ブロックチェーンは秀逸な学習素材 | ブロックチェーン学習で得られる技術知識を解説
近年注目されているブロックチェーン技術を学びたいという方が増えてきています。本記事では、ブロックチェーン学習によって得られるメリットを解説します。これからブロックチェーンを学ぶ方も、既に取り組んでいる方も、学習のモチベーションアップにぜひ役立ててください。
ブロックチェーンとは
ブロックチェーンは複数の取引情報のデータベースです。いくつかの取引データがブロックという単位でまとまっており、ブロックを連結させたチェーンのようなイメージを連想させることから、ブロックチェーンと呼ばれます。このようなデータ構造によって、ブロックチェーンはデータの改ざんに強いという特性を持っています。
ブロックチェーンは、複数の組織や個人が同一のブロックチェーンのデータを保持できます。誰かが中央管理者として情報管理するのではなく、共同でデータを保持し、互いにデータを監視し合うデータベースを「分散型管理台帳」と呼びます。分散型管理台帳は、スマートコントラクトやNFT, 仮想通貨の分野で需要が高まっていくと予測されています。
ブロックチェーンを学ぶ3つのメリット
ブロックチェーン技術を学ぶといくつかのメリットを得られます。ここでは代表的な3つのメリットについて解説します。
市場価値向上
ブロックチェーン技術を学ぶと、市場価値が向上します。ブロックチェーンは近年注目されているスマートコントラクトやNFTプラットフォーム, 仮想通貨の運用で利用されるケースが増えています。今後は、DAO、メタバースといった次世代技術にも応用されていくでしょう。一方でブロックチェーン技術の習得は難しく、ブロックチェーン開発スキルを持つエンジニアは多くありません。需要と供給のバランスから、ブロックチェーンエンジニアの市場価値高く、今後もその傾向は継続することが想像できます。
次世代技術の理解促進
ブロックチェーンを学習すると、次世代技術の理解が深まります。Web記事や動画等でNFTやDAOといった新技術が解説されていますが、それらの情報だけで理解することは容易ではありません。これらの新技術は、ブロックチェーンの仕組みを利用することで実現できます。つまり、ブロックチェーンの学習を通じて仕組みを知ることは、新技術をより深く理解する手助けになります。
汎用的な技術知識の獲得
ブロックチェーンを学ぶことで、汎用的なシステム技術ノウハウを習得できることもメリットとして挙げられます。ブロックチェーンは、複数の技術要素から成り立っています。ブロックチェーン特有の技術要素として「Proof of Work」や「楕円曲線暗号」などの効きなれないキーワードを耳にしますが、一般的なITシステムによく用いられる汎用技術も利用されています。
ブロックチェーン学習で得られる汎用的な技術知識
ブロックチェーンは秀逸な学習素材です。ブロックチェーンそのものの技術のみならず、ブロックチェーン学習を通じて、汎用的なIT技術知識も学べます。ここでは具体的にどのような技術知識が得られるかを解説します。
デジタル署名
ブロックチェーン技術を学ぶことで、デジタル署名のノウハウを習得できます。ブロックチェーンに含まれる取引情報には、取引の当事者が「自分が行った取引である」ことの証明するデジタル署名情報が含まれます。デジタル署名はブロックチェーンのみならず、多くのITシステムのセキュリティー技術として活用されています。
hash
hashに関する技術知識も、ブロックチェーン学習によって得られます。hash値とは、特定のルールに基づいて元のデータを不規則な文字列に変換した値です。ブロックチェーン上のすべてのブロックは、直前のブロックのhash値を保持しています。あるブロックを改ざんした場合、次のブロックのhash値に不整合が発生します。この仕組みはブロックチェーンデータのセキュリティー対策のひとつです。hash値も多様なITシステムで汎用的に利用されている技術です。
データ通信
ブロックチェーン学習によってデータ通信の仕組みも学ぶことが可能です。ブロックチェーンは、単体で活用されるケースは少なく、一般的には複数のブロックチェーンが同期する分散型管理台帳として活用されます。複数のブロックチェーンが同期するために、互いにデータ通信を行っています。
サーバー知識
ブロックチェーン学習によってサーバー知識も得られます。複数のブロックチェーンが互いにデータ通信する状態を実現する前提として、ブロックチェーンを保持するサーバーを構築する必要があります。アプリケーション層だけにとどまらない幅の広さが、ブロックチェーン学習の魅力です。
ブロックチェーンを学習する際の注意点
ブロックチェーンの学習によって多くのメリットを享受できますが、学習する際に気を付けるべきポイントもあります。ここでは主な注意点を解説します。
読むだけでは不十分
読み物としてブロックチェーンを学習するだけでは不十分でしょう。Web記事や動画、読み物としての書籍などを複数読み込めば、大枠はつかめると思います。しかし、前述した技術知識はプログラミングコードを書いてこそ深い理解が得られます。シンプルな構造のブロックチェーンでよいので、実際にプログラムコードを記述してみることをおすすめします。
学習コンテンツの選定が重要
ブロックチェーンの学習素材の前提が重要です。学習コンテンツには、全体像を広く浅く説明しているもの、局所的に深く説明しているものなど、多岐にわたります。コンテンツ選定の際には、レビュー記事を参考にする、購入前に無料公開部分を確認する、などの事前調査を怠らないようにしましょう。
まとめ
ブロックチェーン技術を学ぶことによって、ブロックチェーンの知識はもちろんのこと、追加で市場価値向上、次世代技術の理解、汎用的なIT知識の取得といったメリットが得られます。本記事で解説した、得られる知識の具体的な内容や、学習における注意点を参考に、ブロックチェーン学習に挑戦してみてください。
「Pythonによるブロックチェーン開発教本」(私が制作したもの)は、ブロックチェーンをゼロから開発するための学習コンテンツです。ブロックチェーン初学者向けに執筆されているので、これから学びたいという方にぜひおすすめします。
■日本語版
■英語版
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?