「言い間違い」のドツボにはまる
休日の早朝、noteをチェック中にアルロンさんの記事を読んで思わず爆笑してしまった。
アルロンさんのお母様がとかく「文字入れ替え系言い間違い」が多いというお話。
「昆布と鰹」を「カンブとコツオ」といった言い間違いが家族内に広がっていく様子が楽しく描かれている。
私も過去に、友人がブロッコリーを「ブッコロリー」と言ったり、「胸がドキドキする」を「ドキがむねむねする」と言い間違えたりして「何でやねん」と笑い転げた事を思い出した。
姪が4歳から5歳になった時に、歳を聞かれて「ごっつ」と答えたこともあったなあ。
ずいぶん昔のことだけど、よほど面白かったのか鮮明に覚えている。
私だけなのだろうか、他人のこういった「言い間違い」が笑いのツボに簡単にはまる。
本人が真顔で、ウケを狙う気が無いところがまたおかしい。
こういった言い間違えの多い人は、何かしら頭の中に同じ特性があるのかしら。
文字入れ替え系ではないが、定期的に訪問診療のため訪れている80代男性のGさん。
近くのコンビニ、セブン-イレブンのことを「イレブン・ピーエム」と必ず言い間違える。
Gさんは元々芸能界関係の仕事をしていた影響なのか、セブンとam/pmが混じったのか。Gさんは間違えていることに気づかない。
私たち昭和世代は「イレブンピーエム」と聞くと、「11PM」が思い浮かぶ。
「11PM」は昭和40年代から放送されていた「深夜お色気番組」。子供は見ちゃいけない、親が子供に観せたくないやつだ。
小中学生だった頃におませな同級生が「親に隠れて観た」と11PMのオープニングテーマソングを得意げに歌っていた。
私は番組を見たことが無く、「11PM」と聞くとテーマソングを思い出す。
オトナの世界を覗き見してしまった、居心地の悪さと共に。
Gさんは食が細く、訪問診療の際には食事状況を必ず聞かないといけないが、毎回「イレブン・ピーエムで買ってるから大丈夫。」と真顔で話す。
それを聞いた私の頭の中に「サバダバサバダバー」と11PMのオープニングテーマが流れ出す。
「セブン-イレブンですね」と毎回修正するが、Gさんは「そう、イレブン・ピーエム。」とかぶせてくる。
したがって、Gさんを訪問診療している間私の頭の中では「サバダバサバダバー」がずっと流れている。
仕事モードの頭に流れる場違いな曲と居心地の悪さ。
診療中に11PMを思い浮かべている医者って、どうよ。
「誰かこの曲を止めてくれ」と思いながら、処方箋を書いている。
アルロンさん、楽しい話題をありがとうございました。