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1日1和訳 〜52日目〜

ゴールデンウィーク終わってしまいましたね。ずっと本読むかゲームしていた気がします。今日は現場の第一発見者を訪ねるとこです。





 この会話は我々の乗っている辻馬車が長く続く薄汚い通りと陰鬱とした横道をクネクネと通って行く間に行われた。一番薄汚くて、一番陰鬱としたあたりで突然御者が座席の方へ来た。
「オードリー小路はそこです」
生気のないレンガの並んだ細い通りを指差して彼は言った。
「戻ってきたら見つけてください」
 オードリー小路は漢字の良い場所ではなかった。細い通路は敷石で覆われた中庭と、それに並ぶ汚い住居に我々を導いた。我々はランスという名前が彫られた真鍮の細い細工で飾り取られたドアの46番地に着くまでに、汚い子供達の集団の中をゆっくりと進み、色褪せた洗濯物が連なり干されたところを過ぎた。調べたところ巡査はベッドにいることに気づいたので、我々は小さな前室で彼が来るのを待った。
 彼はやがて現れたが、見たところ眠りを邪魔されて少し苛立っているようだった。
「私は報告書は署に出しましたよ」
彼は言った。
 ホームズはポケットから半ソブリン金貨を出して考え込むようにそれで遊んだ。
「僕らは直接君の口から全て聞きたいと思ったんだ」
彼は言った。
「喜んで何でも話せることを話しましょう」
巡査は小さな金色の円盤に目を奪われながら答えた。
「ただ君が知っていること全てを起きたままに話してほしいんだ」
ランスは馬巣織りのソファに腰掛けて、まるで何かを忘れないようにと決めたように眉を寄せた。

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