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フィンランドとフィジー 2つの幸福の国

今年、私は1月にフィンランド、2月にフィジーを旅しました。
マイナス30度からプラス30度、「フィ」のつく国だけれど全然違う。
違うけれど、どちらも幸福度が高い国です。
この二つの国の幸せって何?
共通する事は?
そもそも幸せって?
それぞれの国の旅のnoteを書いてみたら、そこ考えてみたくなりました。

幸福度指標

前提として指標はひとつではないため、両国を数字で比較はできません。
1.世界幸福度報告(World Happiness Report) ←いちばん有名
  0~10の主観幸福度アンケートを元にランク付け
  国連発表、対象国140か国以上
2.幸福度調査
  5段階の主観幸福度アンケートを元にランク付け
  ギャラップインターナショナルとスイスWIN発表、対象国50か国以上
3.地球幸福度指数(HIP)
  平均寿命、国内の格差、自然環境への依存度を計算
  英NEF発表、対象国140か国以上

フィンランドの幸福感

ヘルシンキ、左と中:バルト海の朝焼け 右:夕焼けの街

3月20日の「国際幸福デー」に発表されたWorld Happiness Reportで世界幸福度報告(上記指標1)で今年もフィンランドが第1位、7年連続です。
様々な分析があると思いますが、実際に保育園や学校などに行って、私が感じたフィンランドの幸福感のポイントは下記です。

  • みんなちがって、それでいい

  • Well-beingを大切にしている

  • 居心地の良い環境

教育の真ん中に子どもがいて、小さいときから自己決定ができるように育っている。みんなちがってみんないい、というより、「みんなちがってそれでいい」という感覚です。多様であることは当たり前。フィンランドでは、親や先生が、子どもが将来の道を自分で決めることはサポートしてくれるけれど、高校に行くべき、とか、この職業にしなさい、などと子どもの進路に干渉しない。子どもの価値感を尊重してサポートしてくれる。

また、学校の職員室がまるでカフェのようでした。コーヒータイムを大事にしています。残業もない。保育園を視察したとき、コーディネータさんが園長先生に「保育園として大切にしていることは何ですか?」と質問したところ、「職員のWell-beingです。」と答えたのが印象的でした。

そして、街中の建物、中の壁、家具、調度品がデザイン性に溢れて、「いちいち」おしゃれで機能的。ヘルシンキの図書館Oodiや石の教会、その中に居るだけで落ち着きます。凛とした自然の中にいるようでした。居心地の良さが大切にされている感じがしました。

左:図書館Oodi 中:Oodiの中 右:石の教会の中

フィンランドから帰ってきたとき、もしも自分がフィンランドで生まれていたら、子どもたちをフィンランドで育てていたら、どうなっていたのかなと妄想が止まりませんでした。日本に生まれて不幸とは思っていませんが、それくらいのインパクトがありました。

フィンランド教育視察ツアーの記事はこちら

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フィジーの幸福感

フィジーのリゾートホテルにて

気温マイナスの国フィンランドから帰って20日ほど経った翌月2月、約1週間フィジーへ行きました。短期留学経験です。観光や現地の人との触れ合いもありました。

南太平洋の美しい島々からなるフィジー、青い海、気温は30度、気温も人も温かい。ここ数年、フィジーに行くのは夢だった。
フィジーは米国ギャラップ・インターナショナルとWIN (Worldwide Independent Network of Market Research)が共同で行っている幸福度調査(上記指標2)で、世界1位になってます。幸福感は下記からくると感じました。

  • ケレケレ文化

  • 超フレンドリー

  • できなくても大丈夫

1番驚いたことは、老後の心配をしている人がいない。65歳以上は3%しかいないそうです。たとえ介護が必要になっても施設もあるし、ケレケレ(共助の文化)でサポートしてくれる人がいる。ケレケレとは、持ってる人が困っている人に与えればよいし、困ったら人からもらえばよい、といった考え方です。実際、洋服屋さんで見知らぬお客さんに「これ、私に買ってくれないかしら?」とニコニコと頼まれました。さらに驚いたのは、レストランでテーブル会計しようとしたら、私のお金がちょっと足りない。一緒の日本メンバにフィジードルを借りようとしていたら、ウエイトレスさんがポケットから足りないお金を出してくれた!私に小銭を寄付?!そんなことある?!もう笑撃だった。

放課後 左:海岸歩く 中:公園で草ラグビー 右:バレーボールにジョイン

放課後、みんなで大きな広場に行きました。ラグビーする人、子どもたちはその横でバレーボール。あんまり楽しそうで、子どもたちのバレーボールに還暦の私も混ぜてもらいました。この変な日本人、怪しくない?いいの?でも普通に混ぜてくれて楽しく遊べました。街ですれ違っても、自然と笑顔でBULA!。これは南国特有なのかもしれないけれど、とってもフレンドリーなフィジー人です。

私は英語苦手。自分から英語を話すなんて、失敗したら恥ずかしい。
それが、フィジーの語学学校では、初日からとても楽しかった!
めちゃくちゃ変な英語だけど頑張った。安心して間違えることができた。

フィジー留学の記事はこちら

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フィンランドはSISU(シス)、フィジーはYURU(ゆる)?

