素揚げを知る日

これは、素揚げの可能性を模索した一人の男の物語である・・・。



どうも、藻野菜(もやさい)と申します。男の子です。

僕は1人暮らしをしており、普段自炊をして生活しています。自炊をしないと餓死してしまうので。

料理は好きだけど、いつも自炊するのはかなりめんどくさい。そして、そんな料理の中でもかなりめんどくさいのが『揚げ』という調理法。

食材を切って、味付けして、衣をつけて、油を温めて食材を入れて。そんなめんどくさい作業を終えて残るのは油まみれで汚れが落ちにくい大量の洗い物たち。なんだこのめんどくささは。こんなことしてたら短い人生がすぐに終わっちまうよ。時間は有限なんだ。調理にそんなに時間は使えない。

でも、うめぇんだよな。揚げ物って。特に揚げたての揚げ物って最高なんだよな。買ってきたものとは全く違う美味しさがある。この美味さ、一度知ったら忘れられない。

この美味しさと調理の手軽さを両立させることはできないだろうか。
そんなことを考えた末、1つの結論にたどり着いた。

『素揚げ』である。

素揚げであれば、『味付けをする・衣をつける』という二つの工程をショートカットしながら、最短距離で揚げ物の美味しさを堪能できるのではないか……?



さて、この世には様々な食材がある。その中には素揚げに向く食材、向かない食材があるだろう。今回は様々な食材を素揚げにしていき、揚げ物に近く
美味しい食材を探していこうと思う。


・第一素揚げ『鶏モモ肉』

最初の食材は鶏モモ肉にする。絶対に美味しいからこいつにトップバッターを任せる。鶏モモ肉といえばあの揚げ物の王様『唐揚げ』に頻繁に使用される肉だ。素揚げでもきっと美味しいだろう。

今回使用する肉はこちら

1枚を2等分した。

細かく切るのは面倒なので2等分にして油にぶち込む。
切って、油に投入。このたった2つの工程で済むのが素揚げの魅力だ。

じゅわ~~

良い音と良い色だ。間違いなく美味い。これは期待できる。

鶏モモ肉の素揚げ

完成。鶏モモ肉の素揚げ。見た目はただ焼いただけのものと大差ない気がする。さて、お味の方は・・・

美味い!!予想通りの美味さだ。『鶏油の旨味』みたいなものが感じられて非常に美味い。美味いが、いかんせんなんの味付けもされていないので少々
味が淡泊過ぎる。塩コショウを振ると非常に美味しい。唐揚げとは違った美味しさではあるが、唐揚げと肩を並べられるほどの美味しさはある。

鶏モモ肉、素揚げする価値、有り


・第二素揚げ『鶏むね肉』

鶏むね肉(半分)

モモ肉がいけたならむね肉は……?
という安易な考えで次はむね肉にする。

6等分にして揚げる
アッッッッツツ

油が飛んできてめちゃくちゃ熱い。なんでこんな目に……。

鶏むね肉の素揚げ

見た目は茹でたものと大差ない。さて、お味の方は・・・


水分はどこへやら

パッサパサ。口の中砂漠。

これはダメだ。普通に茹でた方がマシな気がする。かすかな香ばしさを感じる気がするから、もう少し長い時間揚げた方がよかったのかもしれない。

でも、これ以上揚げるとさらに水分が失われることに……。
鶏むね肉はただの素揚げには向いていない感じがする。

また気づいてしまった。素揚げの真実に……。



・第三素揚げ『オクラ』

塩揉みガク取り

次は野菜に挑戦してみる。最近は夏なので、夏野菜のオクラを選んだ。
塩揉みで産毛取り、ガク取りをしっかり済ませアチアチの油に投入していく。

精霊馬

僕は物知りなのでオクラを熱すると破裂するということを知っています。
なので、爪楊枝で穴を開け、精霊馬みたいにして破裂を防ぎます。
天才の発想か?

網網バリア展開

穴をあけても破裂は怖いのでバリアを展開します。このバリアは油跳ねを防ぎ、揚がってからは油切りもできるという優れモノ。

YouTubeでリュウジが教えてくれた。リュウジ、ありがとう。


オクラの素揚げ

揚がりました。見た目は少しテカリがでただけでほとんど変わりません。
お味の方は・・・

少し揚げ物感があって美味しい!!
微か~に天ぷらを感じる。天ぷらの片鱗のようなものが確実にある。
口に入れてはいるが、味蕾の遠くどこか、人の目には映らない場所に天ぷら
が存在しているそんな味。あと、味が無いからオクラ本来の味過ぎる。
塩をかけて食べると非常に美味。

・第四素揚げ『ジャガイモ』

これはポテチ。紛れもないポテチ。

作る前から何となく分かってたけど、ジャガイモを薄くスライスして揚げたもの。人はそれをポテチと呼ぶ。

間違いなく美味い!! 塩をかけるとさらに!!!


