【お部屋で体感する中世ヨーロッパ】中世クリスマスの装飾作り(1)
主業務柄、「体験」を謳っていることもあり、以前から中世ヨーロッパの祝祭に関するしきたりや儀式などをできる範囲で実践検証をしております。現在日本でお祝い(というかほぼイベント)しているいくつかの輸入行事も元をたどればふるーい祝祭が起点だったりするので、我が家でもいくつかの催事は中世ヨーロッパ・またはその前後の時代に沿ったお祝いの仕方をしております。
今回は1年でも最大の祝祭といわれた「クリスマス」の装飾について、回数を分けてご紹介していきます。あくまでも自分とこでのやり方なので厳密な方法ではありません。あしからず。
1.階級を問わず祝われた大事な祝祭
当時の宗教関連も影響していますが、中世ヨーロッパのクリスマスは11月中旬(または下旬)~1月初旬まで、約2カ月に渡って多くの儀式や祝祭日を過ごします。クリスマスといったら12/24とか12/25あたりだし、11月からって早くね?と違和感を持つ方も多いと思うんですが、昔からクリスマスはながーい祝祭期間であったので、その名残が現在のヨーロッパにも色濃く残っております。
貴族であろうが庶民であろうが関係なく、クリスマスのお祝いは当時の人々にとって心の支えでもあったので、とにかく準備が半端なく気合いが入っていたのも、昔から変わっていないと思います。
2.11月に入ったら準備する装飾ツール「ポマンダー」
果物のオレンジにクローブ(丁子)を挿してシナモンパウダーまみれにして乾燥させる「フルーツポマンダー」というのがございます。元々は香りが強い魔除けの一種でよく作られていたそうですが、半ば生ものでもあったので現在はそこまで積極的に作られることはないようです。
中世ヨーロッパにもその名残たるものがあったそうですが、当時はスパイスまみれなんぞ破産の道しかないので、近世になってからこういったポマンダーを作ることができたんじゃないかと思います。
以前は柚子をたくさん頂く機会があったので柚子で作っていたんですが、西洋の香りという点ではちょい難点があるので、今年はオレンジで作ることにしました。とにかく乾燥させるのに時間がかかるので、11月下旬頃には作り始める感じです。投稿時点ではまだ材料ゲットしていないので、作業の様子は次回更新で(スンマセン<m(__)m>)
3.漬け込み作業必須の「ミンスパイ」
ミンスパイ(Mince pie)は現代のクリスマス料理には必要不可欠なパイのひとつで、ドライフルーツやレモン/オレンジの皮、りんごなどを洋酒にどっぷり漬け込んで焼き上げる、フルーツパイのようなものです。
昔はパイの中身(フィリング)を仕込み作業がとにかく時間がかかるもんでして、最低でも1カ月ほど漬け込んだものを使っていたこともざらだったようです。現在はけっこうシンプルかつそこまで漬け込まなくてもいいレシピに改良されているので、必須ということではないです。
昔のミンスパイは、豚肉のミンチしたもの(ひき肉)をしっかり炒めたものも一緒に混ぜて漬け込んでいたので、肉&フルーツパイのようなものでした。中世ヨーロッパではその名残が残っているため、自宅で毎年仕込むミンスパイのフィリングは昔のレシピで作成・10月中旬から仕込むようにしています。
漬け込むお酒は一般的にブランデーやラム酒が主体なんですが、自分の漬け込みフィリングは極甘のミード(ハチミツ酒)をたっぷり使用します。ミードの単価がいかんせん高いので、フィリングだけでけっこうなお値段がするんですが、当時の作り方などに妥協なしということで(あと純粋に美味)。パイとして焼き上げるのは生誕祭前日と決まっておりますので、焼き上がりましたらまたご紹介しますね。
4.アドベントキャンドルホルダー
クリスマス本祭となる生誕祭(12/24)のカウントダウン的な期間で、アドベント(待降節)と呼ばれています。2023年は12/3(日)から始まりまして、この期間中は毎日曜日に予め設置したキャンドルを1本ずつ灯すというのが昔からの伝統儀式となっています。
アドベントキャンドル自体は中世ヨーロッパにたぶんなかったと思うんですが、別の装飾的なものはいくつかあったといわれています(そのあたりはまた次回以降に解説)。
上のお写真のような、モミの木でぐるっと飾ったリース状のものだといかにも映えるんですが、そんな技量はまるで皆無なのと、モミの枝葉は乾燥するとけっこう痛い(ささる)ので、今年は別のもので作ろうかなー、と考えています。アドベント初日までにはなんとかします(*'▽')。
とりあえず、今回の準備的な装飾や料理関係はこんなところで。
また次回更新の時に状況などをアップしようかと思いますー。
ここまでご一読頂き、ありがとうございました(^-^)。
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