フィンランドへ行って初めて教えてもらった言葉に「SISU(シス)」があります。どんな状況でも諦めない、安易な道にいかない強い心、フィンランド魂です。フィンランドでの幸せ感は、少し時間がかかっても丁寧に、そして自分の体や自然に良いことをして得られる感覚です。

フィンランドで、教育視察の前に行ったイソショッテ。ここで、オーロラハンティングツアーを体験しました。オーロラは残念ながら見れなかったのですが、極寒の山を宇宙服みたいなのを着てみんなで登りました。翌日はトナカイのそり。厳しい自然の中で生きるSISUを感じました。

フィジーは、SISUとは真逆かも。その時その時、今、ここの幸せをめいっぱい楽しむ、といったなんともゆるい幸福感でした。これは、温暖な気候も影響しているかもしれない。

フィジーでは、毎日サンダルで過ごし、青空の下、フラット(寮)から学校までテクテク歩く。学校を半日休んで海のきれいな観光地に行く学生もいますが、それはそれで現地で英語を話すから勉強になるし、連絡すればOKというゆるさ。良い意味で適当なのです。

私は真面目できちんとした国民性の日本も好き。色々あるけれど、日本に生まれて良かったと思ってます。多様な価値観に触れ、日本人気質にフィンランド魂のSISUやフィジーのYURU感が注入され、それぞれの国の思い出と一緒に、少しだけ自分の一部になった気がします。

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2つの国に共通すること

フィンランドとフィジー、全然違う国だけれど、共通することはあるのだろうか。

まず、将来の心配がない☆彡
フィンランドは福祉が充実していて、公助の国、親の介護は子どもするべきといった概念はあまりないそうです。フィジーはケレケレ(共助)の国。長寿の国ではないし、いざとなれば家族じゃなくても助けてくれる。結果、自分や周りの幸せにつながっています。

そして余白☆彡
スケジュールがいつもいっぱいとか、遅くまで残業するとか自己犠牲的なところがない。それぞれの国で方法は違っても、いい感じに自分の時間を過ごすことを大事にしている。ゆとり、余白がある。イライラしていない。そういえば、フィジーのスーパーのレジで恐ろしく並んでるのに誰もイライラしてなくて驚いた。

幸福感が、金銭的、権威的なことではない☆彡
フィンランドでは中学を出ると約半分が普通高校、約半分が職業学校へ行く。職業学校へ行く割合は男性6割、女性4割とのこと。職業学校よりも高校、大学へ行った方が、将来収入が高いのでは?と思ったけれどそうとは限らないし、もし足りなければ何か仕事を探せばいいという考えでした。
フィジー人は、ケレケレ(共助)の国なので、お金があると無い人にあげてしまう。お金よりも人とのつながりを大事にしている。

やはり自然☆彡
なんと言っても、フィンランドもフィジーも自然豊かです。
太陽の光、緑の森、湖、青い空や海を感じると、癒されます。
私の住む大好きな北海道も自然豊かで、幸せだなと思っています。

これら共通することに幸せのヒントあるのかも。
というか、実は、幸せになりたいなどといちいち意識しなくてもよい状態が一番幸せと思う。

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旅は最高の学び

大好きな本、星野道夫さんの「旅をする木」にこんなフレーズがあります。

「いつか、ある人にこんなことを聞かれたことがあるんだ。たとえば、こんな星空や泣けてくるような夕陽を一人で見ていたとするだろ。もし愛する人がいたら、その美しさやその時の気持ちをどんな風に伝えるかって?」
「写真を撮るか、もし絵がうまかったらキャンバスに描いて見せるか、いややっぱり言葉で伝えたらいいのかな」
「その人はこう言ったんだ。自分が変わってゆくことだって・・・・・
 その夕陽を見て、感動して、自分が変わってゆくことだと思うって」

「旅をする木」星野道夫著 文春文庫 より

私は、自分が変わるというのは、気付くことだと思います。
国が違うと価値観も違うけれど、みんな地球に生まれて、自然の一部であり、幸せの本質は変わらないのではないか。

自由に動けるのは、せいぜいあと十数年。新しい経験をしてたくさん気付きたいから、また、旅をしたい。
旅に出なくても、日々の中で新しい発見に驚いて、多様な価値観を知ることも学び。

結局、好奇心さえあれば、どこにいても幸せなのかもしれない。

下記のnoteを書いたら、2つの国の幸せについて書きたくなりました。
読んで頂いてありがとうございます。
フィンランド教育視察ツアーの記事はこちら
フィジー留学の記事はこちら

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