。

前半の終わり〜後半にかけての修正

防戦一方だった長崎だが、前半の終わり頃からサイドバックが少し高い位置を取り始める。と言うか江川は割とサイドハーフに蓋をされない位置にちゃんと立っているものの、なかなか良いタイミングでパスを貰えない場面が続いていた。おそらくチームとしてもドリブルのない江川から局面を打開するのは難しいという意識(もしくは無意識)が共有されているのかもしれない。江川はプレースタイル的にボールを持てる選手ではないが、その分シンプルなプレーやパスの精度で少しでも攻撃に貢献しようとトライしている。全体の重心が押し下げられた中でボールを前進できずにいたが、前半43分のエジガルの同点弾は江川のパスから始まっている。正しい場所にいてもボールが出てこないだけにヤキモキする左サイドだが、亀川復帰までは安全第一でリスクを最小限にするのが正解なのかもしれない。

手倉森監督は後半頭から大竹と名倉の立ち位置を変える判断をする。名倉は大竹よりも高い位置に立つ事で群馬のサイドバックを釘付けにし、両サイドバックは前半よりも高い立ち位置を取り、相手を押し込んでボールを保持する本来の形を出しやすくなった。好調の名倉はフィジカル的にもかなり充実しているようで、ドリブルで2人を剥がしたかと思えば、フィフティのボールに超加速で追いつき184cmの川上を肩で吹き飛ばすという信じられない動きを披露、このプレーがエジガルの逆転弾を呼び込んだ。

大竹は中央でボールを触りながら長短のパスで散らす方が性に合っているようで、後半はかなり効いていた。エジガルに送ったパス、直前のボールの持ち方はさすが大竹というプレーだった。そういえば大竹を中央に移したら息を吹き返した試合ってこれが初めてじゃないはずで(何節だったか忘れたけど)、守備の問題はあれどトップ下起用の方が本人的にはやりやすいんじゃないかな?と思った次第。

エジガルのヘディングシュートはマーカーの視野から消える動きが完璧すぎて、そういえば水戸戦でもンドカの視野から消える動きして得点してたし、相変わらずボールが触れなくても焦れて下がってこないし…2得点だけではなく、それ以外の部分でも大貢献だった。

普賢岳フォーメーションでシャットダウン

逆転してからは、未だに履修できていない「リードしたアウェイでの振る舞い」の時間となった。手倉森監督はまずエジガルを下げて富樫、毎熊を下げて鹿山を投入。両選手は中2日で迎える岡山戦の出場を睨んでの交代という意味合いもありそうだったが、最前線で献身的にチェイスする富樫、本職CBらしく右サイドに確実に蓋をする鹿山と確実に仕事をこなした。最終盤はフレイレまで投入して5バックに変更、まさかの5人とも本職CBというなりふり構わない姿勢を見せた。手倉森監督が兼ねてから語る「柔軟性と割り切り」、まさに割り切る部分が良く見えた群馬戦だった。

その甲斐もあって、若干危ない場面はあったものの目論見通り逃げ切りに成功。アウェイで貴重な勝点3を獲得した。同日に福岡が松本に敗れたことを考えれば、大きな一勝となった。

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