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不自然な要素が多すぎて気が散るドラマ。でも結局一気見。 【トゥルー・ディテクティブ ナイト・カントリーTrue Detective Night Country】


『トゥルー・ディテクティブ』まだ続いてたんだ! しかも主演はジョディー・フォスター。ということで、軽い気持ちで観始めた『ナイト・カントリー』。昔、シーズン1をアマプラでちょっと観たけど、男臭さと突然のヌードシーンに辟易して途中で断念(男くさい刑事モノが嫌いなわけじゃないんだけど。『BOSCH』なんて、「うわ〜、こういうの、おじさんたちが憧れちゃうんだろうな〜」と半分バカにしつつ、結局全部観ちゃったし。『BOSCH』についてもいつか書こうと思う)。

【気が散る要素1:主役二人の「男っぽさ」】

『ナイト・カントリー』もシーズン1の男臭さをしっかり受け継いでいる。今回の主役はジョディー・フォスター演じるダンヴァースと、彼女の相棒ナヴァロ。どちらも女性だけど、とにかく男っぽい。それ自体は悪くないし、背景を考えれば納得できる。でも、時々「この男らしさアピール、いる?」と感じる場面がちらほら。例えば、ダンヴァースがファンタジーフットボールをやっているシーン。ストーリーに影響はないし、キャラクターに深みを与えるわけでもない。ただの「男っぽいでしょ?」ってアピールにしか見えない。
他にも、ダンヴァースとナヴァロのそれぞれのセックスの描写に違和感。女性の性欲を描くことは良いことだけど、なんだか男っぽいアプローチが違和感を感じさせる。まるで男用に書かれたキャラをそのまま置き換えただけみたいで、現実感がない。

【気が散る要素2:説明調のセリフ】

特にエピソード1、説明調のセリフが多すぎる!みんな無駄に名前を言ったり、前提をわざわざ説明したり(もう、わかってるから…)。視聴者に状況を伝えるのはわかるけど、もっとさりげなくストーリーに織り込んでほしい。露骨に説明するのは、ちょっと手抜きに感じる。最後のエピソードでも「Wi-Fiも繋がらない、車も動かない、吹雪でどこも行けない」と説明。もっとナチュラルに状況を伝えられないものか。

【気が散る要素3:謎に下手なCG】

エピソード1冒頭のカリブーの群れ、なんであんなにCG感丸出しなの?見ていて初っ端から気持ちが冷める。途中の白熊も中途半端で、『ライラの冒険』の白熊かと思った。

【気が散る要素4:ケンカ後のナヴァロの回復が早すぎる】

エピソード4で男たちとケンカしてボコボコにされるナヴァロ。重傷のはずが、後のエピソードでは顔の腫れもなく、傷も消えている。あれ?数日しか経ってないよね?こんな都合のいい回復描写、ちょっとやりすぎ。エピソードごとに「極夜○日目」って表示して、一日ごとの展開の重みを強調してるのに、ナヴァロのけがについては時間の流れを完全無視。都合良すぎるでしょう。あ〜、なぜちょっとだけでもいいから、せめてナヴァロの顔にアザのあとを残すことはできなかったのか。

【気が散りまくりながらも一気見できた理由1:不気味な雰囲気】

それでも一気見しちゃったのは、ドラマ全体の雰囲気が不気味で引き込まれたから。過酷な雪国の閉塞感、小さな町の独特な世界観。どこまでがリアルでどこまでがファンタジーなのかわからないストーリー展開に、「どう終わるんだろう?」と最初から最後まで気になりっぱなし。『ファーゴ』を思い出すような閉塞感がたまらない。

【気が散りまくりながらも一気見できた理由2:素晴らしい俳優陣」

ジョディ・フォスターはもちろん、フィオナ・ショウ演じるローズが特にお気に入り。彼女が出てくるとストーリーの深みが一気に増す。ローズの出番は少ないけど、彼女の存在がドラマの質を底上げしている感じ(私の中でのフィオナ・ショウといえば、『キリング・イブ』と『フリーバッグ』。両方とも最高に良い演技で、いつかこの2作品についても書きたい)。

【気が散りまくりながらも一気見できた理由3:ナヴァロのキャラクターの成長】

ナヴァロはもともとかっこいいけど、ドラマが進むにつれて彼女のキャラクターに深みが増していく。妹との関係、お母さんとの関係、文化的背景…色々な情報が明らかになるたびに、彼女に共感できるように。最初の数エピソードでは「はいはい、強くてタフな女性ね」程度だったけど、最終的には好感が持てるようになって、ドラマのファイナルシーンも気持ちよく受け止められた。

【最後に】
ドラマの全体評価は3.5/5。一気見しちゃったし、印象に残るシーンもいくつかあったけど、気が散る部分が多すぎる。それでも「それなりにおすすめできるドラマ」、かな?


今後も海外ドラマや映画について評価していく予定です。映画やドラマについて語りたい方、ぜひフォローをお願いします!


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