・第五、六素揚げ『ニンニク』『ニンジン』

続いてはニンニクとニンジンだ。ニンニクは居酒屋などで揚げられているものをよく目にするので美味いだろう。

ニンジンの方はどうなるか分からない。個人的にはお野菜チップスみたいになってくれたら嬉しいけど、そう上手くいくかなぁ。いかないだろうなぁ。

頼む! お野菜チップスになってくれ!!

ニンニクの素揚げ

ニンニクが揚がった。見た目がしおしおになっておじいちゃんみたい。
柔らかそうだけど、お味の方は・・・

ホックホク!!!
個人的にはカリっとしたものを想像してたけど、全く逆の触感になった。
例えるなら、茹でたジャガイモのようなホクホク感。これはこれで美味い。

でも、くっせぇ。味が薄くてホクホクの触感が心地いいからパクパク食べてるとどんどん口が臭くなる。この匂いが美味しさの源なんだけど、ここまで
ダイレクトに匂いを感じると不快になってくる。

これは素揚げではなく、
Direct Garlic Attack(ダイレクトガーリックアタック)だ。

素揚げと呼ばず、DGAと呼ぶことにしよう。

ニンジンの素揚げ

お次はニンジン。何故かしおしおになってしまった。これは確実にお野菜チップスにはなってない。お味の方は・・・。

美味しくないね~。ニンジン固有の土臭さを残しながら、油っこくなっててただただ不快な味になってる。もしかしたら、もっと薄くすればチップスみたいになったのかもしれないけど、これは美味しくない。

でも、ジャガイモとほぼ同じような厚さで切ったのになんでここまで差がでるんだ? もしかしたら、ジャガイモとニンジンの水分量の差とかが関係してるのかもしれない。

とにかく、ニンジンは素揚げにしても美味しくない。塩でいただくことにする。

・第七、八素揚げ『大葉』『ナス』

続いては大葉とナスを素揚げしてみる。この画像の中にこの二つがあるだけで”夏”って感じがすごいする。

大葉の天ぷらってよくあるし、ナスは揚げびたしにする過程でいつも素揚げにしていて親しみがあるから両者とも期待をしている。


大葉の素揚げ

これが揚がった大葉。見てわかる通り完全な失敗である。

小さいフライパンで揚げてしまったためか、大葉が広がらずくしゃくしゃになってしまった。とりあえず唯一広げて揚げることができた手前の1枚を食べてみることにする。お味の方は・・・

美味い!! サクサクしていて触感がいいし、天ぷらのような香ばしさ、大葉の良い香りが口の中に広がる。大葉はそれ自体を薬味として楽しむものだから、塩を加えなくとも味に物足りなさがでていない。『何もつけずにただ揚げる』という素揚げ独自の美味しさが出ている。これは間違いない!!

ついでにくしゃくしゃになった方も食べてみる。

案の定マズイ。大葉の味がする油取り紙を食べてるみたいだ。


ナスの素揚げ

続いてナスに挑戦する。見た目はナスの紫色が映えて良い感じだ。
お味の方は・・・

う~ん微妙。何も味がついてないせいか、ナスに吸われている油を強く意識してしまう。しっかりとナスの味はするんだけど、結構な量の油を吸ってるっぽくて、嫌な油っこさが出てしまっている。めんつゆと生姜が欲しい。

『ナスの揚げびたし』という料理はこの油っこさを打ち消すという点でとても理にかなっている料理なのかもしれない。このナスの素揚げからは『調理途中感』が感じられる。

やはり味付けをせずにただ揚げるという調理法ではすぐに限界がきてしまうのか……。


今回は様々なものを素揚げにしてきた。美味しくなるもの、揚げる意味がほとんどないもの、逆に不味くなるもの。様々な素揚げができました。
その中でも個人的に一番美味しいと思った素揚げは……

『大葉』です!!!

大葉はいいですねぇ、大葉の香り、揚げ物のサクサク感を両立しながら油っこさを極限まで抑える。尚且つ、大葉自体の香りの強さがあるので単体でも楽しめる。まさに素揚げならではの良さがバリバリに出てます。

惜しかったのは『オクラ』ですね。オクラも美味しかったけど、素揚げじゃなくてもいいかなって感じだった。オクラは天ぷらの方が美味しい気がする。

素揚げはそれぞれの良さ、悪さを顕著に出してくれますね。
みんなも素揚げをする時はその食材が素揚げに向いているかどうか
よく考えてみよう!! じゃあね!!!



さて……

(ガサガサ…)


(ジュワジュワ~~)



(サクッサクッ) (ザクッガリッ) (モグモグ) (ゴクゴク…)

「ッぷはぁ~~~」

やっぱ衣あった方が美味い!!

唐揚げ最高!!!!!!!!!れ!!!!


『藻野菜/@Moroheiya0225』

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