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DXプロジェクトと効率化プロジェクトの違い

良く、DXのプロジェクトを始める時に「システム化」をするという話が出ると思います。
システム化自体は当然必要だし、様々な手法でシステムを組み上げていくのはどういうITプロジェクトでも必要な事だとは思いますが、ことDXを進めていくには気を付けた方が良い事があります。
その内容についてご紹介致します。

DXプロジェクトの成否は「目的地の設定」

DX=システム化とした時に、今ある業務をシステム化しましょうというところから検討がスタートする事になると思います。
その議論から、DXプロジェクトは一つの業務をシステムに置き換えようとする訳ですが、DXプロジェクトの成否はこの最初の議論で概ね決定するといっても過言ではないと思います。
何故、そんな事になるかというと、最初の目的地の高さで、そのシステムの出来は決まるからです。
デジタルで扱うモノはデータである以上、ある程度は修正が出来ますが、手戻りが多いと結局スピード感のないプロジェクトになってしまいますので、是非この最初の一歩を慎重に検討する癖を付けましょう。

データ化の先に何を見据えるのか

効率化を進める部門と話をしていく時には、「その業務自体の効率化」を中心に議論を進めていくと思います。

一般に「システム化」に求められるもののイメージ

  • 今まで出してきたデータのインプット、アウトプットを楽にする

  • 集計しなくても自動で集計される

  • データベース化する事で検索が容易になる

当然、これはシステム化をしていく上でユーザーに土台を使ってもらうために必要な事に要素になる事は間違いないです。
ただ、DXを進める為にはプラスαを見据えて、そのデータ取りを行うという考え方が重要になってくると思います。

具体例

例えば、今まで機械の稼働を紙で計測していたとします。
この稼働をデジタルで取る方法に変えたとします。
そうすると、通常以下の効果が得られると思います。

  • 紙で書いていた時よりも精度が上がる(人の記録は曖昧・気持ちが入る)

  • 即座にグラフ化され、共有される(人が紙の記録をデジタルデータに置き換えなくて良くなる)

  • 何月何日のデータ、どの機械のデータなど、検索すれば出てくる様になる(記録を探す手間がなくなる)

こういう事によって、システム化は喜ばれ、使われていくと思いますが、DXという視点では以下の様なメリットも取れるかと思います。

  • 今まで曖昧だった情報(例えば、出来高以外の停止時間情報)も正確に捉えられる事になり、その原因を追求することで稼働率を上げたり、企画稼働率と照らし合わせる事で、無理のない計画にしたり、その計画値から適正な原価設定が出来る様になったりします。

  • 機械の稼働をデジタルで記録される事により、組み合わせは必要ですが、機械の稼働(商品1個1個)に使われる電気代だったり、CO2だったりっていうのが測れる様になったりします。(要は、今までの人の力では到底測れなかった数値を表に出す事ができます。)機械の状態による原価への影響を見える化する事でメンテ計画や更新計画にもきちんとエビデンスを持って計画を作る事が出来るでしょう。

上記の様な事が見れると想定するとどうでしょうか。実際にシステム利用部門も楽になると同時に、違う部門へのデータの提供による業務変革が起きるんじゃないか、というイメージも湧くのではないでしょうか。

是非、デジタルが得意な事を想定し、デジタルの付加価値を見据えた仕組みの設定を

中々具体的なイメージを行うのは厳しいところではあるかと思いますが、ただ効率化をする以上の付加価値を見い出し、組織に影響を与えられる仕組みを作るのはDX推進者の腕の見せ所になるかと思います。
少しでも目的地をより良い位置に置ける様にし、デジタル化による効果をより良い結果に変えていきましょう。


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