自作ゲームを完成させる!エターなるのを防ぐ5つの考え方
こんにちは。もず(@mo_x_2)です。
突然ですが、皆さん「エターナる」って言葉を聞いたことありますか?
エターナるとは……
「エターナル」(英語の形容詞eternal:永遠の、果てしない)を動詞化させた造語。ツクラー(ここでは主にPC用のRPGツクールのユーザー)の間で生まれた。
未完の大作「エターナルファンタジー」からとも。
作者が諸般の事情によりゲーム製作を途中で放棄すること、またはその状態を表す。
(中略)
原因は様々だが、作者が制作に飽きる、展開が思いつかない、周辺環境の変化(仕事の多忙化、パソコンの故障、病気や事故など)といった事が原因と思われる。大抵の場合、何の音沙汰も無く更新が止まる。
引用:エターナるとは (エターナルとは) [単語記事] – ニコニコ大百科
「エターナる」、略して「エタる」とも言われているそうです。要するに、「ゲーム制作を途中で放棄すること」ですね。
私も数年前まで趣味でノベルゲームを制作していたのですが(作品リストはこちら)、自作ゲームについて色々と調べていると「エターナった」ゲームを時々見かけたものです。
途中まではブログで毎日進捗報告がされていたりするのですが、だんだんとブログの更新が遅くなり、あるときを境にぱたんと更新が止まっている。はたまた「ゲーム制作やめます」「中断します」「もう疲れました」の一言だけ残して終わっている、等々……。
「未完のまま終わる」のはどんな創作活動でもありえますが、ことゲーム制作においてはこんな「エターナる」なんて用語がある以上、きっとその確率が他より高いのでしょう。
私自身、1作目のゲーム『ねこ探偵 最初の事件』は途中1年ほど制作せず放置していた期間があったりして、まさに「エターナりかけ」ていたのでした。(その後足掛け3年で完成)
そこで今回は、ささやかとはいえ3作のゲームを完成させた私が、ゲームを「エターナらせない」ために意識していた考え方を5つご紹介します!
私が作ってきたノベルゲーム・シミュレーションゲームに限ったお話もあるかもしれませんが、ゲームだけじゃなく創作活動全般に応用できる部分もあるかと思います。
どうも進捗が芳しくない、完成が見えずエターナりそうな案件を抱えている方のご参考になれば幸いです!
他人に頼りまくる
「早速他力本願かよ!」
と思われるかもしれませんが、はい、その通りです。
ゲーム制作のいいところは、なんといっても分業制が一般的であること。
自分ではできない、やりたくない、時間がかかってしまうことは、得意な人に任せていいのです。私自身、今まで作ったゲームはシナリオとキャラ絵以外、背景・BGM・効果音は全てフリー素材です。もちろんお金をかけて誰かに依頼すればもっとクオリティの高いものができるでしょう。
何もかも自分でやろうとしない。自分のスキルを過信しない。これ重要です。
また、ティラノビルダー・ティラノスクリプト(ノベルゲーム開発ソフト/エンジン)をお使いの方なら、ティラノプレミアムに加入するのもおすすめです。ティラノプレミアムのシルバー会員になれば、月960円でティラノ開発メンバーへ質問や相談のメッセージを送ることができます。
システムやプログラムでつまづくことは意外と多く、しかも往々にして解決策が見つかりません。このあたりも得意な方に丸投げしましょう。その分、シナリオなどの自分の持分に力を注げばいいのです。
プラスの思いつきは後でやる
不思議なもので、ゲームを作り始めて実際に手を動かしていると、
「あっ、これをこうしたらいいかも!」
と、様々なアイディアが思いつくものです。脳汁がドバドバ出て楽しい瞬間でもあります。
ただし、そのアイディアが、例えば探偵モノのノベルゲームで「殺人の凶器をナイフから斧にする!」というような「変更」のアイディアだったらまだいいのですが、問題は「追加」の場合。
「殺人鬼と恋に落ちるルートを追加しちゃお!」みたいな、今までなかったものを「追加」するアイディアですね(どんな例だ)。
こういうアイディアは、あとで追加しましょう!
あとで、というのはつまり「完成後」です。
「えー!せっかくいいアイディアを思いついたのに!今書きたい!」
と思われるかもしれませんが、その「欲」が確実に完成を遠のかせ、エターなる可能性を高めるのです。
まずはとにかく当初考えたシナリオをベースに、完成まで突き進みましょう。
「プラスの思いつき」を実装するのは完成してからでも遅くありません(商業ゲームでもよくある追加シナリオってやつですね)。ここはぐっとこらえて、後回しにするのが鉄則です。
ちなみに、私はこういった思いつきの「あとでやる」をやった試しがありません。結局大したことないアイディアだったってことだと思います。
順番に囚われない
ノベルゲームの制作手順って、ざっくり言うと
1.シナリオ書く
2.素材(キャラ絵・背景・BGM・効果音)を用意する
3.組み立てる
の3ステップです。(超ざっくり)
シナリオができなければどういう素材を用意したらいいかわかりませんし、シナリオと素材がなければ組み立てはできません。
……という思い込みは捨てましょう!!
