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ブロックチェーン関連の次世代Webキーワードを解説 | NFT、DAO、メタバース、Web3.0、スマートコントラクト

近年、NFT、DAO、メタバース、Web3.0などのキーワードを度々耳にします。これらはブロックチェーンの技術と関連性があります。本記事では、ブロックチェーン、およびブロックチェーン関連の次世代キーワードについて解説します。あまりご存知でない方や、イメージをよりクリアにしたい方は、ぜひ参考にしてください。

ブロックチェーンとは

ブロックチェーンの実態は、複数の取引情報です。取引情報とは、誰と誰が何を取引したかというデータです。実際のデータを見てみましょう。例えば、ビットコインの取引情報はブロックチェーン上に記録されています。以下の図はBlockchain.comから取得しています。取引情報の一覧が表示されています。

引用:https://www.blockchain.com/explorer?view=btc

青地部分のリンクを踏むことでより詳細な情報を閲覧できます。取引情報のひとつを閲覧すると、誰が誰に何ビットコイン送付したかを確認できます。「誰が」と「誰に」は、重複のない不規則な文字列で表現されています。

引用:https://www.blockchain.com/explorer?view=btc

ブロックチェーンは、複数の取引情報をブロックという単位でまとめています。Blockchain.comにブロックの一覧も表示されています。

引用:https://www.blockchain.com/explorer?view=btc

ブロックの一覧のいずれかの詳細を閲覧すると、いくつかの取引情報が表示されていることを確認できます。

引用:https://www.blockchain.com/explorer?view=btc

実際のビットコインのデータで確認できたように、ブロックチェーンは複数の取引情報をブロックという単位でまとめています。この状態を「ブロックを連結させたチェーン」というイメージとして表現した図がWeb上の記事でよく見かける画像です。

ブロックチェーンは、単体として活用されることがあまりありません。複数の組織や個人それぞれがブロックチェーンのデータを保持し、互いに取引情報を同期できます。インターネット上の距離が近い相手とデータを送受信することで、データの初回取得やその後の同期が行われます。

ブロックチェーンは構造上、データの改ざんに強いという特徴があります。またデータを受信する際にデータの改ざんがないことを検証する機能も持っています。ビットコインをはじめとする仮想通貨や、後述するスマートコントラクトやNFT、DAO、メタバースにも、ブロックチェーンの技術が活用されています。

ブロックチェーン関連の次世代WEBキーワード

ブロックチェーンは、次世代技術への幅広い活用が期待されています。近年技術発展のスピードが速く、数多くの新しい技術キーワードが生まれています。ここでは、ブロックチェーンに関わる次世代WEBキーワードについて解説します。

スマートコントラクト

スマートコントラクトは、複雑な契約処理を自動化する技術を指します。契約そのものや、自動化するサービス、自動化行為などを意味する場合もあります。契約は多岐にわたります。賃貸契約、WEBサービスのサブスク、会社間の機密保持契約、友達との約束、などが挙げられます。何かを購入・譲渡・預けるという活動も、お金・品物・証明書などを交換するという契約の一種です。

スマートコントラクトは、現代でも見かけられます。賃貸のWEB契約、WEBサービスの契約、ネット銀行への入金、ECサイトでの購入などです。近年スマートコントラクトというキーワードが話題になっているのは、ブロックチェーン技術を活用してスマートコントラクトを実現させようとしているためです。契約情報を、前述したブロックチェーンの解説における「取引情報」として取り扱うことが可能です。

従来のスマートコントラクトは、契約情報を特定の組織が管理しています。WEBサービス契約であれば、WEBサービス企業が契約情報を管理し、ネット銀行への入金であれば、ネット銀行が入金情報を管理します。

一方ブロックチェーンを活用したスマートコントラクトは、契約情報を関係者全員で管理します。「複数の組織や個人それぞれがブロックチェーンのデータを保持し、互いに取引情報を同期する」という仕組みによって、関係者全員での管理を実現します。この管理手法によって、特定の組織や個人に権力が集中することを防げます。

NFT

世の中にはブロックチェーンの仕組みを活用した多くの技術基盤が存在します。そのひとつがイーサリアムブロックチェーンです。イーサリアムブロックチェーンによってスマートコントラクトの実現も可能です。

イーサリアムブロックチェーンを活用して、デジタルアートや音楽、動画、ゲーム内アイテムなどのデジタル資産が実際に取引されています。近年有名な取引市場としてOpenSeaRaribleが挙げられます。

NFTの実態は唯一の固有データで、デジタル資産を表します。全く同じNFTは2つ以上存在することはありません。イーサリアムブロックチェーンを活用したスマートコントラクト上で、NFTの売買や譲渡が行われます。

資産の取引において、固有データであるNFTは、資産を誰が所有しているかを特定するのに役立ちます。すべてのNFTに対して所有者が存在し、誰が所有しているかは公開されています。

DAO

DAOは、特定の個人や組織が管理するのではなく、参加者全員で共同運営するグループやコミュニティーを意味します。DAOはブロックチェーン技術を活用して実現しています。前述の「ブロックチェーンのデータを複数の組織や個人それぞれが保持し、互いに取引情報を同期する」という仕組みによって、等しい立場で情報を共有し、共同運営が可能となります。

DAOとして活動しているコミュニティー事例を紹介します。Krause HouseはNBAチームの買収を目指しています。また、CityDaoは実在の土地を買収した市民グループです。

メタバース

メタバースは、3次元のバーチャル空間を意味します。メタバースはデジタル情報の集積であるため、ブロックチェーンを技術基盤とした仮想通貨やスマートコントラクト, NFTなどの活用シーンが豊富です。したがって、ブロックチェーン技術の発展によって、中央管理者不在のメタバースを構築できる未来が期待されています。

2022年7月現在でも多数のバーチャル空間が存在します。例えば数多く販売されている3Dゲームが挙げられます。しかしその多くは、3Dゲーム内で発生する様々なイベントややり取り(つまり契約情報)をゲーム会社が管理しています。

したがって、ブロックチェーン技術を活用したメタバースとは異なります。単なる3D仮想空間を意味するメタバースと、中央管理者不在のメタバースとを混同しないように注意しましょう。

Web3.0

Web3.0は、次世代の包括的なWeb概念を意味します。「3.0」というのはバージョン数であり、「1」→「2」→「3」と推移してきたことを表現しています。各バーションの定義は明言されていないため、人によって解釈は異なります。

一般的にはSNSが普及した時期が「1」から「2」への切り替わりのタイミングとされています。Web上のコミュニケーションの双方向化が進んだことが大きな要因でしょう。近年「2」から「3」へ切り替わろうとしているのは、情報管理が中央集約型から分散型へと変わることで、大きくWeb環境が変わると予測されているためです。

まとめ

ブロックチェーンは、NFT、DAOなどの次世代技術を支える重要な技術要素です。ブロックチェーンの解説と絡めて、次世代Webキーワードを解説しましたが、ブロックチェーンの仕組みを学習すれば、その仕組みの上に成り立つ次世代技術の理解が大幅に進むでしょう。

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