見出し画像

ぽぽら春日部モヤモヤカフェ(2021年12月)

12月18日(土)に、東武アーバンパークライン「南桜井駅」近くの「シェアハウス結」でモヤモヤカフェを開催しました!

 一気に冷え込みが強くなった12月中旬。朝、道すがら見つけた水たまりが見事に凍っていました。誰も見ていなかったので童心にかえってパリッと….(笑)
今年最後のモヤモヤカフェは久しぶりの出張開催です。本当は8月に開催を予定していたのですが、緊急事態宣言の発出で延期となり、季節を跨いでようやく開催することができました。開催場所の「シャアハウス結(ゆい)」と「モヤモヤカフェ」で『ゆいモヤカフェ』。住宅街の一角で大いに盛り上がったモヤ友によるゲストトークを(一部ではありますが)今回も皆さん、ぜひお楽しみください!

**********************************

『“もったいない”空き家を人も集まる地域の仕事場に』

1.空き家で地域街おこし!モヤモヤ
  
【モヤ友】山本貴恵さん(トータルリフォーム株式会社ハウスドック 代表取締役)

 春日部の東口でリフォームの会社を経営しています。来年、空き家をリフォームしたシェアオフィスを立ち上げようと計画していまして、今その準備をしているところです。昭和40年前後の空き家を改装してオフィス空間へと変えていく計画で、個室をブースで仕切り、一室3~4名の方に利用していいただこうと考えています。
 キッチンは飲食可の共用スペースとして、会議用のスペースを作りたいと思っています。入口にはシューズラック、それからロッカールームも作ります。元々あるお風呂場はオフィスには必要ないためトイレに改装し、男女別のトイレを用意する予定です。キッチンは安全に使っていただくためにIH対応の設備にし、エアコンは全室空気清浄機付きでウイルス対策がとれたものを導入しようと思っています。住宅街ということもあるので防犯ビデオもきちんと対策しようと考えています。また、鍵はクラウド型のキー管理システムを導入してスマホで解錠できるような状況をイメージしています。その他にもオフィスなので、Wi-Fiなどのインターネット環境や複合機(コピー機)、事務机などは備え付けでご用意しようと思っています。トイレもリビングもキッチンも全部屋を安全・安心に使っていただきたいので、光触媒によって菌やウイルスを不活性化してくれる「パーフェクトクリーンコート」というコーティングも施す予定です。これは塗装するように壁や天井に噴霧するもので、今はJALさんや一部のJR社内にも使用されている他、学校や保育園、公共施設にも使用されています。
 空き家オフィスのメリットは少人数制のために落ち着いて利用できることや自宅でのリモートよりは集中して業務に取り組めることが挙げられます。自宅にいるとどうしても生活音や家族の会話が気になったりするので、自宅とは別の空き家オフィスで集中して仕事をしていただけたらよいと思っています。また、都内まで満員電車で通勤している方などは、近くの空き家オフィスを利用することで通勤時間も短縮できます。来客や打ち合わせ場所としても使用可能なスペースがあるので、そういったものも活用してもらいたい。自分のペースで24時間(好きなときに)仕事ができるということも大きな魅力ではないでしょうか。
 一方で、良いことばかりでもなく、人数に限りがあるというデメリットもあります。(コロナ禍の今だと)人数が多くなってしまうと密になってしまいますので。また、駅からちょっと離れているので交通手段がバスや車となり、駐車スペースも限られているので(足りない場合は)近くで有料の駐車場を借りることになってしまう。ここは今後考えなければいけない課題かなと思っています。
 なぜ空き家オフィス(を事業)にしたのかというと、私にはリフォーム専門店で営業をしていた時代がありまして、そのときに空き家の多さにすごくビックリしたんですね。しかも手を入れずに放置しているケースが多くて、木部なんかは顕著に傷みますし、老朽化が進むばかりだったんです。ほとんどの人にとって(家は)人生で一番高価な買い物をしているはずなのになんで大事にしないのだろう?とちょっと疑問を感じました。車は大事にメンテナンスするけど、お家はなぜかメンテナンスしないので、「もったいないな」というのが正直ありました。今は親世代の持ち家を欲しがらずに、子世代が新しく別所帯を持ってしまうので(親の持ち家が)空き家として放置されるケースが増えています。放置してしまうと家は朽ちていきますので、売却しようとしてもリフォーム費用の分を減算されてしまいますから、その意味でも(放置せずに)手を入れると違うのかなと感じています。空き家はちゃんとメンテナンスすれば80年に渡って良い状態で使用できます。壊せば大量の建築廃材が出てしまいますし、「住まい」としての必要性が時代に求められていないのであれば「オフィス」として使ったらどうか?と考え、行動に移しました。コロナ禍で在宅ワークやリモートが増え、「空き家オフィス」というものが(時代が)求める仕事環境になり得るんじゃないかと考えました。

第一号店となる予定の空き家(リフォーム前の様子)

