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もやブロ#57 モラハラおじさんが地域を破壊する

こんばんは。越後湯沢を中心に、移住促進を中心としたソリューションを提供しているまちづくり会社・きら星株式会社の代表をしております、伊藤綾です。

2019年2月に創業した弊社はまもなく、4周年を迎えます。人口8千人の湯沢町に100人の移住者をサポートし、隣の南魚沼市を含めて累計で130人の移住者を地域にお迎えしてきました。政府も、ますます地方移住の動きを積極化しようと札束で人を引っ張る移住支援金などの施策を令和5年度に強化すると報道がなされ、地方移住はますます進むのでしょうか?

いや、私は移住の専門家として進まないと思っています。
正確に言うと、金銭的なインセンティブに釣られる層の一定の流入は見込めると思いますが、根本的な地方の人口問題を解決するための若年層女性の流出には歯止めがかからず、トータルで見ると社会減になると見ています。

モラハラおじさんが地域を破壊する?

センセーショナルなタイトルで、ぎょっとされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
私がこのようなことを書くきっかけになった、隣町の南魚沼市議会で起きた出来事のシェアをさせていただきます。

ここで言うモラハラおじさんとは、民主主義の原理原則も無視してエゴと感情ベースで動くおじさん達の総称を指します。

民主主義はどこに行った?

きっかけとなった記事は、こちらの記事。非公開の市議会の委員会で行われた新たな補助事業における執行部からの根回しと、その補助金の賛否が発端なのですが・・・

ブログ文中に、とんでもない一文を見つけました。

緊急に会派代表者会議が開かれ、議員が他の団体を調査する際は、議長と副議長の許可を事前に取ることが決められました。私はほぼ強制的に、北里学院との面談をキャンセルさせられました。

黒岩氏のブログ「打たれれば打たれるほど、出てくる杭になれ!表現の自由を奪われた市議会議員が言いたいことを言い続ける物語。」

え?!
議員というのは、行政の執行部が提案した事業・税金の使い方が適正に行われるか、その要否も含めてチェックをするということが仕事なのに、

①チェックをするための調査に、議長と副議長の許可が必要
②議長も副議長も自民党系の会派で偏りがある
③各会派の代表者会議(非公式会議)で①が決定された
④ということを、野党系議員も含めてスルーで通した

という民主主義とは一体?という事象が起こっているわけです。

これの何がやばいのか?

議員は市政運営が良いか悪いか、批判的にチェックするのが仕事で、議会で自分の考えにしたがってそれを表明するのは表現の自由で保障されてるわけです。
そして、メディアの取材などのように、調査したりする知る権利だって表現の自由として憲法で保障されてます、だってそれがなければ表現できない当たり前の前提だから!
議員の調査を制約するってことはひいては議員の言論を封殺するに等しいって、公務員や政治家の皆さんが感じてないとしたら、そのまちやばくないですか?

【追記】
後に出てきた意見として、議会の委員会で非公開と「民主的に」決めた学院の資料をブログ記事に公開した黒岩議員の行動を諌めるような意見がありました。
それはそれでわかりますが、私が言ってるのは【団体への調査は議長・副議長の許可を得ないといけない。という謎のローカルルールを、一部の議員で決定している】ことがモラルハザードってことです。

てか、調査ってなんやねんてことも謎。例えば、うちなんて自治体から委託受けてるから、話聞かせてとかしょっちゅうくるわけですよ。数字教えてとかもよく言われますね。弊社にアポ取って質問くるのに議長とかの許可いるとかと同じじゃん。じゃ私も議員から話聞かせて(無償で)とかって言われた時、みんな断ろうかな笑 議長の許可とってますか?って爆笑

憲法>特別法>一般法>>>ローカルルール
法律>条例>>>ローカルルール


という構造を、ローカルルール>憲法でもいいと思っている人がそれなりの立場にいるのではということが、やばいということ。
「それで地域は回っているんじゃ!空気読んで調和するのが大人ってもんだろ」って思う人いたらやばいですよ。法治国家の意味?

2023/1/17追記

ちょっと飛躍してしまうかもしれませんが、こんな事態をスルーっと通せるリテラシーのない人たちが、地方自治の中心にいることって、北朝鮮ばりの言論統制。全体主義に近しいことなんですよね。

若い人が残りたいまちになるのか?

ということで、人口減少の本論に戻りますけれども。
人口5万人ぽっちの街で、こんな風通しの悪いことが頻繁に起こっていて、若い人が残りたいと思うでしょうか?

こういう街では、何か新しいことを始めようと思ったり、人と違うこと、異質なことを言ったりやったりすると出る杭が打たれることがしょっちゅうです。あなたの身の回りには、異質なものを排除しようとしたり、臭いものに蓋をするような風潮、ありませんでしょうか?
それが人口減少の原因です!

コロナ禍でも若年女性は地方から東京都へ転出し続けている

ニッセイ基礎研究所のレポートでは、若年女性の東京回帰は続いていると言及されています。

結局、若い女性が希望持って暮らせないと地方の人口は自然減の一方になるわけです。多少リテラシーがあって、意欲的な女性は、言いたいことも言えず好きに生きることもできない、男性(オジサン)主導の閉鎖的な地域社会には戻ってきたくないんですよね。

私自身も、高校を卒業したあと「絶対、こんなクソつまんねえことばっかり言ってるおっさんだらけの新潟になんて戻ってきてやるもんか」「型にばっかりはめやがって、つまんねえモラハラじじいどもめ」と考えていました。
自分で地域を変えられるとも思っていませんでしたし、地方の余白がかえって新しいものを生み出せる余白だということに気付きもしませんでしたから。(今は上記の2点に気付いたので地方で暮らしていますし、その考えを拡げながら地方暮らしを増やすような活動をしています。

地域に残るのはモラハラおじさんに順応できる人ばかり

そうすると地域に残り続けるのは、それに気付かない無関心な層か、同調して茹でガエルになっていく層が多くなっていくと思いませんか?

マジョリティへの反対意見が出ないことは良いことではなく、多様性が失われ、何も考えない/諦めモードの集団になるということです。

そんな地域でイノベーションを起こしましょうなんて、ちゃんちゃらおかしい。

こういうことを発信すると「あなたがそんなこと言うと、地方にますます人が来なくなる」と苦言を呈する人もいるんですが、くさ〜い膿を隠したまま「うちの地域は暮らしやすいですよ」とは信義則としてできませんので。

あと「言いすぎだからもうちょっと抑えて」とかも言ってくるおじさん勢いるんですけど、だから、そーゆーのが流出の原因なんですからね。
干されたっていいんです、そしたら、見限って他の地域に行くだけだから。弁護士の夫と、起業家である私と、事業所と、子ども3人引っ提げていなくなったら地域の経済的損失すごいよ?笑

モラハラおじさんができること

地域を破壊するモラハラおじさん達には打つ手がないんでしょうか?
私はそうは考えていません。
モラハラおじさんも、内省と学び続けることによって変わることができると思っています。

世間では、リスキリングだアンラーニングだ、と湧き立っていますが、私はモラハラおじさんこそ、これらが必要だと主張したいです。

私の友人が本件についてレスをくれて良い図書を紹介していただいたので、これを読んでぜひ学び直しをお願いいたします。

それでは!今日も言いたい放題、言わせてもらいました。
みんなでいいまちづくりをして、地方の魅力を発揮できる環境をつくっていきましょう!!きら星のもやでした〜。


「魅力的なまちで溢れかえっている世界を」作り「地方で暮らす人を増やし消滅可能性都市をなくす」ことをミッションに動くまちづくり会社社長。湯沢町で暮らす2児の母でもある。