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【雑記】中世ヨーロッパ料理の印象(1)

メインで使っている某SNSなどでは短文決戦(?)的なものもあり、こういった長い文章や考察を残すことはあまりしなかったんですが、いい機会なので雑記関係もつらつら書いていきます。今回のお題は「中世ヨーロッパ料理の一般的な印象」について、独自考察も兼ねていきたいと思います。


1.「中世ヨーロッパの料理=美味しくない&マズイ説」

まずは、ネットなどであがっている「一般的な中世ヨーロッパ料理の説明」などが某有名百科辞典のサイトにのっかっております。

↑そこそこ細かい説明が加えられているので、「基本的な知識は書かれているのである程度までの参考になる」と思います。料理の種類だけではなく、食事中のエチケットや食材の保存方法など、料理の分野でもけっこう多岐にわたります。
小説や漫画作品などの創作活動をされている方はこのあたりの情報はよくお読みになられているかと思いますが、個人的には「基本的な知識は書かれているのである程度までの参考になる」と思います(あえて2回書いた)。

で、本線となる『中世ヨーロッパ料理マズイ説』なんですが、日本においては「まずそれらの再現料理を食べる機会がほぼゼロ=書物や記録などで味を想像している」というのがひとつの要因として挙げられるのかな?と考えています。
大学や大学院などで一部研究考察という形で試作にトライされている場合もなきにしろあらずなんですが、自分が知りうる限りではほとんど聞きません。
一方で、本場ヨーロッパの方では自国の中世再現料理を作っていらっしゃる方は一定数おりまして、趣味で作られる方がいれば、研究考察でガチモードで試作される方もいらっしゃいます。食材や調理器材は当然ながら日本より充実しているので、やりやすいといったらそうですよね(羨ましい)。

他にもいろいろな要因はあるんですが(あえては書かない)、どんな料理か不明な点が多いので味自体が想像しにくいというのもあるんじゃないかと思います。

2.味の想像がつかない「当時のレシピ記録集」


16世紀頃のドイツ方面の料理指南集が元となるアレンジスイーツ「イチゴのタルト」。
赤ワインとイチゴ、砂糖を煮込んでから焼き上げる、シンプルな作り方です。
(試作&撮影&試食:著者)

「中世ヨーロッパの料理レシピ集」という明確なものは当時ないものでして、どちらかというと医学や薬草学、その他雑学の記録と一緒に記された「まとめ書物」の一部のコーナーとして料理の項目があったのが大半です。なので、悪い書き方をすると説明が超絶雑(すごく真顔)なもんでして、現代の料理レシピ集とはかけ離れた、ほぼメモ程度のものでした。現代の日本の料理レシピ集は神クラスだと思いますもん。
その他明確な料理の作り方なども曖昧なので、自分は「料理指南集」という表現で説明させて頂いております。

現在、主要考察+試作対象にしているのが14世紀末にイングランドで編成された「Forme of Cury」という料理専門の記録指南集。時のイングランド王・リチャード2世(1367-1400)に付いていた料理長が主体となって纏められたとされています。現存している数部の写本はイギリス・マンチェスターの図書館に保管されています。
別冊らしきものも含めるとレシピが200近くあったものですから、この数を見るだけでもいろんな料理があったことがなんとなく分かるかなと思います(重複してたり欠損してるものあるのでなんともかんともですが)。
実際の「Forme of Cury」レシピを画像でご紹介↓。

14世紀末に編纂されたといわれる料理特化指南書「Forme of Cury」の一部。
中世英語で明記。基本的に作り方と食材の名称のみ記載。
( Rylands Medieval Collection as English MS 7)

分量の説明とか食材の説明、完成予想図とかはほぼございませーん!(叫)
解析大変なんですよ…でもって日本仕様にするのもっと大変…(独り言)

有志の方が料理レビューとか挿絵とか書ける環境であればまだワンチャンどういうものかが分かるんですが、当然ながらそういうのもないので、現代の人にとっては未知なる料理・未知なる味なんですね。そこを実際の料理として興すのが、自分的には楽しいし刺激的になります(←変人)。

絶対長くなるのは目に見えているので、続きはまた次の機会に。
ご一読頂き、有難うございました<m(_ _)m>。

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※主活動は下記のSNSとなります(ここ数日めっちゃ動作が不安定ですが)。こちらの方でも適時中世ネタをご紹介しますので、システムが安定していたらフォロー頂けますと幸甚です。早く落ち着いて~(切実)




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