 写真の家が第一号店となるオフィスを準備している空き家で、リフォームで変えていこうとしています。空き家オフィスを個人事業主や中小企業が使用することで地域にも人が集まってきますし、地域の活性化や街おこしにもつながるんじゃないかと考えています。今後は(空き家を)自社で所有するのではなく、空き家の持ち主には収入を得てもらい、利用者には快適に過ごしてもらい、地域にも人が集まる(ので市もうれしい)、そんな関係性をつくりたいと考えています。また、空き家を長く有効活用することで、大量の建築廃材を出さずに地球環境にも優しい取り組みとしてSDGsにもつながるんじゃないかと思っています。2022年6月に1号店がオープンする予定となっていますので、この空き家がどう変わるのか、皆さんも楽しみにしてもらえればと思います。



『クレイ(粘土)を使って日々の生活を見つめ直す』

2.自然療法モヤモヤ
  
【モヤ友】前島まりさん(クレイやさん)

 クレイセラピーで使う「クレイ」は、地中にある粘土を掘り出し、それを乾燥させてパウダー状にしたものです。よく女性がクレイパックとかをしますけど、美容だけじゃなくて、皮膚トラブルやちょっとした怪我のときのためのクレイを使った「お手当て」の仕方を教える教室をやっています。
 コロナでオンライン講座を始めたこともあって、今はオンライン(の教室)が主流になっています。(生徒さんは)いろいろと各地から受講いただいているのですが、やはり皆さんお考えなのは「なるべく薬に頼りたくない」ということでして、それは若いママさんから私より年上の方まで年代を問わず共通しています。
 一方で、私は娘が小学生なのですが、周りのママさんたちを見ていると、今は医療費がタダだったりすることもあり、何かあったらすぐにお医者さんに行く人が多いと感じます。お医者さんに行って薬をもらってとりあえず塗っておけば安心!みたいな感じで。下の写真は娘が打撲をしたときに(クレイを)塗ってあげたものですけど、ちょっと傷みが和らぐようなケアができると思っています。(お医者さんにも行きますけど)私は日常はクレイを使ったお手当てで少し様子をみるという生活をしていますので、なんでもすぐにお医者さんに行くような周りの状況にちょっと違和感を感じています。

クレイのお手当て

 クレイは粘土で吸着力があるのが特徴です。お肌の老廃物や余剰物吸着し、浸透圧により血行や体液の循環をサポートをします。だから薬ではないんですよ。実際に使っていくと分かる良さみたいなものがあって、こういうことを言うとあやしいと思われるかもしれませんが、そんなことはないと思っています。ただ、やはり限界はあって、クレイは美容目的で使われたりもしていますし、代替療法や自然療法としては使えるんですけど、(治療としては)弱いかなと思うこともあります。だから余計にそう感じてしまうのですが、薬が良いとか良くないとか言っている人たちをみていると、「もうちょっと歩み寄ればいいよね」とモヤモヤしてしまいます。私のところに来てくださる生徒さんは、私がこういう感じでブログやSNSで発信しているのでそんなに偏ったかはいらっしゃらないのですが、SNSなどをみると極端な方が多いなと感じます。
 いちばん大切なことにみんな気づいていないと思っていて、薬にしろ代替療法にしろ、それに頼るのではなく日々の生活が一番大切なんです。例えば、肩がこるなら「その原因はなんだろう?」と考え改善していったり、イライラしてしまうなと感じたら「なんでイライラするんだろう?」と自分に問いかけ「日々が忙しいのが原因だからもう少しゆとりを持てるようにしていこう」とか。(不調の原因である)日々の生活をちゃんとすることが一番大切なのになんかそれが(意識から)欠けちゃっているんです。根本的なところが欠けていて、上辺の目的のところだけを見てしまっているなと思います。
 コロナで医療が逼迫したりすることもありますし、私たちは自分で自身の体の免疫力を上げていくことが大切です。免疫力を上げるにはどうしたらいいかと考えたときに、正しい食生活だったり、適度な運動だったり、ストレスを溜めないことだったり、当たり前なことが健康につながりますよね?その根本の部分を講座とかブログでも伝えていて、今後はクレイと一緒に「生活を見つめなおす」ようなことも伝えていけたらなと思い日々活動しています



『コミュニティのある住まいで社会の問題を解決したい』

特別ゲスト
  
【モヤ友】舟橋裕二さん(シェアハウス「結」オーナー)

