お酒を飲まないと居酒屋に行ってはダメなのか？

この話、色々な人が色々なことを言うので、無駄に争いたくなさすぎてTwitter(新X)で言及するのを避けていた話題なのですが、本当によく聞かれるので、私の知る範囲での話を書いてみます。

そう、SNS各所で起こっている「居酒屋でお酒を飲む飲まない問題」。
この戦争を終わらせに来た。
ドドン！

さて。
私の読者の方は、「ソロ活が好きな人」と「お酒を飲むのが好きな人」のどちらか、または両方の方が多いです。するとどうでしょう。ソロ◎＆お酒× に属する方が、私のSNSに載っているお酒のツマミ的なご飯の写真を見て、こう質問してきます。
「一人で行ってみたいけどお酒を飲めないから一人で居酒屋に行けない。お酒飲めなくても大丈夫でしょうか？」

先に申し上げておきますが、このnoteは「お酒を飲まない人は居酒屋に行っていいか、ダメか」を明確に述べるものではありません。

なぜならば、そんなものはお店の考え方によるから、です。

ですので、「お酒を飲まないならば、お店に迷惑である」といった趣旨のコメントはお控えください。あくまでも「主語」を「自分」にしたお話をお願いします。

もし、「うちの店ではお酒を飲んでほしいからソフトドリンクだけの注文は困る」という店主の方。あなたのお店ではそうなのですね。お酒を好きな者同士が好きなものを共有する空間、素敵だと思います。私も大好きです。

そして、「お酒を飲まないならば、お店に迷惑である」と指摘する一般の方。あなたがお店を開く際はぜひお酒を飲む方だけに向けたお店を開いてください。楽しみにしております。

このnoteは、「お酒を飲まないならば、お店に迷惑である」という話だけが一人歩きしている現状を憂いて、筆をとりました。お酒を飲めないけど居酒屋のご飯がおいしそうだから食べに行きたい、といった方に、安心していただきたいと思って個人的な考えを書いていきます。

まず、「お酒で利益を得る」の正体は、「お酒を飲む人のほうが何杯も飲むから利益率が高い」＋「メシもののほうが原価が高い」なので、ソフトドリンクでも何杯も飲めば同じことではあります。これは、複数の居酒屋さんに聞いて、みんな同じことを言ってました。
お酒を飲む方は何杯もおかわりすることが多い一方で、ソフトドリンクを何杯も飲みまくる人は少ないことから、こう言われるようになったのだと推察します。
なので、仮にお酒を飲んでも一杯だけで終えるならば、さほど意味がありません。

その理屈を理解しないまま、「飲まないとダメ」が暗黙のルールになると、お酒を飲めない人がすべての居酒屋を楽しめなくなるから、お互いにとってよくないと思っています。

ここで、一つ私の知り合いの居酒屋さんの例を出します。このお店(豪徳寺の「まねき屋」さん)は、飲めない方でも楽しめるソフトドリンクをたくさん作って工夫しておられます。
また、曰く、ご飯の値段設定を調整しているお店もあるとのこと。

つまり、「どこで利益を出すか」の考え方はお店によりけり。巷で言われるほど「居酒屋＝酒を飲まないとダメ」一辺倒の店ばかりではないのです。

だからお酒で利益を上げたい店ならいっそ「飲まない方はお断り」とお店側から明言するほうがわかりやすくていいのにな、と思います。そうすべき、とは言いませんが、あくまでも私はこう思う、というお話です。
実際に、私の知る中では門前仲町の「酒亭沿露目」がそれに当たります。この店は、メニューに「お酒を飲んでほしい」旨を記載しております。理由は「お酒に合うツマミを取り揃えている」ためなので、利益のためかどうかは不明ではありますが(利益のため、とストレートに書くと生々しいしね…)。これは私の推測ですが、「お酒を飲んでほしい派」の店は、利益のため半分、ツマミをお酒とあわせて楽しんでほしい料理人心も半分、という店がほとんどな気はします。
少なくとも、わかるように記載してくれているこのお店は素晴らしいです。

だって、言わないとわからないもの。いわゆる「察してちゃん」が煙たがられる世の中。同様に「暗黙のルール」も、ものによっては言わないとわからないことってある。自分の思う「常識」が全員当たり前にわかっていることだとは思いたくないです。

どうか、「暗黙のルール」にならないでほしい。
居酒屋の楽しみ方の選択肢が増えてほしい。

結局はマナーがーマナーがーと暗黙のルールで片付けるのではなく、コミュニケーションを取れってことではないでしょうか。

そんなの綺麗事ですって？
電話で予約する際にお店の人に「ソフトドリンクでもいいか」と聞いてみるのはいかがでしょう？

そんなのめんどくさいですか？
だったら、まずは誰かお酒を飲める人と一緒にお店に行ってみて、そのときに「お酒飲めないけど一人でまた来てもいいか」を聞いてみるのはいかがでしょう？

わからないことは聞く。「居酒屋」＝こういうもの、と括るのではなく、個々に向き合う人生を送りたいです、私は。