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子どもたちの目を守る

1月26日(日)東京で開催の子どもとメディア全国フォーラム
「スマホ社会と子どもの未来~技術革新は人類を幸せにするのか?~」
に参加しました。
たくさんのプログラムの中で私が関心のある「目」のことを書きます。

 私は昨年、生まれて初めて手術をしました。それが目だったのです。仕事ではずっとパソコン、スマホ時間も長い。これまで健康で視力も良いのでブルーライトカットも意識せず、距離も近いまま無頓着でいました。直接の原因かどうかはわかりませんが、後悔しています。過去の私に戻って気を付けてって言いたい。手術したから治って良かったという問題でもなく、手術にはリスクがありましたし、白内障になりやすい目になってしまいました。
(手術のことは下記)
https://note.com/moyamajuro/n/n983efd12f908

私がパソコンを使いだしたのは20歳を過ぎてから。スマホは遅くて6年前からとはいえ、普通の人よりも画面を見つめる時間は長い。大人は自分で考えればよい。でも乳幼児は?! 守るのは大人しかいません。昨今、街中で乳幼児がスマホの画面に集中しているのを見かけると、余計なお世話と言われそうですが、気になってしまいます。

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フォーラムでは、富田香先生(平和眼科院長・杏林大講師・小児眼科学)が
子どもたちの目を守る~スマホではなく外遊びを~
というテーマでお話下さいました。

<内容>
1)体を動かすこととの関係

生まれたての赤ちゃんは明るい暗いがわかる程度。生後1か月くらいから、じっと見る(固視)、追う(追視)、生後3か月までダイナミックに発達。2歳で視力0.5前後に発達し、5歳で8割の子どもが視力1.0に達する。
小学校に上がる前までの乳幼児期が子どもの目の発達にとって大切な時期。ピントを合わせの追従性眼球運動、衝動性眼球運動は、走る、跳ぶ、投げるといった体を動かす運動で発達する。そして、十分発達すると、読んだり、黒板の字を書き写したりできるようになる。
昨今、音読できない、行を飛んで読んでしまうという子が増えた。スマホの影響がはっきりとわかっている訳ではないが、乳幼児期に体を動かす時間が減ったしまったためではないかという可能性を否定できない。
2019年4月WHO(世界保健機構)は、体を動かして遊ぶ時間を増やすよう勧告を出した。
スマホ、タブレット利用時間 2歳未満→0時間
2歳~4歳→1時間未満
にするようにと述べている。

2)近視への影響

近視は遺伝的な影響が大きいが、環境面も大きい。都市部ではやく進行する傾向もある。見る対象との距離が、30cm未満だと近視が進行することがあげられる。スマホとの距離は大人も子どもも20~25cm。
姿勢が決まる年齢が3歳ごろということを踏まえると、乳幼児のスマホは近視、姿勢への影響が懸念される。
台湾では1日2時間以上外遊びをさせることによって、視力の低い人の割合が減ったデータがある。(2011年から2018年までの調査)

3)斜視への影響

スマホは、目からの距離が近いために、輻輳(両目が同時に内側を向く目の動き)が必要。このため内斜視の例の報告が急増している。また、寄せることを避けるためスマホ画面を片目で見ることで、外斜視が悪化した例の報告もある。

4)ブルーライトの影響

昼間、日光に含まれるブルーライトを浴び、夜ブルーライトが消えると睡眠をつかさどるホルモンの分泌が盛んになり眠くなる。スマホから出るブルーライトは目からの距離が近い。夜寝る前にブルーライトを見ると眠れなくなり、生活のリズムが崩れる可能性がある。

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一昨年、私は子どもとメディア養成講座に参加し、インストラクターの資格を取りました。子どもに対する電子メディア(スマホ、タブレットなど)の影響を社会に知らせ、適切な関わり方を子どもや大人と一緒に考えていく人です。
3つの基本理念と4つの視点を大事にします。
<基本理念>
1.子どもの最善の利益
2.子どもとメディアの良い関係
3.子どものメディアへの主体性のある関わり

<4つの視点>
1.子どもの成長・発達の視線
2.子どもの権利の視点
3.科学的根拠の視点
4.現実と向き合う視点


私は、デジタルなものを敵視していません。むしろ、好きだし、使いこなせばよい。ただ、子どもには、この4つの視点は忘れてはいけないと思っています。特に「1.子どもの成長と発達の視点」は大事にしたいです。

このフォーラムは、NPO法人「子どもとメディア」主催、日本医師会、日本小児科医会が共催で、会場は駒込の日本医師会館大講堂でした。定員500名のところ、キャンセル待ち多数、そしてとうとうキャンセル待ちを受け付けないほどの人気になりました。全国各地からたくさんの人が集まり、関心の高さが伺えました。昨年成育基本法が制定されたので、これにより、4つの視点がより大切にされたらいいなと思います。

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