 「シェアハウス」ってどんな建物ですか?とよく聞かれるんですけど、一言でいうと「コミュニティのある住まい」です。普通のアパートは完全にプライバシーが保たれた状態で入居者が生活していると思いますが、シェアハウスだと朝は「おはよう!」(という挨拶)から始まります。みんなで朝食を作って食べてもいいし、自分だけの時間を部屋でゆっくり過ごしてもいい。施設のように誰かに管理されることもなく自由に過ごすことができるし、誰かが近くにいてくれます。それだけでどんなに心強いことでしょう。「遠くの親戚よりも近くの他人」という共助のある暮らし、それがシェアハウス結なんです。一日中誰とも話さないような人だったり、生活にメリハリを感じない人だったり、一人でのご飯が美味しくないと感じている人におすすめしたいです。
 シェアハウスの間取りですが、真ん中のリビングとダイニングキッチンを合わせると26畳もの大きな共有スペースになっています。水回りもお風呂場がユニットバスになっていてすごくキレイです。2階は全室南側を向いていてバルコニーが広く、洋室・和室・洋室となっている他、ウォークインクローゼットがついています。
 (自己紹介ですが)私は今サラリーマンとして建設業に従事しています。2019年に災害クラスの台風がきたことを皆さん覚えていますか?あの時江戸川区とか海抜0m地点の人は逃げろとか言われていたのですが、僕は建設業なので堤防の点検をしていました。堤防を隔てて住宅よりも水位が高くなった川の水が住宅側に漏れ出ていないかを一晩中パトロールしていたんです。近所で工事の騒音がうるさいなと思ったときには「(建設業の)ふなっしー(舟橋)はあの台風の中がんばって仕事していたな」と思い出してもらえると嬉しいです(苦笑)

2019年の台風19号直後の様子

 シェアハウスを始めたきっかけですが、孤独死等が原因で空き家が増えてきていることと、その一方で高齢者の方々が置かれている(「借りれない」という)賃貸の現状があって、その両方を解決できないかと考えたことから始まりました。空き家の再生事例をご紹介すると、下の写真は私が買ったお家です。家がどこにあるか分かりますかね?木を切ると家が現れます(笑)家の中もゴミだらけで片付けがなかなか終わらなくて心が折れそうになりましたけど、リフォームしてきれいになり入居者さんにも気に入ってもらえました。

 また、私が3軒目の戸建てを再生したときは(住人が)孤独死をされたお家でした。孤独死はどうやって発見されるかというと、お一人で住まわれているので誰も死んでいることに気づかず、異臭でご近所の方が通報して発見されるという状況です。消防車やパトカーが赤いランプを点灯しながらわんわんやってくる。そうなるとこの物件に対するご近所の評価は「絶対誰も買うわけない」となるわけです。そこを私が買いにいって、直して、新しい入居者の方に貸しました。貸すときに隣のお家の人に挨拶に行ったら「ありがとう」と言ってもらったんです。私は建設業という業種柄「振動がうるせぇ」と苦情で工事を止められちゃったりするのですが、そういうなかでの「ありがとう」が25年働いて初めての「ありがとう」というぐらい自分の中で(心に)染みちゃったんです。それで役に立つことをやろうという目線になりました
 社会貢献になることをいろいろ考えた結果、高齢者の住まいには多くのリスクがあるなと2、3年ぐらい前から少しずつ勉強会に参加するようになりました。さいたま市にある「華齢なるケアマネたち」という面白いネーミングの会があったのですぐに電話して入れさせてもらいワークショップ等をやっていました。
 団塊の世代が75歳以上になることによって起こる様々な影響を「2025年問題」と言いますが、認知症の高齢者数が320万人と今後急速に増加したり、介護医療分野の担い手が不足していること等が叫ばれています。高齢者の賃貸の現状に目を向けると、孤独死や家賃の不払いのリスクがあるため、60%以上の大家さんが「高齢者お断り」と入居を拒否しています。春日部市の状況も少し調べてみました。「春日部市空家等対策計画2018年」によると空き家の数が1.1万戸あるそうです。これは水道メーターが止まっている数を調査したそうでして、戸建てだけじゃなくアパートの一世帯の部屋(の数)も含んでいるということです。また、65歳以上で賃貸に住んでいる方が9千人いて、これは逆に言うと9千人の方が「高齢者お断り」の賃貸問題を潜在的に抱えながら暮らしているということになります。
 地域には何年も放置された空き家があるので、それをリフォームしてシェアハウスのようなかたちにして課題を解決する。その際に高齢の方であれば権利擁護等の他の団体とつながりながら、問題をどんどん可視化して対策を練っていく。トライアンドエラーでしかないので、そんなことを考えながら社会問題の解決になればよいと進めています。


**********************************

モヤモヤカフェは、暮らしのなかで感じるちょっとした疑問や悩み、ワクワクするアイデアを、コーヒーなどの飲み物を片手におしゃべりをする場所です。これからも春日部で活動する個人個人の思いを紡いでいきたいと思います。

 次回のモヤモヤカフェは年明け2022年1月29日(土)の午前中に開催します。なんと大好評(?)につき次回もまたまた出張モヤモヤカフェです。前回ゲストに来てもらった矢崎さんが運営するシェアリビングtonarinoにお邪魔したいと思います!ゲストは後日ご案内しますので、ぜひ楽しみにしていてください。ここまで読んでくださり、ありがとうございました!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?