人生は短くても、長くても。映画「オールド」
公 開：２０２１年
監 督：M・ナイト・シャマラン
上映時間：１０８分
ジャンル：ホラー/スリラー
見どころ：水の中からの脱出方法
映画「オールド」は、人間の一生をほぼ1日に短縮されてしまったとしたらどうなるのか、という実験的作品となっております。
監督は「シックス・センス」で一世を風靡したM・ナイト・シャマランとなっており、その名前を聞くだけで、人によってはどのようになるのか想像がついてしまうほどの監督だったりします。
とあるリゾート施設にいった一家が、こっそり案内されたプライベートビーチ。
そこは、何かがおかしい。
実は、肉体の1年間が30分で過ぎていってしまうという謎空間だった、という、その一発ネタをシャマラン節でやってのけています。
5歳だった少年が気づくと11歳ぐらいになり、目を離した隙に大人になっている。
身体は大人になっても、成長の早さに中身が追い付かないため、一同を驚かせるできごとが発生してしまったり、時間の流れが早いせいで、肉体の老化に伴う様々なことが発生して、てんやわんやになります。
ただ、悪いことばかりでもありません。
気持ちのすれ違いから離婚寸前だった夫婦が、一気に老化した結果、目が見えなくなった夫は、ようやく妻と向き合うことができるようになり、妻は耳が聞こえなくなった後で旦那の本心を聞かされる。
かみ合っていない夫婦が、年齢を重ねたことで、お互いの大切さに気づくという皮肉は、設定ならではといったところ。
ちなみに、作中では特殊な鉱石の影響とか、色々な理由が話されていますが、大真面目に聞くと作品に没入できなくなります。
荒木飛呂彦先生の「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズでいうところの、スタンド能力が発動して、なんとなく肉体の成長が加速してしまったりする攻撃を受けていると思った方が素直に楽しめると思います。
辻褄とかそういうものを気にすると、シャマニストにはなれません。
年齢を重ねるのは悪いことではない、なんていう教訓めいたものは勿論なく、内容はともかくとして、何かが起きそうで、なんだかおもしろいものを見ることはできます。
そして、そんな気分でラストまで迎えた上で、最後につっこみを入れて欲しいと思います。それでいいのか、と。
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