他の人はどうだか知りませんが、やっぱりシナリオを書くのが一番しんどいんですよ。こういう話にしようというネタ自体はあっても、その点を線にする作業のなんと難しいことか。違和感や矛盾がポコポコと湧いてきて、もうどうすりゃいいんだか途方に暮れるばかり。
「なんかうまく書けないから、いい考えが思いついたらまた書き始めよう」
と思ったが最後、そのゲームは二度と日の目を見ることはないでしょう(大袈裟)。
いや、ちょっと距離を置くのはいいんです。書けないのにパソコンの前でウンウン唸っていても苦しいだけです。仕事でもないのになんでこんな苦しい思いをしてるんだとうっかり我に帰ってしまうと、そのゲームは二度と(以下略)。
シナリオから距離をおいたら、他の作業をしましょう。キャラ絵や背景、BGMを用意してもいいです。おすすめは組み立てに着手してしまうこと。
「シナリオが完成していないのに組み立ててどうする!」
と思われるかもしれませんが、できている箇所だけでいいんです。シナリオの一部だけでもいいので、いったんゲームとして動く状態にしてみてください。
あれ、結構もうゲームっぽいじゃん!
そう思いませんか?私はそう思いました!!
もちろん、シナリオ⇒素材集め⇒組み立ての順で進められれば、一番効率はいいと思います。私も何度シナリオの変更でキャラ絵の作り直しをしたか。
でも、それこそ仕事じゃないんですから、効率をそう追い求めなくてもいいんです。自分のやる気を持続させ、完成まで持っていくことを最優先に考えてください。
ひとつの作業に行き詰まったら他の作業をやってみる。決して手を止めないことで、少しずつ完成に近づいていきます。
「やらない理由」を潰していく
趣味全般に言えることですが、ぶっちゃけやらないならやらないでいいことです。
特にゲーム制作は基本めんどくさい作業のオンパレード。
めんどくさいことを人はやりたがりません。「やらない理由」をこれでもかと考えて、なんとか回避しようと画策します。
これをなんとか阻止しましょう!
私の場合、
・パソコンのスペックがゴミだから絵が描けない⇒パソコン買う
・家だと集中できない⇒会社帰りにファミレスへ行く
・なんかやる気でない⇒ノリのよい音楽を流す、おいしいおやつを用意する
等の策を講じ、多少お金の力も使いつつ、なんとかやる気を出させるようにしています。
あと、2作目以降は、
・何が面白いのかわからなくなった⇒過去作ったゲームにいただいた感想を見る
というのもやりました(こればっかりは本当にプレイヤーのみなさまに感謝)。
なんとか自分の機嫌を取り、次々と湧いてくる「やらない理由」を潰していく。ゲーム制作に限った話じゃなく、勉強やダイエットなんかでも同じですね。
〆切を作る
人はめんどくさいことをやらない上に、〆切がないと動こうとしません。
「いつかやる!」の「いつか」は来ません。来る前に死にます。
「よーし、夏までに完成させるぞ!」とかいう自分の中での〆切はダメです。さらに「夏」なんてアバウトな考えもダメです。
「9月でもまだ暑いから夏だな!」とか言い出すに決まっています。「今年の夏とは言ってない!」とか言い出したら末期です。
きちんと外的な〆切を設定しましょう。
個人的におすすめなのは、
・デジゲー博などのイベントで頒布する
・ティラノゲームフェスなどのコンテストに参加する
あたりでしょうか。
SNSなんかで「コミケに出店する!」「ティラノゲームフェス参加する!」などと宣言して自分を追い込みましょう。
このとき、「忙しいから難しいかもしれないけど……」「ダメ元で……」などと保険をかけた枕詞をつけるのは禁止です。キッパリ言いきりましょう。
大丈夫です、人間追い込まれればなんとかなります。逆に、追い込まれなければなんともなりません。
まとめ
以上、「自作ゲームを完成させる!エターなるのを防ぐ5つの考え方」をまとめると、
・他人に頼りまくる
・プラスの思いつきは後でやる
・順番に囚われない
・「やらない理由」を潰していく
・〆切を作る
ということでした!エターなりそうになったら、以上のように考えてみてくださいね。
以下余談。
ゲーム制作に限らず、私が創作活動する上でよく考えるのが、
「人類が滅亡しても作りたいと思うか」
なんですよね。
人類が滅亡して自分が人類最後の一人となったときに、あなたは何かモノを作りますか?
私は作りません!!
それはやっぱり「誰かに見てほしい」っていうのがあるからです。
そりゃもちろん趣味ですから自己満足のためという側面もあります。でもやっぱり誰かに見てもらってこそ、本当の意味で「ゲームは完成した」と思うんですよね。
私と同じように「人類が滅亡したら創作活動はしない、100%自己満足には考えられない」って人は、作ったゲームをちゃんと完成させた方がいいです。完成させた時にこそ、ゲーム制作の本当の喜びがあるからです。
人類が滅亡する前に、まずは1作目。がんばってください。
以上、もずでした。
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